「車が2台に増えた」「月極駐車場ではなく手元に車を置いておきたい」「来客時に駐車場がないと困る」。こうした理由で自宅に駐車場をつくることを検討していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。庭を駐車場にリフォームする方法は、複数のタイプがあります。少ない費用で済むタイプもありますので、月極駐車場を借りるよりお得にできるかもしれません。
この記事では、庭を駐車場にするために必要な工程や駐車場リフォームのタイプとメリット・デメリット、駐車場リフォームをする際の注意点や費用、助成金などを紹介します。
※各補助金の金額や要件などは、2024年9月時点の情報です。
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庭を駐車場にするために必要な工程とは?

庭を駐車場にリフォームするには、いくつかの工程が必要です。ここでは、庭を駐車場にリフォームする際の全体の流れを紹介します。
駐車スペースに植えてある植木は、根元から撤去する必要があります。ブロック塀や門も資材を解体して撤去する場合は、植木と同じように、廃材として処理し、撤去した場所を埋め戻します。
土のままのスペースを駐車場として利用すると、車を出し入れするたびに道路を泥で汚し、近隣住民の方にも迷惑をかけてしまいます。芝生を植えても定期的なメンテナンスや補修作業が必要となるため、「砂利」「アスファルト」「コンクリート」などを使って駐車スペースを舗装するのが一般的です。
駐車スペースを囲むフェンスは、自宅と近隣住宅との敷地を区切る役割を果たします。また、車の盗難や自宅への侵入を防ぐ防犯対策としても機能します。このほか、他の車の追突防止や目隠し、外観の装飾としても有効です。

駐車場リフォームのタイプとメリット・デメリット

駐車場リフォームの方法には、さまざまなタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。庭の広さ・構造・車の保護度合いによって、駐車場リフォームのタイプをご検討ください。
オープンスタイル
駐車場スペースの舗装のみでつくるシンプルな駐車場です。車を覆う屋根や壁をつくらないため、費用が安く済むメリットがあります。また、チェーンポール・オープンゲート・シャッターなどのフェンスを設置すれば、防犯性を高められることも魅力です。デメリットは、雨・雪・紫外線・鳥のフンなどを遮るものがないため、車が汚れてしまうことがあげられます。
カーポート
屋根と柱で構成されたタイプの駐車場です。メリットは、限られたスペースで庭を駐車場にリフォームでき、オープンスタイルより雨・雪・紫外線・鳥のフンなどから車を守れることです。自宅の玄関アプローチにカーポートを設置すれば、雨に濡れることなく自宅に入ることもできるでしょう。デメリットは、オープンスタイルよりも費用がかかること、オープンスタイル同様に防犯性に不安が残ることがあげられます。カーポートの場合もフェンスなどの設置をおすすめします。
ガレージ
ガレージは、屋根と3方向以上の壁があり、車を囲めるタイプの駐車スペースです。車の出入り口にシャッターをつければ、密閉空間をつくることができます。メリットは、カーポート以上に雨・雪・紫外線・鳥のフンなどから車をしっかり守れることと、盗難を防止できる安全性の高さです。デメリットは、設置に費用や期間がかかることでしょう。ガレージは住宅同様に建物であるため、基礎工事や土間打ち工事などが必要になるからです。

駐車場リフォームのタイプ以外に検討すべきこと

「オープンスタイル」「カーポート」「ガレージ」のいずれも、何かしらの舗装が必要です。また、防犯性を高めるためにフェンスの設置をおすすめします。舗装方法とフェンスのタイプについて、紹介します。
舗装方法は5つ
代表的な舗装方法は「砂利」「アスファルト」「コンクリート」「芝生」「緑化ブロック」の5つです。
最も費用を抑えられるうえ、施工当日から駐車できます。ただし、車が通った跡が残りやすく、雨の日に砂利が流出する可能性があるため、日々の整備が欠かせないでしょう。
仕上がりがキレイで、砂利同様に施工当日から駐車できます。デメリットは、劣化によって表面がボロボロと剥がれることです。そのため、定期的なメンテナンスが必要になります。
表面が平らに仕上がり、すっきりと美しく仕上がります。汚れも水で洗い流せるため、メンテナンスの手間がかかりません。また、デザインの選択肢も豊富です。しかし、最も費用がかかることと、コンクリートが固まるまでに数日間を要することは注意が必要です。
芝や人工芝などで整備した駐車スペースは、庭の一部としてシームレスな外構デザインにできます。ただし、コンクリートやアスファルトと違って水を吸収するため、雨の日はぬかるんで泥はねしやすいところが懸念点です。また、維持管理の手間が必要なこともデメリットと言えます。
緑化ブロックとは、ブロックと芝生で地面を舗装する方法です。地中にコンクリートブロックを埋め込み、ブロックの穴や隙間に芝生を敷くことで整備します。芝生のみよりも地面が安定しやすいため、入出庫がしやすいことがメリットです。一方で、通常のコンクリートより施工コストが高額になるうえ、芝生の手入れが必要になる点がデメリットと言えます。
設置するフェンスのタイプ
主なフェンスは「伸縮門扉」「オープンゲート」「シャッター」の3つです。
柔軟性が高く狭いスペースや、傾斜しているところにも設置ができるゲートです。蛇腹が動くように開閉するため、アコーディオン門扉とも呼ばれています。
ゲートを上部に引き上げるタイプのフェンスです。車の出入り口が大きく解放されて車の出し入れがしやすく、ゲートを収納するスペースも不要です。チェーンポールより防犯性は高いと言えます。なお、オープンゲートを設置した後に上部に引き上げる高さを調整できないため、車高が高い車をお持ちの方やルーフボックスを取り付けている方は、商品を選択する際にご注意ください。
最も防犯性に優れた駐車スペースをつくることができます。開閉の際に音が出ることやシャッターが上がるまでに時間がかかることも、防犯性が高い理由のひとつです。なお、開閉時に音が出るため、近隣にお住まいの方との関係性を考慮して設置をご検討ください。

駐車場リフォームをする際の注意点
駐車場リフォームをする場合は「余裕のあるスペースづくり」「複数社への見積もり依頼」が大切です。またガレージやカーポートをつくる場合は「建築確認申請」が必要となる場合があります。
車を出し入れしやすいスペースを確保する
駐車場のスペースは、車のサイズより周囲1m前後広く見積もることが一般的です。そのうえで、運転技術や周囲の見通し、夜間の駐車、照明・自転車置き場・倉庫の位置などを加味して、余裕のあるスペースを確保しましょう。駐車場に車を入れにくいといった事態を回避することができます。
ガレージをつくる際は「建築確認申請」が必要である
ガレージは建物として扱われ、法律に基づく「建築確認申請」が必要となる場合があります。カーポートでも必要となる場合があります。必要となる条件は「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱、もしくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)」。ただし「10㎡以下の建築物」かつ「建築位置が防火地域・準防火地域ではない」場合は必要ありません。ガレージやカーポートを設置する際は、申請が必要かどうかを専門家に判断してもらうと安心でしょう。また、建物と認められる場合は、固定資産税も発生します。

駐車場リフォームにかかる費用

庭を駐車場にリフォームする際の工程やリフォームのタイプをお伝えしてきました。ここでは、それぞれにかかる費用の相場観をご紹介します。各要素の選択次第で費用が大きく変わりますので、ご参考にしていただければと思います。
撤去工事の費用
植木の撤去工事費用は15万~20万円程度、ブロック塀や門の撤去工事の費用は20万~25万円程度といわれています。ただ撤去するのではなく、廃材処理や地面の埋め戻しなどが必要になるため、庭の状況次第で費用は変動するでしょう。
舗装工事の費用
砂利舗装工事の場合は10万~20万円程度です。砕石を敷き込んで転圧というプレス作業を行います。アスファルト舗装工事の費用は駐車スペース1台あたり10万〜15万円程度ですが、施工できる業者がコンクリートよりも少ない点は注意が必要でしょう。コンクリート舗装工事の費用は駐車スペース1台あたり25万~40万円程度です。DIYでできなくはないものの、ミキサー車など準備が大変かもしれません。いずれも自宅の状況や施工業者によって費用が変わるため、見積もりをとって確認しましょう。
駐車場リフォームの費用
オープンスタイルの費用は舗装方法によって異なりますが、10万~40万円程度です。カーポートの設置費用は屋根の耐久性・耐候性などによって異なりますが、35万~45万円程度といわれています。ガレージの建築費用は100万円程度ですが、建築確認申請に20万円〜かかるなど、固定資産税も含めるとトータル200万円以上かかると見ておくとよさそうです。
フェンスの費用
チェーンポールは長さやサイズにより異なりますが、10万~40万円程度。オープンゲートは10万〜20万円程度で、電動タイプであれば20万~40万円程度かかります。シャッターも性能によりますが、電動シャッターを掘り込み式のガレージに設置する場合は30万~45万円程度です。カーポートにシャッターを取り付ける場合は、ゲートを同時につくるために110万~160万円程度かかります。なお、手動シャッターは20万円程度ですが、カーポートに取り付ける場合は70万~100万円ほどになります。

庭を駐車場にする工事に活用できる助成金

庭の一部を駐車場として整備する場合、施工費用の一部が自治体の補助・助成対象にあたるかもしれません。ここでは、駐車場整備に活用できる補助金・助成金制度を紹介します。
ブロック塀等撤去費補助
駐車場の整備にあたって、ブロック塀を撤去する場合に適用できる可能性のある補助金です。2018年の大阪北部地震でブロック塀の倒壊が問題となり、劣化した危険性の高いブロック塀の調査や解体費用を補助するようになりました。
全国各地の自治体で実施されていて、適用要件も自治体ごとに定められています。お住いの自治体のホームページをチェックしてみてください。
たとえば東京都練馬区の「ブロック塀等撤去費補助」の要件は、道路に面している地上80cm以上のブロック塀で、危険度チェックリストのうち1つ以上の項目に当てはまるものです。危険度チェックリストには、以下のような項目があります。
- 塀の高さは地盤から2.2m以下である
- 塀の厚さは10cm以上である(塀の高さが2.2m超2m以下の場合は15cm以上)
- 塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされている など
民有地緑化助成制度
ヒートアイランド対策を目的とした助成金が、民有地緑化助成制度です。こちらも自治体によって助成対象や要件が異なっていて、法人のみを対象としたものも多いものの、個人の住宅で使えるものもあります。
たとえば東京都千代田区の「ヒートアイランド対策助成制度」は、敷地内緑化・壁面緑化費用の50%を助成する制度です。個人が所有する住宅にも利用可能なため、駐車場を芝生や緑化ブロックで舗装する場合は活用できる可能性があります。
庭を駐車場にリフォームする費用を抑えるコツ
助成金や補助金以外に、駐車場のリフォーム費用を抑える方法はあるのでしょうか。工事内容や施工業者を決める段階で、取り入れたいコツを2つ紹介します。
メリハリをつけて整備する
舗装する箇所を限定的にしたり、道路から見えないところは費用を削ったりすることで、施工費用を抑えやすくなります。見積もり時に施工業者に予算や要望をはっきり伝えることで、予算内で自宅にあった整備方法を提案してもらえるでしょう。ニーズにあった工事をしてもらえるかは、優良な施工判断する基準にもなるため、積極的に伝えてみてください。
複数社から見積もりをとる
植木・ブロック塀・門などの撤去工事や舗装工事は値札のついた商品ではなく、工事内容によって費用が変わってきます。業者によって価格に差が出るため、適正価格を提示する業者を選定するために複数社から見積もりをとることをおすすめします。
庭のスペースを駐車場にリフォームする方法まとめ
庭を駐車場にリフォームするかどうかは、事前にしっかりと検討したうえで判断すべきことでしょう。ただ、庭のスペースを持て余して、長い間月極駐車場を借りっぱなしにするのであれば、自宅に駐車場をつくって有効活用するのもひとつの選択肢です。駐車場リフォームには、さまざまなタイプがあります。スペースの広さや予算を考慮し、楽しみながら検討してみてください。
カインズリフォームでも、庭の駐車場リフォームを承っています。予算とご要望に適した見積もりを提案しますので、ぜひお近くのカインズ店舗やWeb・電話のお問い合わせ窓口へご相談ください。

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