自宅の駐車スペースに設置するカーポートは、大切な愛車を風雨や雪などから守ってくれる便利なエクステリアです。そのカーポートの種類やタイプは様々で、適切なサイズを選ぶのはなかなか難しい作業と言えます。この記事では、カーポートのサイズ選びで意識すべきポイントや、間口・奥行き・高さそれぞれを基準に選ぶ場合の考え方、サイズ選びで迷った際の解決法などについて、解説していきます。

カーポートのサイズ選びで意識すべきポイント

カーポートを設置する上で、まず考慮されるのはサイズです。カーポートのサイズは、駐車スペースの面積や駐車する車の大きさなどによって変わります。そこで、カーポートのサイズを選ぶ上で意識すべきポイントについて解説していきます。
車の台数
所有する車の台数によって、カーポートに必要な大きさは異なります。そのため、車の台数を念頭に置いてカーポートのサイズを決めることが大切です。なお、現在の台数だけでなく、将来的に所有する可能性のある台数分のサイズを選んでおけば、台数が増えた際にも柔軟に対応できます。また、車での来客を想定している場合も、余分にスペースを確保しておくと便利です。
車高
車には、サイズが大きい車種もあれば小さい車種もあります。セダンやスポーツカーなど車高が一般的あるいは低い車種であれば、カーポートも標準的なタイプで問題はありません。しかし、SUVやバンなど車高の高い車の場合は、カーポートの梁や屋根と接触してしまう恐れがあります。このように、車高の高さとカーポートの高さには関連性があるので、選ぶ際には注意しなければなりません。
土地の傾斜
駐車スペースは、雨水などが地面に留まらないよう、基本的に道路側に向かって緩やかに低くなっています。また、カーポートの支柱は、屋根が水平になるよう地面に対して垂直に取り付けられます。駐車スペースの傾斜が緩やかであれば、前後の支柱の長さを少し調整するだけでスムーズに設置可能です。しかし、傾斜が急な場所の場合は、屋根を水平に保つためにいずれかの支柱をかなり短く切断することになります。支柱が短い部分は地面から屋根までが低くなり、車がカーポートの屋根に接触するかもしれません。傾斜地にカーポートを設置する際は、ある程度長い柱を用意した上で施工に臨む必要があります。
日当たり
カーポートを駐車スペースに設置すると、屋根の位置や広さ、素材によっては太陽光が遮られます。その結果、自宅の日当たりが悪くなる可能性があります。また、同様に隣家の敷地内にも日が当たらなくなるケースがあり、それが近隣トラブルの原因になることも否定はできません。このように、カーポートがあることで生活環境が変化することがあります。
雨よけ
カーポートの屋根と車の幅が同じ場合、車を降りると自分の体は屋根の外に出ることになります。そうなると、雨が降っていれば自分の体は濡れてしまうでしょう。敷地に余裕があれば、少し大きめのサイズのカーポートを選びたいところ。屋根が、雨よけの役割をしっかり果たしてくれます。
駐車のしやすさ
駐車のしやすさは、車を安全に駐車できるかを決める重要なポイント。道路と駐車スペースの位置関係によっては、カーポートを設置したことでそれまでよりも駐車しにくくなる場合があります。また、車が出入りする間口が狭い場合、車を何度も切り返さなければ駐車できない可能性も生じます。カーポートがあってもスムーズに駐車できるかどうか、設置を検討する際にはその点もしっかりと検証することが大切です。

間口を基準に選ぶ場合

カーポートのサイズは、間口を基準にして選ぶことがあります。間口とは、駐車スペースと道路が接する長さのこと。間口が広ければ、駐車スペースの出入りは容易にできます。間口で選ぶ場合、1台用、2台用、3台用が基本です。
1台用
車の車幅は、軽自動車であれば1,480mm。小型車や中型車なら、約1,700mm程度です。1,800mm以上ともなると、日本では大きいサイズに分類されます。1台用のカーポートは、屋根の片方に支柱が付いている片流れタイプの場合、幅2,400mmが目安です。基本的に車の幅よりも大きくなるように設計されています。ただ、雨の吹き込みなどを考えると、できるだけ大きめのサイズにすると安心です。
並列2台用
並列(横に並んでいる状態)に2台を駐車できるカーポートの場合、最も狭い屋根の幅は約4,800mmです。ただ、車の幅と敷地の両側に立てる支柱を考慮すると、間口が5.0m以上あればゆとりを持って駐車や乗り降りができます。並列2台分のカーポートには、屋根の両側に支柱があるワイドタイプ、片流れタイプのカーポート2つを中央部分で連結させたY合掌タイプ、屋根の後方部分に支柱がある後ろ柱タイプなどがあります。
並列3台用
3台の車を横に並べて駐車するカーポートです。3 台分の車を駐車するためにはある程度広い間口が必要で、幅としては7,200mm以上が目安です。支柱が屋根の両端のみのタイプは強度の関係から8,000mmまでというケースが多いですが、屋根の下にも支柱を設置すれば強度は上がるため、幅を8,000mm以上に伸ばすこともできます。3台用のカーポートとしては、屋根が平らのフラット屋根タイプや、道路側から見て屋根が虹のようにアーチを描いているアール屋根タイプなどが用意されています。
奥行きを基準に選ぶ場合
駐車スペースは、横に長いだけではなく、縦に長い場合もあります。このケースでは、奥行きを基準にカーポートのサイズを検討することになります。
1台用
車の全長は、軽自動車で3,400mm。小型車なら約4,500mmで、大型車は5,000mm以上が中心です。カーポートの屋根の奥行きは、標準的な長さで5,000mm。このサイズであれば、基本的に多くの車種が問題無く駐車できます。さらに、大型車向けに5,500mmや5,700mmのサイズもあります。トランクを使うことが多かったり、車の前後を通って自宅に出入りしたりする場合には、ゆとりあるサイズを選ぶと快適さはアップします。
1台用に近いカーポートとして、1.5台用もあります。1台用カーポートに0.5台用のカーポートが連結されたタイプで、車に加えて自転車やバイクも一緒に駐車できます。
縦連棟2台用
2台の車を前後に縦列駐車する場合のカーポートで、片流れタイプを前後に連結させて設置します。標準タイプの倍の奥行きがあり、細長い形状が特徴です。奥行きは8,000mmほどが最低の長さで、10,000mm~12,000mmほどの長さがあれば大型車も2台駐車することが可能です。なお、駐車スペースが道路に直角の位置であれば、2台あるうちの奥の車は、前の車を出してからでないと移動できません。そのため、普段からよく運転する車を前に駐車しておくと車がスムーズに出入りできます。
高さを基準に選ぶ場合

カーポートは、大切な愛車を風雨から守る役割を担います。屋根が高ければ横からの雨の吹き込みが多く、車にたくさんの雨が当たってしまうかもしれません。一方で、屋根が低すぎると車と接触する可能性があります。こうした点から、支柱の長さや屋根の高さもカーポートを選ぶ上での重要なポイントです。
標準柱
支柱の高さが1,800mm~2,000mmのカーポートは、一般的に標準柱タイプと呼ばれています。セダンやスポーツカーなど車高が低めの車を駐車する場合には、この高さで十分です。屋根と車のすき間が少ないため、雨が横から吹き込んでくるのを抑えられます。
ロング柱
標準柱よりもやや高い支柱が、ロング柱タイプ。高さとしては、2,300mm~2,500mm程度です。主にバンやワゴンなど車高が高い車を駐車するのに適しています。頭上にゆとりがあるため、カーポートの下で車いじりや日曜大工などの作業をするスペースとしても有効活用できます。また、車に乗り降りする際に屋根の圧迫感が気になる場合にも、このロング柱がおすすめです。金額的にも標準柱と金額がそれほど変わらないのも特徴です。
ハイロング柱
大型車の中でも特に車高が高い車やキャンピングカー、屋根にサーフボードのキャリア取り付けている車などを駐車するのであれば、支柱が非常に高いハイロング柱が最適。柱の高さは2,800mm~3,000mmほどで、標準柱と比較して1.5倍ほど。その分、支柱使われる材料も多くなるため、金額も標準柱やロング柱と比較してかなり高めです。
カーポートのサイズに迷った場合の対処法

自宅の駐車スペースにはどのサイズのカーポートが適しているのか、自分では正確に判断できないかもしれません。そんなときの対処方法を紹介しますので、カーポートの設置を検討されている方はぜひ参考にしてください。
メーカーのショールームに足を運ぶ
カーポートを製造しているエクステリアメーカーの中には、自社製品を展示しているショールームを持っている会社もあります。そのショールームに足を運び、メーカーの担当者などカーポートに精通した専門家の意見を聞くことで、自宅に最適なサイズを把握できるでしょう。また、カーポートの特徴なども教えてもらうことができます。
ホームセンターに相談する
ホームセンターでは、様々な種類のカーポートを用意している店舗もあります。カインズの店舗でもカーポートを取り扱っており、スタッフにどんなカーポートがあるのか、どのタイプが自宅に適しているかなどの疑問について気軽に相談できます。製品の購入から設置工事まで依頼できるもの、嬉しい点です。
まとめ
自宅にカーポートを設置する場合、サイズは必ず考慮しなければならない要素の1つです。自宅の駐車スペースの広さや自分の車の大きさに合っていない場合、駐車するたびに危険やストレスを感じるようになるかもしれません。安全に駐車できることや快適に乗り降りができることを念頭に置いて、最適なサイズのカーポートを探しましょう。
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