台風が上陸するたびに、自宅のカーポートが飛ばされるのではないのかと不安に思う人もいるのではないでしょうか。そのため、この記事ではカーポートの台風対策について紹介します。気軽にできるプチリフォームのようなものも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

台風による住まいへの影響
日本は非常に台風が多い国です。場合によっては強い雨風で家やエクステリアが重大な損害を負う可能性もあります。ここでは、台風による住まいへの影響について解説します。
台風の影響が強いエリア
日本国内の台風上陸ランキング1位は鹿児島県42回、2位高知県26回、3位和歌山県24回です。これらの県は台風の影響が強いといえるでしょう。台風は小さい島を横切ると通過とされ上陸としてカウントされません。そのため、沖縄県はランキングには掲載されませんが、台風の影響が多い地域ではあります。日本の台風は8、9月によく発生するという特徴があります。
台風による住まいの被害
台風が住まいに与える代表的な被害として、以下の5つが挙げられます。
・カーポートが飛ばされる
・窓ガラスが割れる
・屋根が破損する
・飛来物による外壁やフェンスが破損する
・雨樋が外れる、つまる
カーポートはサイズが大きなエクステリアで、強風で飛ばされると近隣の住宅や施設に被害を与える可能性があります。

カーポートの特徴と仕組み
カーポートの台風対策を効果的に行うためには、特徴と仕組みについて知っておきましょう。
カーポートの屋根は外れるようにつくられている
カーポートの屋根は、一見1枚の板状のものでできているようにみえます。しかし、実際は複数のパネルがタイル状に並べられている仕組みです。さらに、屋根材はそこまで頑丈に取り付けられてはいません。これは、強風時にパネルとともにカーポート本体の支柱が壊れる、外れるといった大きな事故を防ぐためです。
カーポートは柱の位置が3パターン
カーポートの種類には、柱が片側だけに柱がある片側支持タイプ、柱が両側にある両側支持タイプ、柱が後ろ側にのみある後方支持タイプの3つがあります。それぞれ見た目、価格、安定感が異なります。
1.片側支持タイプ
柱が片側で、屋根が片流れになっているタイプです。支柱が片方ないため開放感があり、柱を邪魔に感じることはないでしょう。設置費用は比較的安めではありますが、柱の数が少ないため安定感は低めです。柱補強などの台風対策が必要でしょう。
2.両側支持タイプ
屋根の両側を柱で支えるカーポートで、車2、3台止められるような広いスペースもつくれます。柱が多い分設置費用はかかりますが、片側支持よりも安定感はあります。設置費用は片側指示タイプよりもかかりますが、台風被害が多い地域では両側支持タイプがおすすめです。
3.後方支持タイプ
車の後ろ側のみに柱があり、そこから屋根がせり出しているような見た目のカーポートです。サイドに柱がないため、非常にスッキリとしたおしゃれな外観となります。後方の柱のみで支えるため柱は太く工事にコストがかかる場合もあるでしょう。安定性は両側支持よりも劣ります。
屋根材の種類
カーポートの屋根材としてよく採用される板は「ポリカーボネート」「FRP」「スチール折版」「アルミ樹脂複合板」です。それぞれの特徴は以下のとおりです。
ポリカーボネート |
強度が高く破損しにくい |
FRP |
熱遮断性に優れている |
スチール折版 |
積雪や台風に強い |
アルミ樹脂複合板 |
防火性能が高い |
台風対策を重視するのであれば、スチール折板をおすすめします。
関連記事:カーポートの屋根材・柱の素材|おすすめの種類と選び方を解説

設置する時は風の向きに注意
家や庭の形状によって風が強い場所や風向きは変わります。
開けた場所や崖上部分は強い風が当たる場所であるため、カーポートの設置は避けたほうがよいでしょう。また、片側支持タイプと後方支持タイプなど一辺のみに柱があるカーポートは、風が吹き込む場所に柱を配置したほうが、カーポート自体の破損を防止できます。

台風に強いカーポートとは
台風による影響が大きな地域の場合は、最初から台風に強いカーポートを設置しましょう。どのようなカーポートが台風に強いのか解説します。
耐風圧強度をチェック
カーポートは、商品ごとに耐風圧強度が明示されている場合が多いでしょう。耐風圧強度の数値が高ければ高いほど、強風に強いカーポートだということです。一般的なカーポートの耐風圧強度は風速38m/秒ですが、平均的な勢力の台風は風速33m/秒程度であるため問題ありません。ただ、台風が強い地域の人は、耐風圧強度風速46m/秒相当のものを選ぶとよいでしょう。
両支持+折板カーポート
強度を重視するのであれば、屋根を両側で固定する両側支持タイプのものがおすすめです。屋根材の破損も防ぎたい場合は、屋根材はスチール折板を選びましょう。強風、大雪対策として有効です。ただ、スチール折板は光をあまり通さず、カーポートの下が暗くなってしまう、という難点があります。
関連記事:カーポートにサイドパネル設置のメリットは?後付けはできる?強風などの注意点や費用も解説

【ケース別】カーポートの台風対策
カーポートの台風対策は、設置するとき、補強するとき、台風のときの応急措置で行うべきことが異なります。それぞれどのような対策か解説します。
【ケース1】これから設置する場合は風に強いカーポートを選ぶ
これから設置するのであれば、カーポート本体の形状から選べます。前章でも解説しましたが、台風対策を考慮するのであれば、両側支持タイプのスチール折板がおすすめです。そのなかでも耐風圧強度が高いものを選択すると、より安心できます。
【ケース2】今あるカーポートを補強する
すでにカーポートを設置している場合の台風対策は、カーポートの補強です。補強方法はカーポートの母屋補強材、屋根ホルダー、サポート(固定式)です。この3つの補強方法の具体的内容について解説します。
母屋補強材
カーポート母屋の柱の中に補強材を入れる方法です。母屋とは、カーポートの屋根部分にある骨組みです。中が空洞になっているものが多く、そこに補強材を入れることにより折れにくくします。母屋補強材を入れるためには、一度カーポートを分解することが必要です。
屋根ホルダー
カーポートの屋根は、本体が壊れないように外れやすくなっています。屋根が外れても吹き飛ばされないようにするものが屋根ホルダーです。カーポートの屋根部分をおさえこむように設置し、ビス止めして固定します。両支持タイプのポリカーボネットの屋根におすすめです。
サポート(固定式)
片側支持タイプのカーポートは柱がない部分があります。ここに後付けで柱を設置する方法をサポートといいます。固定式は柱を固定してずっとつけっぱなしであるため、片側支持タイプでも両側支持タイプのように使用可能です。
※補強は、メーカー廃盤やメーカー機種が不明な場合など、商品や状態によっては対応できない場合もあります。
【ケース3】台風の時だけできる対策をとる
片側支持タイプや後方支持タイプは片側にしか柱がないため、両側支持タイプよりも損壊しやすい状態です。しっかりとした補強を行う予算がない場合は、台風のときだけでも一時的に対策をしたほうがよいでしょう。カーポートが壊れて飛ばされてしまうと、ほかの人や建物に被害が及ぶ可能性があります。次章で、一時的にできる対策について解説します。

台風の時にカーポートにするべき対策
カーポートが台風で壊れないようにすべき対策について解説します。費用をかけずにできる対策であるため、ぜひ試してみてください。
カーポートの周辺にある小物を家の中に入れる
カーポートに、子どものおもちゃ、ガーデニング用品、自転車の空気入れを置いておく人は多くいるでしょう。しかし、これら小物は風に飛ばされやすく、カーポートにぶつかってしまうおそれがあります。カーポートや車を傷つけないよう、あらかじめ室内にしまっておきましょう。
カーポートの屋根材を外す
カーポートの屋根は外れやすい仕組みです。しかし、屋根が飛ばされれば、カーポートは修理が必要になりますし、飛んだ屋根が人やものにあたるかもしれません。樹脂製など外しやすいものは、台風前に外しておきましょう。外す際は足場に注意してください。
片支持タイプにはサポートをつける
片側支持タイプや後方支持タイプの柱のないほうに、着脱式のサポートを付ける方法もあります。着脱式なら大規模な工事は必要ありませんし、台風以外では外しておけます。普段は片支持タイプのスッキリしたカーポートで生活可能です。
フックボルトやビスの緩みを確認
カーポートのボルトやビスに緩みがあると、台風の強風によりがたつき、ひび割れや破損が起こるおそれがあります。特に、屋根材は台風の影響を受けやすい部分であるため、屋根材を固定している部分は入念にチェックしましょう。

もしもカーポートが台風で壊れたら
しっかりと対策をしていても台風でカーポートが壊れる可能性はあります。その場合どうすべきか解説します。
部品の回収
屋根やビスなど、カーポートの一部がなくなっていた場合は、台風が過ぎ安全に外に出られるようになったあとに回収しましょう。もし、自分のカーポートが原因で近隣住民に損害を与えてしまった場合は、速やかに報告と謝罪をします。
火災保険の適応範囲をチェック
台風で家のものが破壊された場合、火災保険を利用して修理できる可能性があります。火災保険は台風による被害も基本保証のなかに入っています。自費で修理する前に、まず保険会社に問い合わせてみましょう。
ただ、カーポートは保証の対象外である保険もあります。また、自分のカーポートが近所の人の家を壊してしまった場合は、火災保険の対象外です。

カーポート台風対策まとめ
カーポートは、屋根が飛ばされやすい仕組みをしていて、台風による被害を受けやすいものです。カーポート自体の破損を防ぐため、飛ばされたカーポートが人やものに当たらないようにするために、台風に備えた対策は行いましょう。

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