給湯器を使ってある程度の期間が経つと、交換をすべき時期が来ます。そこで気になるのが、交換のタイミングや費用です。給湯器を交換すべきタイミングや費用の相場がわかれば、急な交換や予想外の出費に見舞われることがなくなるでしょう。この記事では、給湯器を交換するタイミングやかかる費用、業者に交換を依頼する際の注意点などについて解説します。給湯器の交換を検討する際の参考にしてください。
給湯器を交換するタイミングの目安

毎日のように使う給湯器は、機械ということもあり長く使っていくうちに調子が悪くなる可能性があります。まずは給湯器を交換する主なタイミングについてみていきましょう。
給湯器の寿命
給湯器は年数が経てば調子が悪くなり、故障するようになります。寿命は一般的に10年前後と言われており、設置から10年前後が経過した給湯器は、一定の温度が保てない、お湯が出るまで以前よりも時間がかかるといった症状がみられるようになります。また、給湯器のタイプによっては、製造から9~11年で法定点検を実施しなければならない製品もあります。
故障したら修理するという手もありますが、故障の頻度が高くなればそれだけ費用もかかります。思い切って新しい給湯器に交換したほうが結果的に費用を抑えられることもありますので、どちらがお得で安全性を担保できるかをしっかり見極めることが重要です。
生活の変化
結婚や出産といったライフイベントで家族が増えることで、お湯を使う機会や使用量が増えます。それにより、既存の給湯器ではまかなえなくなる可能性があり、サイズの大きい給湯器を設置する必要性が生じます。このように、生活の変化も給湯器交換のタイミングになり得ます。
住まいを建て替えるとき
住んでいる家を建て替える、リフォームするというタイミングも、給湯器の交換に適した時期と言えます。建物を新しくすると当時に、古い給湯器も新しいものに交換すれば、別々で依頼をした場合よりも全体のコストを抑えることができる場合もあります。水回りやキッチンのリフォームなどとあわせて交換するとよいでしょう。
給湯器に異変が発生したとき
給湯器を使っているときに、普段とは違ったことが起きている場合も、交換のタイミングかもしれません。主な異変を4つ紹介します。
【本体から異音が聞こえる】
給湯器に着火する際、いつもと違う音が聞こえたらそれは異常の兆候かもしれません。機器の内部で不完全燃焼が発生している可能性があります。進行状況によっては危険な状態かもしれないため、早期の点検、あるいは交換が必要です。
【本体が変形している】
給湯器の本体が変形している場合、内部にも何らかの影響が及んでいる可能性があります。ガス漏れ、異常着火、水漏れなどの恐れがあるため、対処が必要です。
【水漏れをしている】
水をこぼしていないにもかかわらず、給湯器の下や周辺が濡れているような場合は、本体や水道管から水が漏れている可能性があります。こうした場合も危険です。早いうちに修理したり、状況によっては交換したりしてください。
【ガスのにおいを感じる】
ガス給湯器の場合、経年劣化などでガス管に亀裂が生じることがあります。給湯器を使用中に、ガスのにおいを感じたらガスが漏れている可能性を疑いましょう。
給湯器の交換における商品選びのポイント

給湯器にはいくつかの種類・タイプがあります。それぞれ機能が異なることはもちろん、タイプが異なれば設置方法も変わります。そうした背景から、給湯器を交換する際にはあらかじめ知っておくべきことが多くあります。そこで、商品選びのポイントについて、代表的なものを紹介します。
給湯器の設置方法
給湯器を設置する方法には、壁掛設置と据置設置の2つの種類があります。壁掛タイプは戸建て住宅なら家の外壁に設置されており、壁の高い位置に設置されているので下の部分に空間があります。一方で、据置タイプは地面や床に設置されています。設置方法によって選べる給湯器は異なり、給湯器は基本的に現在設置されているものと同じ設置タイプの商品に交換することになります。誤って違うタイプを選ばないよう、使用中の給湯器を把握しておくことが大切です。なお、給湯器の設置方法を変更するには、自宅のリフォーム工事が必要となる場合があります。
給湯器の機能
給湯器の機能も、貯湯式と瞬間式の2つの種類に分けられます。貯湯式は、沸かしたお湯をタンクにためる構造で、電気代が安い夜間にお湯をためることができるため、電気温水器によくみられます。タンクは小さくても2メートル程度の高さがあるため、設置したい場所に収納できるかどうかを確認しましょう。また、瞬間式は、貯湯式とは異なり、お湯が必要になったタイミングでその都度お湯を沸かすタイプです。主に、ガスや灯油が燃料として使われています。
湯沸かしに使用する燃料
給湯器は、ガス、電気、石油のいずれかを燃料にしてお湯を沸かします。ガス給湯器が一般的ですが、オール電化の戸建てが増えていることもあり、電気を使う電気温水器も増えています。冬に雪が積もるような寒さが厳しい地域であれば、石油が最適です。どの燃料の給湯器が適しているのかは、自宅の環境やライフスタイルなどを考慮して判断しましょう。
サイズ(号数)
給湯器のサイズは、一般的に号数で分類されます。それぞれの給湯器に表記されている号数の数字は、水温25℃のお湯が1分間に出る量(L数)を示しており、16号であれば1分で16リットル、24号であれば1分で24リットルのお湯が出ることになります。号数が大きければ、キッチンと浴室など複数の場所で同時に使用することができるため、人数が多い家庭は号数の大きい給湯器がおすすめです。
給湯器交換の費用や工期

給湯器を交換する場合は、費用や工期の情報も事前に調べておきましょう。期間によっては日常生活に支障をきたすことも考えられます。ここでは、実際にどれくらいの費用がかかり、どれくらいの作業時間がかかるか見ていきます。
交換にかかる費用の内訳
給湯器は、号数・サイズや機能によって本体の金額は変わり、大きいサイズや高機能のタイプであれば高くなっていきます。
給湯器の交換には、本体価格に加えて工事費もかかります。工事費には現在使用中の給湯器の取り外しや処分、新しい給湯器の設置費用などが計上され、4~6万円が相場です。
本体と工事費を合わせたトータルの金額は、単身世帯用の小さめでシンプルな給湯器の場合は、5~15万円ほどです。4人以上の家族向けの場合は、20万円以上が一般的です。
交換にかかる作業時間
給湯器の交換にかかる作業時間は、おおむね2~6時間程度です。一般的な住宅の、よくあるタイプの給湯器であれば、2~3時間ほどで終了します。一方で、給湯器のタイプを電気からガスに変える場合などは、大がかりな工事が必要になります。その場合は、数日かかる可能性があるため、事前に工期を確認しておくことをおすすめします。
給湯器交換を依頼する業者の選び方

給湯器の交換は、基本的に専門の業者に依頼することになります。一度設置したら10年ほど使い続けることになるため、安心して任せられる業者の選び方についてのポイントを紹介します。
資格を持っているか
給湯器は、ガスや電気、石油などが燃料として使われます。そのため、交換の作業には危険が伴い、有資格者でなければ施工できません。ガス会社や給湯器メーカーではなく、地元のリフォーム会社などへ工事を依頼する場合、その会社には有資格者がいるのか、どんな資格を持っているスタッフがいるのかを確認しましょう。ガス可とう管接続工事監督者、給水装置工事主任技術者、ガス機器設置スペシャリスト、第二種電気工事士などの資格があてはまります。
料金体系が透明かどうか
交換を依頼する前には、業者にどれくらいの金額がかかるのか見積もりを依頼することになるでしょう。見積もりに作業内容や料金の内訳がしっかり記載されている業者は、信頼ができると言えます。料金が明確でない場合、設置工事が終了してから追加で料金を請求されるというようなケースも考えられます。どの作業にどれだけの金額がかかるのか、明確に提示してくれる業者を探しましょう。
レビューやクチコミの評価
業者を探すには、リフォーム会社の比較サイトを参考にするという手段もあります。給湯器の交換を手がける施工会社の比較サイト、一括見積もりサイトなどがあり、そうしたサイトではそれぞれの会社の実績や評価を確認することも可能です。過去の施工実績に関するレビューやクチコミなど客観的な評価を参考に、自分に合った業者を選ぶのもよいでしょう。
アフターフォローや保証の手厚さ
給湯器は毎日使うものであるため、アフターフォローや保証が充実しているかどうかも考慮したいポイントです。故障した際や何かしらの不具合が発生した際に、保証の内容によっては修理や交換を無料で提供してもらえる可能性あります。一方で、費用にアフターフォローが含まれていない場合もありますので、見積もりをしっかりチェックしましょう。
対応スピードの速さ
もし給湯器が故障してしまったら、お風呂に入れないなど、生活に支障をきたします。修理の依頼などの連絡をしたら、その日のうちに来てくれるなど、迅速な対応をしてくれるかどうかを確認することも大切です。
まとめ
給湯器は、使い続ければその年数に合わせて故障や不具合が発生する頻度が高くなります。状態によっては、交換が必要となる場合もあります。給湯器の種類は豊富であり、それぞれ機能や価格にも差がありますので、選ぶ際には使用状況や優先したい機能を整理してみましょう。生活の必需品であり、長年にわたって使う機械でもあるため、商品や施工会社をしっかり見極めて、住まいにピッタリの1台を選んでください。
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