ガス瞬間湯沸器は、すぐにお湯を使いたいときに便利です。すでに使っている家庭やこれからの利用を検討している人も多いのではないでしょうか。ガス瞬間湯沸器には、取り付ける前に知っておくべきことがあります。
今回は、ガス瞬間湯沸器について、詳しく解説します。メーカーごとの特徴やコストなども確認してください。

ガス瞬間湯沸器とは
ガス瞬間湯沸器は、水しか出ない蛇口から、すぐにお湯を出せるようにする便利なガス機器です。小型の給湯器のようなもので、基本的に屋内のシンク付近に設置します。省スペースに設置できることも特徴です。
給湯器との違いは追い焚きなどができないことですが、すぐにお湯を使えるので便利です。ガス瞬間湯沸器には、元止め式と先止め式の2種類があります。
元止め式ガス瞬間湯沸器の特徴
元止め式ガス瞬間湯沸器は、本体に取り付けられた蛇腹式のシャワーノズルからお湯がでるタイプです。給水配管への取り付けはできないため、お湯の出口は、取り付けられたシャワーノズル1つとなります。この理由は、水流センサーが本体に搭載されているためです。
水流センサーとは、水流に反応し湯沸器の着火や消火する機能となります。1箇所しかお湯は出ませんが、シャワーノズルの自由度が高いのが特徴です。
先止め式ガス瞬間湯沸器の特徴
先止め式ガス瞬間湯沸器は、湯沸かし器本体に給湯分岐配管を取り付けて、キッチンなどの蛇口につながっているタイプです。蛇口で、お湯を出したり止めたりするため、先止め式といいます。
分岐配管を増やせば、複数箇所への給湯が可能となります。水圧が強ければ、2階や3階への給湯もできるため、会社の簡易キッチンや美容室などで使われています。ただし、温度調節をしたり、スタンバイ状態にしたりするためには本体で操作しなければなりません。

ガス瞬間湯沸器を取り付ける前に知るべきこと
次に、ガス瞬間湯沸器を取り付ける前に知っておくべきガスの種類について解説します。ガスは便利ですが、使用には注意も必要なのです。
ガスには種類がある
ガスは、大きく分けると都市ガスとプロパンガスの2つです。都市ガスは7グループに分けられ、全部で13種類あります。
都市ガスは事業者によって原料が異なるのが特徴であり、その原料によって規格が決まっています。つまり、規格の違うガス器具の使用はできません。そのためガスコードも規格に合わせたものを使う必要があります。
プロパンガスは、都市ガスのような種類はありません。ガス瞬間湯沸器を取り付ける際には、都市ガスなのかプロパンガスなのかを確認し、都市ガスであれば規格の確認も必要となります。
種類を間違えると一酸化炭素中毒につながる恐れがある
ガス瞬間湯沸器を含めて、ガス器具を利用する際には、種類の確認が不可欠です。最も注意すべきは、一酸化炭素中毒で多くの人が中毒死する悲惨な事故も起こっています。
一酸化炭素とは、不完全燃焼で発生する無色・無味・無臭の気体であり強い毒性を持ちます。人間が吸収すると酸素運動能力が下がり、一酸化炭素中毒症が起き、致死量を超えると死亡する場合もあるため細心の注意が必要です。
ガスの種類とガス器具が一致しないと、不完全燃焼を起こしやすくなります。また、爆発着火などで火傷を負うケースもあるでしょう。ガスの種類が分からないまま、ガス瞬間湯沸器を取り付けることは危険です。ガスの種類は契約しているガス会社に、必ず確認するようにしましょう。

ガス瞬間湯沸器のおすすめメーカー
ガス瞬間湯沸器は「リンナイ」「パロマ」の2大メーカーが有名です。それぞれの特徴を紹介します。
リンナイ
リンナイは、給湯機器や厨房機器などの熱エネルギー機器を製造販売している企業です。ガス瞬間湯沸器は、点火確認しやすく燃焼状態も確認しやすいので安心感があります。
ガス瞬間湯沸器において大切な換気については、注意表示が見やすい位置についているため、見逃しにくくなっています。
操作ボタンは使いやすく、軽く押すだけで点火できてダイヤルで細かな温度調整が可能です。お湯の水量調整が簡単であり、水圧の強さでシャワーノズルが持ち上がる現象が改善されているため、使いやすくなっています。
リンナイ(Rinnai)の給湯器商品一覧
価格・工事期間・商品概要の詳細はこちら→
パロマ
パロマは、ガスコンロやガス給湯器などガス器具の製造販売を主力としている企業です。パロマのガス瞬間湯沸器は、使いやすさや音声でのお知らせ機能などが特徴となっています。
安全装置が作動したり、乾電池が消耗したりした場合は、サインが点灯・点滅し、音声でも知らせてくれます。大きな操作ボタンは、プッシュ&ダイヤル式になっているため使いやすく、シャワーとストレートの切り替えも簡単です。
パロマ(Paloma)の給湯器商品一覧
価格・工事期間・商品概要の詳細はこちら→
ガス瞬間湯沸器は有資格者だけが交換できる
ガス瞬間湯沸器は、ガス事業法で認められた有資格者以外は、取り付けも交換もできません。DIYブームだからといって、素人が取り付けることは法令違反になります。作業は簡単にみえるかもしれませんが、思わぬ事故で大きな怪我をする場合もあります。必ず、資格をもったガス会社に取り付けや取り外しを依頼するようにしてください。

ガス瞬間湯沸器のコストはどれくらい?
次は、ガス瞬間湯沸器のコストです。本体の価格や取り付け費用、ランニングコストを解説します。
湯沸器本体の価格
ガス瞬間湯沸器の本体価格は、2万円から4万円程度です。
また、ガスの種類によっても価格が大幅に変わることがありません。
参考までに先ほど紹介した、2大メーカーの希望小売価格を見てみましょう。
【2大メーカーの希望小売価格】
・リンナイ:元止め式37,000円・先止式38,100円
・パロマ:元止め式39,420円・先止式39,420円
※すべて税抜価格
実際に販売されている価格と異なることがあるため、具体的な価格が気になる方はメーカーや販売店で確認してください。
取り付け費用
ガス瞬間湯沸器は、必ず資格を有する業者が取り付けなければなりません。標準的に費用は、出張費込みで2万円程度です。ただし、法外な費用を請求する業者がいる可能性もあるため、あらかじめ見積りは取るようにしましょう。
ランニングコスト(ガス代)
ガスの使用料金は、ガスの種類によって大きく異なります。例えば、使用量が20立方メートルの場合は、都市ガスでおよそ3,000円、プロパンガスだと業者によって異なりますが、1万円程度と高額です。また、暑い時期に比べて、寒い時期で使用量は大幅に増えます。夏に25℃の水を温めるのと冬に5℃の水を温めるのでは、必要なガスの量が異なるからです。

ガス瞬間湯沸器の耐用年数とは
ガス瞬間湯沸器の耐用年数は、標準使用で10年となります。使用開始から7年を経過すると、経年劣化により不具合が発生する可能性があります。部品の経年劣化による不具合は修理費が高額になりやすく、部品がなくて修理できないケースもあると認識しておきましょう。
何も不具合がなくても9年から10年程度で、点検を受けることをおすすめします。定期点検を受けていれば安心です。もし、交換となった場合は、ガスコックが旧式の「ホースバンド接続」になっていないか確認してください。旧式の場合は、ガスコックの交換も必要です。

まとめ
ガス瞬間湯沸器は、すぐにお湯が使える便利なガス器具です。元止め式と先止め式があって、種類も豊富にあるため自分の家庭にあったものを選ぶようにしましょう。注意しなければならないのは、自宅のガスの種類です。種類が適合していなければ、毒性の強い一酸化炭素が発生し、事故につながるかもしれません。
また、ガス瞬間湯沸器は、有資格者しか取り付けられません。お困りのことがありましたら、カインズにご相談ください。

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