給湯器にも種類がありますが、その中でも石油給湯器はお湯を一気に沸かすパワーがあります。ランニングコストも安いため、気になっている人も多いのではないでしょうか。この記事では、石油給湯器とは何なのか、メリット・デメリットなどを解説します。長く使用するコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

石油給湯器とは
石油給湯器とは、その名のとおり石油(灯油)を用いてお湯を沸かす給湯器です。灯油ボイラーと呼ばれるケースもあります。給湯器と一口にいっても種類があり、石油式・ガス式・電気式の3つに分けられます。
それぞれ特徴が異なりますが、石油式はパワーが強くランニングコストが安い点がポイントです。
石油の給湯器商品一覧
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石油給湯器のメリット
石油給湯器のメリットとしては、頑丈さが挙げられます。他の給湯器と比べると、石油給湯器は寿命が長めです。10年近く使用するケースも多く、給湯器の交換頻度は高くない点がメリットでしょう。ランニングコストが抑えられるのもうれしいポイントです。
特に、冬場に光熱費が高くなりがちな寒冷地では、コストが抑えられるため広く普及しています。

石油給湯器のデメリット
石油給湯器は、燃料として灯油を用います。そのため、灯油の価格変動の影響をもろに受けてしまいます。灯油価格が高騰すると、その分コストが上がってしまう点はデメリットです。
また灯油の貯蔵制限があるため、家庭では200Lまでしか燃料を置いておけません。残湯量の確認を怠ると、燃料切れを起こしてお湯が沸かせなくなる可能性もあるため注意が必要です。

石油給湯器を交換するタイミングとは
石油給湯器の寿命は長めですが、ずっと使い続けられるわけではありません。石油給湯器を交換するタイミングとしては、以下のようなトラブルが起こった場合です。
・騒音が大きくなってきている
・燃焼中の異臭が強くなっている
・本体からオイルが漏れている、もしくは黒煙が出ている
・エラーコードが頻繁に出る
・お湯がぬるい、温度が安定しない
このようなトラブルが発生した場合は故障している可能性があるため、石油給湯器の交換を検討しましょう。また、大きな故障やトラブルがない場合でも、10年程度を目安に取り替えたほうが安心です。

石油給湯器を選ぶときのポイント
石油給湯器を選ぶ際には、3つのポイントを意識しましょう。以下では、各ポイントについて詳しく解説します。
給油方式で選ぶ
石油給湯器には、直圧式と貯湯式の2つの給油方式があります。それぞれの違いを見ていきましょう。
直圧式石油給湯器
熱交換器という水の入った金属製配管を加熱してお湯を沸かす方式です。素早く温度が上昇するため、お湯を使いたいときにすぐ使うことができます。給水しながらお湯を沸かし続けることが可能で、水圧が強くお湯切れの心配がありません。
ただし、お湯を多く使った場合には、温度低下が見られる点はデメリットです。
貯湯式給湯器
タンクに貯めた水を沸かして、お湯を作る方式です。ヤカンを火にかけて、お湯を沸かすのをイメージするといいでしょう。貯湯式給湯器は一度の大量のお湯を沸かせますが、お湯が沸くまでに時間がかかります。また直圧式に比べると水圧が弱い点がデメリットです。
機能で選ぶ
石油給湯器の種類や機種によって、搭載されている機能は異なります。そのため、ライフスタイルに合った機能を備えているかどうかもポイントです。
フルオート
フルオートとは、自動でお湯張りやストップができる機能です。お湯が減れば自動で足し湯をし、一定時間は自動で保温できます。排水時には配管内を自動で洗浄するなど、高機能なタイプです。スイッチを押すだけで作動するため、簡単で手間がかかりません。
オート
オートとは、自動でお湯張りからストップまでできる機能です。一定時間は自動で保温できます。フルオートとの違いは、お湯が減った際に自動で足し湯がされない点です。そのため、お湯が足りないと思った場合は、自分で足さなければいけません。また、配管内の自動洗浄もされません。
給湯+おいだき
お湯張りをする場合には、自分で蛇口を開いて給湯する必要があるため、フルオートなどよりは手間がかかります。
おいだき機能とはお湯が冷めてしまった場合に、おいだきしてお湯を温める機能です。スイッチ1つでおいだきできるため、家族がお風呂に入る時間がバラバラな家庭などに向いています。
給湯専用
給湯のみに使えるもので1台でキッチンから洗面所、シャワーへの給湯が可能です。お湯張りをする場合には、自分で蛇口を開いて給湯する必要があります。お風呂のおいだきはできないため、お湯が冷めてしまった場合には蛇口を開いてお湯をつぎ足さなければいけません。
給湯能力で選ぶ
石油給湯器には、4万キロと3万キロの2種類があります。大きいほうが給湯能力は高くなります。
4万キロは、一般的に4人以上の家族向けです。多くのお湯を使えるため、夏はシャワーと同時に2カ所使用が可能で、冬はシャワーと同時に1カ所使用が可能です。3万キロは2人家族向けの給湯器で、夏場はシャワーと同時に1カ所使用が可能で、冬場は快適にシャワーを使用できます。
家族の人数が少なくても一度にたくさんのお湯を複数箇所で使用する場合は、4万キロのほうが安心でしょう。

各メーカーの石油給湯器の特徴
石油給湯器を扱っているメーカーはさまざまです。ここでは、主なメーカーである2社の特徴について解説します。
ノーリツ
一般的な石油給湯器から、外装や内部の部品すべてをステンレス製にした井戸水対応商品、寒冷地用商品など幅広く取り扱っています。エコフィール対応のリモコンには、エコスイッチが搭載されており、ライフスタイルにあった省エネを実現できます。価格の目安は、約17万~45万円です。
コロナ
スピード湯張り機能が搭載されている機種があり、従来よりもスピーディーに湯張りが可能です。また、省エネ控えめ設定や給湯量セレクトなどの機能つき機種なら、楽に節約できます。価格目安は、約18万~48万円程度です。
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石油給湯器にかかる費用の目安
石油給湯器は、取り付け費用やランニングコストなどがかかります。以下では、石油給湯器にかかる費用の目安を解説します。
取り付け時の費用
石油給湯器の取り付けは、壁掛けタイプと床置きタイプによって、設置費用が異なります。それぞれの取り付け費用は以下のとおりです。
・壁掛けタイプ:33,000円~38,000円
・床置きタイプ:35,000円~43,000円
ただし、業者によって取り付け費用は異なるため、複数社で見積りを取って比較しましょう。
ランニングコスト
石油式は、電気式・ガス式と比べるとランニングコストが安く済みます。お湯を使う頻度が多い家庭でランニングコストをできるだけ抑えたい場合は、石油式が向いているでしょう。ただし、灯油価格や家族の人数、使用頻度などによって実際の価格は変わってきます。

省エネ機器 エコフィールとは
エコフィールとは、今まではそのまま捨てていた排熱を利用して、お湯を沸かす省エネタイプの石油給湯器です。排熱を利用することで効率的にお湯が沸かせるため、灯油の消費量が抑えられランニングコスト削減につながります。
ただし、本体価格が高く導入費用は高くなりがちです。また、排熱を再利用する際に急激に冷やされて凝結した水である、ドレン水の処理も必要です。そのままにすると、周囲が水浸しになるため、ドレン排水工事をして適切に処理することが求められます。

石油給湯器をできるだけ長く使うためのコツとは
石油給湯器を長く使うためには、ポイントを押さえる必要があります。ここでは、石油給湯器を長く使うためのコツを紹介します。
劣化しにくい場所に設置する
劣化しやすい場所としては以下のような場所が挙げられます。
・風雨が直接当たる場所
・ホコリや湿気の溜まりやすい場所
・海の近く
石油給湯器の配管などがむき出しになっており、風雨やホコリなどの影響を受けやすくなっています。また、海の近くは塩害を受ける可能性があるため、外部からの影響を受けにくい場所に設置しましょう。
定期的に掃除する
屋外に設置していると、どうしても汚れが付着します。そのため、ホコリやゴミなどを除去するなど、定期的に掃除をして清潔な状態を保ちましょう。排水口が塞がってしまうと不完全燃焼が発生するため、排水口付近には特に注意が必要です。
給湯器を保護する
給湯器を保護するカバーなどを利用することもいい方法です。給湯器は屋外に設置されるため、どうしても汚れや劣化などが起こりやすくなります。
むき出しになっている配管を保護するためのカバーを使ったり、配管の亀裂と防ぐ保湿テープなどを用いたりして保護すると石油給湯器が長持ちします。
入浴剤に注意する
入浴剤の中には、石油給湯器の配管に悪影響を及ぼすものもあります。たとえば、酸や塩分を含んだもの、イオウ系の入浴剤などは注意が必要です。使用する際には、入浴剤の注意書きをよく読んだり、メーカーに使用しても大丈夫か確認してみたりするといいでしょう。

まとめ
石油給湯器は、パワーがありランニングコストを抑えられる給湯器です。石油給湯器にもさまざまな種類があるため、ライフスタイルや家族の人数、使用頻度などに応じて、適した給湯器を選びましょう。

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