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太陽光発電の売電価格はどれくらい?制度や手続きについて解説

2023年07月31日
太陽光発電の売電価格はどれくらい?制度や手続きについて解説

近年、太陽光発電は急速に普及しています。太陽光発電で発生させた電力は、自宅で消費するだけではなく、電力会社に買い取ってもらうことも可能です。そこで気になるのが、売電した際の収入ではないでしょうか。この記事では、太陽光発電の売電価格の推移や太陽光発電を始める上で知っておくべきポイント、売電するために必要な手続き、より多くの収入を上げる方法などについて解説します。

太陽光発電の売電価格

太陽光発電の売電価格

太陽光発電では、生み出した電力を電力会社に売ることができますが、売電価格は毎年変化しています。それでは、具体的な売電価格や価格が決まる仕組みについて見ていきましょう。

近年の売電価格

固定価格買取制度(FIT制度)による太陽光発電1kWhの売電価格は、2022年度が10kW未満(10年間)で17円、 10kW以上50kW未満(20年間)で11円、 50kW以上250kW未満(20年間)で10円でした。

同様に、2023年度では10kW未満(10年間)で16円、 10kW以上50kW未満(20年間)で10円、 50kW以上250kW未満(20年間)で9.5円という金額が設定されました。

FIT制度では10kW未満が住宅用、10kW以上が産業用と区別されており、売電価格も異なります。

価格が決まる仕組み

太陽光発電で発電した電気のうち、余剰分は電力会社に売却することが可能です。その売電価格は、2012年からスタートした再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が関わっています。

経済産業省の外局である資源エネルギー庁に、調達価格等算定委員会という専門委員会が設置されています。FIT制度による売電価格はこの委員会で議論され、最終的に委員長案として提出された価格を経済産業省大臣が認可して、売電価格が決まる仕組みです。

発電容量が10kW未満であれば10年間、同じく50kW〜250kWであれば20年間にわたり、同じ価格で売電することができます。たとえば、2023年度に10kW未満の設備した場合では、16円の売電価格が10年間継続します。

売電収入の目安

太陽光発電の容量はkW(キロワット)で表され、1kWの電力を1時間使用した際の電力量が1kWh(キロワットアワー)です。環境省の報告書によると、住宅用の太陽光発電設備の年間予想発電量は平均で 1,215kWh/年・kW。容量が4人家族に適した5kWの場合、年間の発電量は6,075kWhだと予測できます。

また、経済産業省が2021年末に公表した資料では、太陽光発電で売電される割合は平均で69.4%。そのうち売電に回されるのは、年間で約4,216kWhという計算です。

太陽光発電の容量を5kW、そして売電価格を2023年度の16円とすると、一般家庭の年間の売電収入は67,456円になります。

太陽光発電の売電価格の推移

太陽光発電の売電価格の推移

FIT制度では売電価格は毎年検討され、社会状況などに応じて変動しています。それでは、売電価格のこれまでの推移について確認したいと思います。

売電価格は下落を続けている

10kW未満の住宅用太陽光発電の場合、現在のFIT制度がスタートした2012年度は1kWhあたり42円でした。その後、価格は年々下落を続け、2022年度は17円、そして2023年度は16円に設定されています。

出力制御対応機器設置義務なし 出力制御対応機器設置義務あり
2009年度 48円
2010年度 48円
2011年度 42円
2012年度 42円
2013年度 38円
2014年度 37円
2015年度 33円 35円
2016年度 31円 33円
2017年度 28円 30円
2018年度 26円 28円
2019年度 24円 26円
2020年度 21円
2021年度 19円
2022年度 17円
2023年度 16円

売電価格が下がった理由

FIT制度の開始当初は太陽光発電システムの設置費用が非常に高額で、高い買取価格でなければ事業者は初期投資に見合う収益が確保できない状況でした。しかし、太陽光発電の普及や品質向上、さらには施工会社による設置工事の効率化など様々な要因が絡み合い、初期投資の費用は大きく下落しました。その流れから、売電価格が低くても事業者は充分な収益が確保できると国が判断して、売電価格を徐々に低く調整していったと考えられています。

太陽光発電の売電を始める上で知っておくべきポイント

一旦設備を設置すれば、長年にわたって安定的に収益を得ることができる太陽光発電。設備投資にはある程度の金額が必要なので、慎重さは必要です。そこでこちらでは、太陽光発電の売電を始める上で知っておくべきポイントを、いくつか挙げてみました。

FIT制度の条件

FIT制度には適用期間があり、主に一般家庭に導入される容量10kW未満の住宅用太陽光発電では10年間が期限です。同じく、大規模な発電を行う産業用では20年間にわたって適用されます。この買取期間が過ぎるとFIT制度の適用が終了して、いわゆる「卒FIT」の状態になります。卒FIT後も引き続き電力会社に対して売電をすることはできますが、基本的に価格は大きく下がってしまいます。

発電容量で収入が変わる

発電容量とは太陽光発電システムがどれだけ発電できるかを表した数値で、単位はkWです。発電容量が大きいということは発電できる量が大きいということで、多くの収入が得られる可能性が高まります。逆に発電容量が小さければ1kWあたりの導入費用が高くなってしまい、費用対効果は悪くなります。このように発電容量は収入に直結するので、容量を意識して導入を検討することが大切です。

売電価格は安くなっているがメリットもある

太陽光発電の普及によって、設備投資や設置工事にかかる費用はFIT制度の開始当初と比較して著しく低下しました。具体的には、2011年では1kWあたり50万円程度だった初期費用が、2022年時点では1kWあたり21万円程度と半分以下にまでなっています。売電価格が下がり得られる収入も減ってはいますが、設備投資にかける費用も少なくて済むという状況なので、初期費用は十分に回収することが可能です。

太陽光発電を売電するための手続き

太陽光発電の売電には、電力会社との契約や経済産業省への申請など、様々な手続きを行う必要があります。こちらでは、太陽光発電の売電を始めるための手続きの流れについてご紹介します。

基本的な手続きの流れ

太陽光発電をスタートするには、まず電力会社と接続契約を結んで、その上で経済産業省に設備認定を申請することになります。申請は、プロセスや書面に不備があれば通りません。申請から認定まで時間がかかるものなので、スムーズに認定を受けるためにも、手順や必要書類、認定の基準などについて綿密に調べておくことが大切です。

電力会社への申請

自宅の太陽光発電システムと電力会社を接続する「系統連系申請」の手続きを行います。系統連系申請は接続契約とも呼ばれ、申請には系統連系申請書、系統連系協議依頼票、単線結線図などの書類が必要です。なお、申請する電力会社によって提出する書類や書式は異なりますので、事前に電力会社に確認しておきましょう。

系統連系申請はオンラインあるいは郵送で行い、申請から連系承諾まで基本的に2週間から数ヶ月を要します。申請が集中している時期や、大規模な工事が必要なケースでは認定までの期間が長くなる可能性があります。

経済産業省への申請

次いで、経済産業省からFIT制度の設備の認定を得るための手続き「事業計画認定申請」を行います。事業計画認定申請には、事前に電力会社との接続契約をしておく必要があるため、系統連系申請を締結することを忘れないようにしましょう。

申請時の書類は多く、住宅用(出力10kW未満)の場合は、建物の登記事項証明書(屋根の上の場合)など建物所有者の同意書類を提出します。また、電力会社との接続契約書、構造図、配線図などの書類も求められます。申請は経済産業省の電子申請サイトから行い、サイト内で必要情報を入力します。申請から認定までには、一般的に1~3ヶ月程度かかります。

より多くの収入を上げるノウハウ

より多くの収入を上げるノウハウ

太陽光発電の売電収入は、状況によって大きくもなり、反対に小さくなったりもします。ここでは、太陽光発電の売電による収入を上げるノウハウについて解説します。

発電効率の良いパネルを使う

太陽光パネルによって、発電効率は異なります。発電効率が高い太陽光パネルをできるだけ多く設置し、かつ太陽光が広い面積に当たるように工夫することで、多くの電力を発電することができるようになります。住宅の立地や屋根の形状など設置する条件はあるので、しっかりと調べて最適なパネルを用意したいところです。

買取価格の高い電力事業者に売る

FIT制度では売電価格は固定されていますが、卒FIT後は売電先の電力会社によって買い取ってくれる価格は異なります。卒FIT後も継続して売電するのであれば、できるだけ買取価格の高い電力会社やプランを探して選ぶことが大切です。

定期的にメンテナンスする

太陽光パネルに汚れや落ち葉などが付着していると、太陽光をしっかり受けることができず、本来よりも発電量が落ちてしまう可能性があります。また、設備は経年劣化するので、必要に応じて部材を交換することもあります。本来得られる収入を低下させないためには、日々のメンテナンスや点検にも地道に取り組むことを徹底しましょう。

蓄電池を併用する

日中の太陽光発電で生産した電力から自宅での消費分を差し引いた分が売電に回るのが、太陽光発電の売電の仕組みです。蓄電池を併用すれば電力会社から購入している安い夜間電力を蓄電し、それを日中に自宅で消費することが可能となるため、その分、太陽光発電の売電量を増やすことができます。

まとめ

自宅で消費する分の余剰電力から収入を得られるのは、太陽光発電の大きなメリットです。売電価格は下落傾向にありますが、一方で設備投資の費用も減少しており、太陽光発電を始めるにはちょうどいいタイミングと言えるでしょう。制度や売電価格などを理解し、メリットを享受できるかしっかり吟味して、太陽光発電をスタートするか判断してください。

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