住まいの情報を調べていると、「リフォーム」や「リノベーション」という言葉をよく目にすることがあるでしょう。これらは一見すると同じような意味合いで使われがちですが、実はその内容は大きく異なります。
この記事では、混同されやすいリフォームとリノベーションの違いを、目的や工事内容、規模、さらにはそれぞれのメリット・デメリット、費用相場、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。どちらを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
リフォームとは?リフォーム・リノベーション・建て替えの違い
リフォームは戻すこと、リノベーションは価値を高めることであり、意味が異なります。どれも似ている言葉ですが、微妙に意味が異なります。まずは3つの違いを理解し、どれが自宅に必要なのかを明確にしましょう。
リフォームとは新築に近い状態に戻す改修工事のこと
リフォームとは、英語の「reform(再び作る)」の意味があり、老朽化した建物を新築に近い状態に戻すための改修工事を指します。具体的には、経年劣化による設備の故障や損傷の修復、古くなった内装の刷新などが中心となります。入居時の現状を100とすると、老朽化や劣化が見られる現状から70~90への回復を目指すのがリフォームといえるでしょう。
例えば、壁紙や床の張替え、キッチンや浴室、トイレの交換、外壁や屋根の修繕などがリフォームに該当します。既存の建物の状態を改善し、より快適に長く住み続けるための手段として活用されるのがリフォームです。
また、アパートなどの賃貸物件でよく耳にする「原状回復」はまさにリフォームにあたり、次の入居者が新築と同様に入居できるようにすることを目的としています。
リノベーションとは今まで以上に価値を高めること
リノベーションとは、既存の建築物に大規模な工事を加え、単に新築の状態に戻すだけでなく、いままで以上の新たな価値をつくることを目的としています。リフォームとよく混同しがちですが、和室を洋室に変えたり、壁を取り払ってリビングルームを拡張するなどの大規模な工事は、いずれもリノベーションに該当します。
リノベーションは英語でRenovation「修復、刷新」という意味があります。入居時の状態を100とすると、リノベーションの場合100以上の価値がある物件に変えることも十分に可能でしょう。
家全体を骨組みのみにする「フルスケルトン」や、近年流行している古民家改築などは、リノベーションの代表例とも言えます。古い住宅を現代のライフスタイルに合わせてアレンジできるのは、リノベーションならではの魅力といえます。
建て替えとは
建て替えとは、建物をゼロから建て直すことを指します。現在の住宅を基礎部分から全て取り壊し、同じ土地に新しい注文住宅を建てるため、リフォームやリノベーションに比べると費用は高額になりやすいといえます。
ただし、建て替えはすべての土地で可能なわけではありません。建築基準法や立地条件によって「再構築不可」とされる物件もあるため、事前の確認が必要になります。
リフォームのメリット・デメリット

改築する場所や老朽化の度合いによって、リフォーム、リノベーション、建て替えのどれが適しているかは異なってきます。どれがいいか分からないという方は、まずはリフォームならではのメリット・デメリットを押さえておきましょう。
リフォームのメリット
リフォームのメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
リフォームはリノベーションや建て替えに比べると改築が部分的ですが、それだけ費用を安く、工期を短くできます。工事期間中の仮住まいを探す必要がないのも、リフォームならではのメリットと言えるでしょう。
また、リフォームは現在の建物の雰囲気を残しつつ、該当箇所のみを一新できるのが特徴です。そのため、長年住み慣れてきた愛着ある自宅の雰囲気が、リフォームによって無くなってしまう心配もありません。
リフォームのデメリット
一方で、部分的な改築となるリフォームならではのデメリットがあるのも事実です。後になって「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、以下のデメリットも頭に入れておきましょう。
- 大幅な間取り変更はできない
- 家全体の古さは一新できない
リフォームを検討する理由として、「子供の成長に伴い、部屋数を増やしたい」という声がよくあります。しかし、間取りを変更するような大がかりな工事はリノベーションに該当し、リフォームで対応することはできません。
また、リフォームによって該当箇所をきれいにできても、家全体の印象を一新することもできません。「築年数が古い家を生まれ変わらせたい」とお考えの方は、リフォームではなくリノベーションを検討するのが良いでしょう。
リフォームの費用はどのくらい?【ケース別の相場を解説】
リフォームにかかる費用は、家のどの部分を直すかによって大きく異なります。ここでは特にリフォーム箇所として人気の高い5つのケースを取り上げ、実際の費用相場をご紹介します。
キッチンのリフォーム費用

キッチンリフォームの費用相場は、おおよそ20~100万円ほどです。キッチンのどの部分をリフォームするかによって費用は大きく異なり、特に最新のアイランドキッチンなどにリフォームすると費用は高額となります。
リフォーム費用を段階別にまとめると、それぞれの金額でできるリフォーム内容は以下の通りです。
- 20万円以下:ビルトインコンロや換気扇、食洗機など一部のリフォームなら可能
- 40〜50万円:シンプルなI型システムキッチン
- 50〜100万円:I型キッチンならハイグレードモデルに。既存のキッチンから位置変更がなければ、L型や対面式のリフォームも可能。
- 100〜150万円:高スペックなシステムキッチンが選択可能。ペニンシュラ型やアイランド型などの対面式への変更も可能。
- 150万円以上:アイランドキッチンなど、配管の移動を伴うリフォームが可能。各メーカーの最上級モデルや、オーダーメイドキッチンも選択可能。
参考記事:キッチンリフォームの費用相場を解説!価格の抑え方や補助金
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トイレのリフォーム費用

リフォーム箇所として特に人気の高いトイレは、おおよそ15~30万円が費用相場となります。シンプルな洗浄機能付きトイレなら10万円台でのリフォームも十分に可能ですが、最新の高性能なトイレを導入する場合や、和式トイレを洋式トイレに変える場合などは、費用が高額になる傾向があります。
参考記事:トイレのリフォーム費用相場を解説 | 3つの基本費用と補助金制度
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風呂のリフォーム費用

風呂のリフォームは80~120万円が相場となります。マンションタイプに比べて戸建てタイプの方が費用が高くなる傾向にあり、特にタイルなどを用いた在来浴室からのリフォームは費用が100万円を超えることも少なくありません。
また、風呂のリフォームではバスタブの素材によっても費用が大きく異なります。最も一般的なFRP(繊維強化プラスチック)は費用が安くなりますが、人工大理石やホーロー素材のバスタブだとリフォーム費用は高額になる傾向にあります。
参考記事:風呂のリフォームにかかる費用はどれくらい?目安や金額ごとの事例を解説
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リビングのリフォーム費用

リビングのリフォーム費用は、約50~150万円が相場です。壁紙を取り換えるなどのシンプルな内容であれば50万円程度で収まりますが、使用素材にこだわる場合やバリアフリー対応(段差をなくしたり、手すりを付けたり等)の場合には、費用が高くなる傾向にあります。
リビングのリフォーム費用は内容によって特に金額が変動しやすいため、実際の費用を知りたい方はまず業者へ問い合わせるのが良いでしょう。
参考記事:住みながらリフォームはできる?メリット・デメリットと工期も紹介
エクステリア(外壁)のリフォーム費用

リビングと同様に、リフォーム費用の幅がきわめて広いのがエクステリア(外壁)です。駐車場やカーポートの設置なら150万円以下に収まるケースが多いものの、こだわろうとすれば青天井になりがちなのもエクステリアの特徴でしょう。
エクステリアは家全体の見た目にも影響するため、安い素材を使用すると見た目が損なわれてしまう可能性もあります。リフォームが必要な箇所をみきわめ、予算を十分に用意したうえでおこなうのが理想といえます。
参考記事:エクステリアと外構の違いとは? 家の使い勝手とセンスを高める選び方
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住宅を改修する方法にはリフォーム、リノベーション、建て替えの3つがあり、中でもリフォームは最も手軽に行える改修方法です。費用が安く、工事期間を短くできるため、予算や時間に制限がある方にもおすすめです。
カインズでは定番の水回り(キッチン、トイレ、風呂)をはじめ、インテリア、エクステリアなど幅広いリフォームに対応しています。
- リフォームにかかる費用を見積もってほしい
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自宅をリフォームすれば、今まで慣れ親しんだ雰囲気は残しつつ、老朽化したパーツをきれいに刷新することができます。ぜひこの記事を参考に自宅の気になる箇所をリフォームし、毎日の生活に新しい風を取り入れてみてくださいね!