子どもが大きくなったり、リモートワークのためのスペースが必要になったりして、間取りの変更を含むリフォームをしたい人が増えています。家が新しくきれいになるだけでなく、間取りの変更によって家事の動線が効率化される他、耐震性のアップや断熱性のアップも期待できるなど、いろんなメリットがあります。その一方で気になるが、費用ではないでしょうか。希望する間取り変更のリフォームには、どれくらいの費用が必要になるか。さらには、できるだけ費用を抑えてリフォームする方法には、どんなものがあるのかなど、リフォームの前にぜひ知っておきたい情報をまとめてみました。
間取り変更リフォームの代表的なパターン

代表的な間取り変更リフォームには、どんな内容があるのでしょうか。参考となる代表例を紹介します。
リビングを広くする
家族と一緒に過ごす時間の長いリビングの間取り変更リフォームでは、壁の撤去、フローリングの張り替え、収納力のアップなど、空間を広く利用する目的があります。「現状のままでも大きな問題はないけど、もっと快適に過ごせる家にしたい」という希望も叶う、代表的な間取り変更リフォームです。
キッチンスペースを拡大する
キッチンスペースを拡大する間取り変更リフォームも非常にニーズが高いリフォームです。従来の独立型のキッチンから、キッチンとリビングをつないだLDKへと間取りを変更することで、デッドスペースをなくして、限られた空間を最大限に利用できます。システムキッチンなどの水回りの住宅設備は耐用年数が短いため、設備の入れ替えと同時にレイアウト変更や間取り変更も一緒に行うパターンが多くあります。
新たに子ども部屋を作る
子どもの成長と共に子ども部屋を増やしたり、1人ひとりのプライベートスペースを設けたりするために、間仕切り壁を設置して1部屋を2つに分けるリフォームが一般的です。リフォームの際には、防音効果に優れた建材を利用することで楽器などの音漏れを防ぐ他、収納スペースもしっかりと設けるなど、子ども部屋に適した工夫を加えているケースが多くあります。
家事の動線を効率化する
「玄関からキッチンまでの距離が長い」「洗濯機置き場から洗濯干し場までが遠い」など、日常生活を送る上でどうしても気なる家の不具合を解消するために、家事動線を効率化するための間取り変更リフォームも人気です。他にも、キッチンにパントリーを設けたり、ランドリースペースを広くしたりといったリフォームをする人も増えています。
収納スペースを増設する
子どもの部活用品や、ゴルフ、スキー、アウトドアアイテムなどの趣味の道具は、気が付けばいつのまにか増えてしまうものです。子どもが大きくなると衣服も増え、収納スペースが不足しがちです。収納が少ない家は、すぐに散らかってしまう傾向にあり、収納スペースを新たに設けるためにリフォームを検討する人は少なくありません。単に収納空間を増やすだけでなく、使い勝手も考えたスペースづくりのニーズが高く、衣替えがしやすいクローゼットや、汚れたままのスポーツ・アウトドア用品を家の中に持ち込まずに収納できる玄関脇収納など、さまざまな工夫を凝らした収納スペースづくりが人気です。
ワークスペースや書斎を新設する
テレワーク・リモートワーク用のスペースや、書斎・趣味の部屋を設けるリフォームも注目を集めています。「狭くてもいいから自分だけの居場所が欲しい」というニーズにも応えるリフォームです。部屋を新設するには広いスペースと大きな費用が必要になるため、既存の部屋にちょっとした工夫でプライベート空間を作るのがおすすめです。たとえば、押し入れやクローゼットを部屋の一部として利用したり、リビングのデッドスペースに作業のための机や収納棚などを設置してワークスペースにしたりするなどの方法があります。
間取りを二世帯住宅化する
「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」など家族の希望に応じた二世帯住宅化リフォームも可能です。一世帯向けの物件であっても、水回りの設備を共有するなどして、お互いのプライベート空間を保ったまま、二世帯住宅にすることもできます。大幅な間取り変更が伴うため、フルリフォームが前提となる点は理解しておく必要があります。
間取り変更リフォームの費用相場

間取りの変更が伴うリフォームは、工事する箇所や内容によって大きく費用が異なります。ここでは、代表的なリフォーム内容の費用相場を紹介していきます。
間仕切り壁の設置・撤去
間取り変更のために既存の壁を取り除く場合、または新設する場合は、天井・壁のクロスやフローリングなどの張り替え工事も必要になります。
<壁の新設・撤去費用の目安>
・間仕切り壁の設置 :8~25万円/箇所
・間仕切り壁の撤去(補修含む):7~23万円/箇所
・クロス張り替え:1,000~1,500円/㎡
・フローリング張り替え:3~6万円/畳
※「クロス・フローリング張り替え」は、選択するクロスや床材のグレードにより金額が大きく変わります。
ドア・クローゼットの増設リフォームの費用相場
部屋を新設するとドアや建具の工事が必要になる他、クローゼットなどの収納スペースも設置するのが一般的です。新たにドアやクローゼットを増設する場合は、以下が費用相場となります。
<ドア・クローゼット増設費用の目安>
・ドアの増設:6~25万円/枚
・壁付けクローゼット増設:10〜48万円/箇所
・ウォークインクローゼット新設:18〜80万円/箇所
窓リフォームの費用相場
間取りの変更にともない窓のない部屋が生まれてしまう場合や、窓がある位置に新しく間仕切りを設けたい場合などは、窓のリフォームも必要です。リフォームの中でも窓は費用が掛かる箇所ですから、既存の窓を利用した間取り変更にすれば、コストを安く抑えられます。
<窓リフォーム費用の目安>
・窓のサイズ変更:25~50万円/箇所
・窓の増設:10~30万円/箇所
・室内窓の設置:10~20万円/箇所
※2階以上の場合、足場の設置費用が必要になることもあります。
リフォーム事例別の費用相場
リフォームの実例をもとに、リフォーム内容のおおよその費用を紹介しますので、参考にしてみてください。
<リビング拡張リフォーム>
・和室を撤去してリビングスペースを拡大した場合:110万円
<LDKへの間取り変更リフォーム>
・和室とリビングをつなげてキッチンのリフォーム:157万円
<対面キッチンへのレイアウト変更リフォーム>
・対面キッチンへの変更とリビングのリフォームを同時に施工:350万円
<水周りのレイアウトを大幅に変更したリフォーム>
・浴室、洗面所、トイレの配置を変更:800万円
間取り変更リフォームの流れ

間取り変更リフォームは大規模な工事をともなうため、リフォームの目的をハッキリさせ、リフォームのイメージを作ることが大切です。さらに、希望したリフォームを行ってくれる業者選びもとても重要になります。
情報収集・イメージづくり
まずは間取り変更が伴うリフォームに関する情報を集めて、具体的なイメージを膨らませていきましょう。リフォーム会社のホームページやナビサイトには、数多くの事例が参考として紹介されているため、イメージづくりに最適です。また、リフォーム内容の優先順位を考えておくことも忘れないようにしてください。
施工会社に相談
希望する間取り変更リフォームが実現可能な範囲であるのか、また予算内で希望のリフォームができるのか、施工会社に相談します。大まかな設計やプラン、費用感を確認しておくとよいでしょう。
プランの検討
1社だけでなく複数のリフォーム会社に相談して、現地調査を依頼した上で詳細な設計や間取り、レイアウトなどのプランを作成してもらうのがおすすめです。
契約・施工
プラン内容、費用に満足できれば契約・施工となります。施工中もイメージ通りであるかを確認しながら進めていけば、満足できるリフォームが叶います。
間取り変更リフォームの注意点

間取り変更リフォームでは、家全体の耐震性や強度が損なわれないように、十分な注意が必要です。またマンションの場合は、管理規約の内容によっては、希望するリフォームができないケースもあるため、事前にしっかりと確認してください。
戸建て住宅の注意点
在来工法の住宅では、柱・梁・筋交いのある壁が構造体となるため、移動・撤去はできないことが多々あります。耐震強度を基準以上にするには、各部の補強が必要となり工事費用が高額になるため注意が必要です。
マンションリフォームの注意点
面で支える壁の撤去はできない他、水回りのレイアウト変更ができないケースがあるため、管理会社や管理人へ希望するリフォームができるかどうか確認してください。ガスや電気容量も一戸ごとに制限が設けられているため、コンセントやガス栓を新設したい場合も事前に確認しましょう。
間取り変更のリフォームで費用を抑える方法

大掛かりな工事が伴う間取り変更リフォームでは、工事の規模に伴って費用も高くなる傾向にあります。予算の範囲内で希望通りのリフォームができるよう、費用を抑えるためのポイントを紹介します。
大きな工事は回避する
できる限り元の設備を活かした間取り変更を検討することで、給排水の移設を伴うような大規模工事を避けることができます。手を加える箇所を最小限に抑えつつ、利便性や機能性の改善が図れるようなリフォームを実現できるよう、専門の業者に相談してみてください。
できだけ工期は短くする
工期が長くなるほど人件費が増える上、仮住まいのための費用も増えてしまいます。リフォーム工事以外に必要な費用が増えないように、工期が短くなるような工夫が必要です。住みながらのリフォームは1日にできる工事の範囲が狭くなってしまうため、思い切って家を空けておき、工期を短縮する方法などが有効です。
相見積りで費用を比較する
1つの業者のプランや見積り内容ではなく、複数の業者に見積りを依頼して工事内容や費用を比較検討するようにしましょう。同じ工事内容でも、標準仕様の範囲内に費用が入っている場合と追加で費用を請求される場合があるため、見積りの内訳はしっかりと確認してください。
補助金を活用する
国や自治体が実施する補助金の活用を検討するのも費用を抑えるポイントです。ただし、適用されるリフォーム内容が決まっていたり、補助金事業には期間が設けられていたりするため、事前の確認は欠かせません。
まとめ
家の印象や使い勝手が大きく変わる間取りの変更は、ライフスタイルの変化と共にぜひ実施したいものです。どんなリフォームができるのか、あるいはリフォームでは対応が難しいのか、この記事で紹介した内容を参考にして、ぜひ検討してみてください。費用を抑えるには、今ある設備や構造体を上手く活用することがポイントです。間取り変更には専門的な知識や目利きも必要ですから、迷った際は気軽に専門業者へ相談しましょう。
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