Logo Cainz Reform

バリアフリーリフォームの内容やメリットとは?誰もが暮らしやすい住環境づくりのヒント

2022年08月29日
トイレの手すり・ミラー

バリアフリーとは、障がいをお持ちの方も、高齢の方も、誰もが建物などを快適に利用できる状態にすることです。街を見渡してみれば、スロープや点字ブロック、手すり、ノンステップバスなど、さまざまなところがバリアフリー化されています。この考えを取り入れたのが、バリアフリーリフォームです。この記事では、バリアフリーリフォームのメリットや種類、工事の流れなどを解説します。

バリアフリーとは

 

安心のバリアフリー設計

バリアフリーという言葉を耳にすることは多いですが、バリアフリーの意味はどういったものなのでしょうか。

建築用語から生まれたバリアフリー

バリアフリーとは、建築物の段差解消などの意味で用いられた言葉で、もともとは建築用語の1つでした。障がいをお持ちの方や高齢者の方々が社会生活に参加する上で、生活の支障となる物理的な障害や精神的な障壁(バリア)を取り除くことを目的とした施策です。

現在では、家庭内での事故のリスクを軽減し、心から安心して落ち着いて暮らせる住まいづくり全般をバリアフリー住宅といいます。また、掃除やメンテナンスがしやすい最新の設備を導入したり、快適な室内温度・環境を保てるようにしたりすることも、住宅のバリアフリー化の1つといえるでしょう。

広く社会に浸透したバリアフリーの概念

もともとは建築用語であったバリアフリーの意味は、現在ではかなり広くなり、すべての人にとって社会参加する上で、物理的、社会的、制度的、心理的な障壁を取り除くという意味で用いられています。住宅に当てはめて考えてみると、障がいをお持ちの方や高齢の方だけがバリアフリー住宅の恩恵をあずかるわけではありません。

例えば、若い世代の方々でも、思わぬケガで日常生活が困難になったり、また、妊娠中などは思うように体を動かすことができなかったりします。こうした幅広い人を想定して、暮らしのなかで体への負担となる部分を取り除き、快適で安全な空間をつくっていくという概念が、リフォーム業界でも広がっています。

バリアフリーリフォームのメリット

幅広い人にとって暮らしやすい住宅という考え方のバリアフリーは、メリットが多いイメージがあるでしょう。具体的に、どのようなメリットがあるか紹介します。

ストレスのない生活空間で快適に暮らせる

成人なら気にならない小さな段差や階段も、高齢の方や小さなお子さんにとっては障壁となります。段差による転倒を心配しながら暮らす住まいでは、心が落ち着きません。また、段差のような目に見える障壁だけでなく、目には見えない部分にもバリアフリー化が広がっています。

近年、高齢者の死亡事故の1つとして注目されているのが、ヒートショックです。寒い冬場などに、急に温度変化の大きな環境下にさらされることで、心筋梗塞などを引き起こす恐ろしい事故原因となっています。断熱性に優れた外壁へのリフォームや床暖房の導入、浴室暖房などによって、ヒートショックのリスクを最小化することが可能です。暮らす人の目線になって、健康寿命を延ばせるような住宅リフォームを行えることが、バリアフリーリフォームのメリットといえるでしょう。

介護がしやすい、介護をしてもらいやすい

車いすでの生活をしている方や、要介護認定を受けている方々への介護・介助シーンでも、バリアフリー住宅が大きな効力を発揮します。入浴やトイレの介護が楽に行えるほか、介護を受ける方の負担も大幅に軽減することが可能です。移動を考慮したスロープの設置、階段手すりの追加などは、小さな予算で十分に行えるバリアフリーリフォームの一例です。他にも、寝室の近くにトイレを増築したり、段差の少ない浴槽にバスルーム全体をリフォームしたりするなど、住まいむ人のニーズに応じたバリアフリー化の方法があります。

補助金支給や減税の対象になる

多くのバリアフリーリフォームは、介護保険をはじめ、国・自治体による補助金制度の対象となります。例えば、ヒートショックが起こりやすい浴室をリフォームする場合、高断熱浴槽や内窓の設置といったリフォームが補助の対象となります。ぜひ一度、お住まいの地域の補助金制度を確認してみてください。

バリアフリーリフォームの種類について

 

手すりKMタイプ_L型(左仕様)

バリアフリーリフォームには、いくつかの種類があります。ここでは7つのバリアフリーリフォームを紹介します。

手すりの設置

階段はもちろん、足元に段差が多い玄関や、移動距離が長い場合の廊下、床が濡れている浴室、屈んだり立ち上がったりするトイレなどへの手すりの設置は、バリアフリーリフォームを行う上でぜひ実施しておきたい場所です。

スロープ設置

玄関や廊下などの段差やステップをなくすスロープの設置は、車いす生活を送る方にとって欠かせないリフォームです。トイレや浴室の出入口部分は特に大きな段差があるため、床の高さを上げるなども含めた対応を検討してみてください。スロープの勾配が大きくなりすぎると、逆に車いすでの移動が難しくなり、滑って転倒してしまうリスクもあるため、状況に応じたバランスのよい段差の解消がポイントです。

室内の温度差をなくすリフォーム

ヒートショック(心筋梗塞、脳梗塞)を引き起こす急激な温度差を解消するためのリフォームです。脱衣所やトイレなどに暖房を設置するのがよいでしょう。また、普段から暖房を使っているリビングなどと温度差が激しい状況が生まれないように、建物全体の断熱性を高めるリフォームも有効です。フロア全体を床暖房にするなど、常時適温を維持できるようなリフォームがベストです。

介護を想定したリフォーム

車いすのまま利用できるキッチン、洗面台、トイレなど、介護される方の目線に立ったリフォームです。車いすのまま作業ができる足元がオープンなシンクや作業台を設置する、住宅の各設備間の動線を考慮した間取りへの変更は効果が高いと考えられます。移動しやすくて使いやすいことを重点的に考えたリフォームが、生活の質を大幅に向上させてくれます。

生活動線を考えた間取りの変更

車いすでの移動や、介護する人のスペースを考えた動線づくり、室内空間へのリフォーム方法があります。例えば、トイレの場合は、車いすで自走するために便座の前方に85cm以上のスペースが必要です。また、出入口に関しては、80cmが車いすの通れる最低サイズになります。介助する人のスペースも考慮して、余裕を持たせた広さ、作業しやすい便座位置のレイアウトなどを考慮して、リフォームする内容を検討していきます。

扉のリフォーム

引き戸への変更も効果的です。扉を押したり引いたりして開閉する開き戸タイプは、腕力が必要な上、扉を押さえたままの動作が必要になるなど、負担が大きくなることが避けられません。その点、引き戸は開閉の際に前後に移動する必要がなく、とてもスムーズで利便性に優れています。トイレなども引き戸タイプにしておけば、扉が障害物にならずに済むのでおすすめです。

ユニバーサルデザインの採用

自分が高齢者でなくても、将来の加齢を想定して、ユニバーサルデザインの住宅にリフォームするケースが増えています。ユニバーサルデザインとは、誰にとっても使いやすい配慮が施されたデザインのことです。そのなかには、段差を少なくしたり、座って調理ができるようにしたりすることも含まれています。ユニバーサルデザインの一部としてバリアフリーの考え方が取り入れられているといえるでしょう。将来への備えとして、計画的なユニバーサルデザインへのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

バリアフリーリフォームの費用相場

 

リウッドデッキ 200 スロープ納まり(現地対応) FF

バリアフリーリフォームを検討する際に知りたいのが費用や相場でしょう。バリアフリーリフォームの種類ごとに相場を紹介します。

手すり設置の費用相場

手すりの設置に加えて、壁面の補強などを含めたリフォームで18万円~25万円です。階段や玄関、廊下などへの施工が一般的で、場所による差はそれほどありません。

スロープ設置の費用相場

玄関スロープの場合40万円程度となります。玄関スロープのリフォーム費用には、手すりの設置も含まれています。スロープの長さが3m以上になる場合は、手すりを設置することでより便利になるでしょう。上記の金額以外にも、スペースや条件によっては、植木の移動や外構部分の加工など、追加の費用が発生することがあります。

キッチンリフォームの費用相場

キッチンをバリアフリーにするためには、40万円~60万円ほどが必要です。なお、この金額は車いすのまま調理や洗い物ができるシステムキッチンへのリフォームを想定した費用です。この他にも、手すりの取り付けなど、使う人に合わせたオーダーメイドのリフォームができます。複数の人で同時にキッチンを利用することが多い場合は、スペースに余裕を持たせた設計がおすすめです。

トイレリフォーム

リフォームする内容によって、費用に幅があるのがトイレリフォームの特徴です。トイレを新設する場合は55万円~ですが、その他、引き戸タイプの扉への変更は10万円~20万円、手洗いコーナーの設置は5万円~15万円、スペースの拡張は10万円~30万円が目安となります。

扉のリフォーム

開閉タイプの扉から、引き戸タイプへの変更は、20万円~50万円が費用相場です。既存の扉の撤去・廃棄費用も含めた金額になっています。

バリアフリーリフォームの流れ

バリアフリーリフォームをする際の流れについても解説します。

実績豊富な工事会社に相談

バリアフリーリフォームには、さまざまな種類があるため、新築工事が得意な工事会社よりも、リフォーム実績が豊富な工事店に依頼するのがおすすめです。玄関、キッチン、廊下、階段、トイレ、浴室など、リフォーム箇所別の事例を公開している工事会社・工事店が多くあるため、ぜひ参考にしてみてください。リフォーム費用の相場を知る上でも、事例は非常に役立つ情報源になります。

補助金の申請について

バリアフリーリフォームの多くが、国や自治体による補助金制度の対象となっています。

また、補助金の中には、個人では申請できないものが少なくありませんから、十分な注意が必要です。長期優良住宅化リフォーム推進事業などは、工事を行うリフォーム会社や工務店に補助金が支払われ、利用者に還元される仕組みとなっているため、補助金を利用できるリフォーム会社・工事会社を選んで依頼することが欠かせません。介護保険による補助を受ける場合は、地域のケアマネージャーへの相談が必須です。工事を行う前に申請が必要なケースがほとんどですから、十分な確認を行ってください。

工事完了時期にも注意

補助金の中には、指定された期間内に工事が完了していなければならないものもあります。工期そのものはさほど日数がかからなくても、建材や資材の調達に大きな時間を要するケースが増えています。世界的な半導体不足やサプライチェーンの寸断などが主な原因となっていて、こうした状況が急激に改善されるとは考えにくく、欲しい設備や機器が間に合わないなどの納期遅れには、十分な注意が必要です。

まとめ

高齢の方や障がいをお持ちの方が快適に暮らせる住宅環境を作るだけでなく、自分自身の将来に備えて、バリアフリーリフォームを検討する人が増えています。また、健康寿命を延ばすためにも、ストレスのない住まいづくりを意識することが重要です。国や自治体による補助金などを活用して、バリアフリーリフォームを行い、長く快適に暮らせる住まいの実現をぜひ検討してみてください。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

リフォーム共通の基礎知識

おしゃれな外構事例をテイスト別に紹介!外構業者を選ぶコツ

おしゃれな外構事例をテイスト別に紹介!外構業者を選ぶコツ

「外構をおしゃれにしたい!」と考えている方は多いかもしれませんが、外構工事はカーポートや門扉、アプローチなど決して安い工事ではないため、失敗したくないと思う方が大半でしょう。おしゃれな外構を作るにはコツがあります。 本記… Continue reading おしゃれな外構事例をテイスト別に紹介!外構業者を選ぶコツ

後付樹脂内窓 プラメイクEII

砂壁をリフォームする6つの方法!費用や工期は?DIYはできる?

砂壁は機能性が高く、味のある風合いで古くから親しまれている伝統的な塗り壁です。しかし、使いづらさもあることから、現在ではさまざまなリフォームのニーズも高まっています。古くなった砂壁が使いにくいと感じている方は、思い切って… Continue reading 砂壁をリフォームする6つの方法!費用や工期は?DIYはできる?

【メーカー別】人気のフェンスメーカー3社の特徴と、おすすめ製品を紹介!

【メーカー別】人気のフェンスメーカー3社の特徴と、おすすめ製品を紹介!

エクステリアフェンスを手掛けるメーカーはいくつかありますが、とくに人気なのがLIXIL、三協アルミ、YKK APの3社です。どのメーカーも品揃えが豊富なため、選択肢が多くて迷っている方も多いでしょう。 そこで今回は、フェ… Continue reading 【メーカー別】人気のフェンスメーカー3社の特徴と、おすすめ製品を紹介!

用途にあったフェンスの選び方を、おすすめ製品とともに紹介!

用途にあったフェンスの選び方を、おすすめ製品とともに紹介!

フェンスはプライバシー保護や仕切りなど、さまざまな用途に使えるエクステリアです。用途によってフェンスの選び方が変わってきますので、まずは設置目的を明確にしたうえで、自宅にぴったりのフェンスを選んでいきましょう。 今回は用… Continue reading 用途にあったフェンスの選び方を、おすすめ製品とともに紹介!

おしゃれなフェンス11選!施工事例とフェンスを選ぶポイントも紹介

おしゃれなフェンス11選!施工事例とフェンスを選ぶポイントも紹介

フェンスは幅広いデザインやサイズの製品が販売されています。敷地外からも目に入りやすく、外観デザインに影響を与えるので、「おしゃれなフェンスを選びたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、おしゃれなフ… Continue reading おしゃれなフェンス11選!施工事例とフェンスを選ぶポイントも紹介

目隠しフェンスの種類は?高さ・デザイン・素材のバリエーションやおすすめ商品を紹介

目隠しフェンスの種類は?高さ・デザイン・素材のバリエーションやおすすめ商品を紹介

敷地外からの視線を遮る目隠しフェンスには、さまざまな種類があります。目的にあった高さやデザイン、素材を組み合わせて、理想の目隠しフェンスを設置しましょう。 今回は目隠しフェンスの高さやデザイン、素材の種類を解説します。費… Continue reading 目隠しフェンスの種類は?高さ・デザイン・素材のバリエーションやおすすめ商品を紹介

お電話でのご相談

受付時間 9:00〜18:00(日曜定休)

メールでのお問い合わせ

お問い合わせフォーム