大切な車を雨や日光から守ってくれるカーポート。しかし、家の駐車スペースに傾斜があると、「わが家にもカーポートを設置できるのだろうか?」と不安になってしまいますよね?
結論から言うと、傾斜があってもカーポートを設置することは十分に可能です。この記事では、
- 傾斜地にカーポートを設置するうえでの注意点
- 傾斜地に最適なカーポートの選び方
などについて詳しく解説しますので、自宅にカーポート設置を検討している方はぜひ参考にしてください。

傾斜地にカーポートを立てたい!まず知っておくべき基礎知識

傾斜地にカーポートを設置するうえでは、まず以下の3つのポイントを知ることが大切です。
- ほとんどの駐車場には傾斜がある
- カーポートの柱は垂直でなければならない
- 地面が斜めでもカーポートは設置できる
自宅が坂や道路に面している場合は、駐車スペースにもゆるやかな勾配がつけられていることがほとんどです。自宅の駐車スペースを思い浮かべながら、まずはこの3点を確認してみましょう。
ほとんどの駐車場には傾斜がある
まずはじめに押さえておきたいのが、ほとんどの駐車場には傾斜があるということです。これは雨水をうまく排水するための傾斜で、一見フラットに見える駐車場でも多少の傾斜がつけられているものです。
そのため、傾斜がついているからカーポートを設置できないということは基本的にありません。自宅の駐車スペースが斜めになっていても、そういうものだと思うことが大切です。
カーポートの柱は垂直でなければならない
カーポートを設置する際は、2本(4本)の柱が垂直でなければなりません。これは、柱が少しでも傾いてしまうと、屋根の重さに耐えきれずカーポートが倒壊してしまうためです。
柱の傾きによりカーポートが倒壊してしまうと、車が損傷するだけでなく、住人が負傷してしまうといったリスクも考えられるでしょう。たとえ傾斜地にカーポートを設置する場合でも、柱は必ず垂直に立てるのが鉄則です。
地面が斜めでもカーポートは設置できる
「柱が垂直でなければならないのなら、傾斜のあるわが家は無理?」と感じる方も多いかと思いますが、そんなことはありません。傾斜地の場合は、カーポートの柱の高さを微調整することで、すべての柱を垂直にしつつカーポートを設置することができます。
具体的には、高い土地の柱は短く、低い土地の柱を長くすることで、すべての柱を垂直&同じ高さに調整することになります。雨水が流れる程度のゆるやかな傾斜はもちろん、段差がつけられたような急な傾斜でも、カーポートを設置することは十分に可能です。

【要チェック】傾斜地にカーポートを設置するときの注意点
傾斜地にカーポートを設置する場合は、以下の5点に注意する必要があります。
- カーポートの高さ
- 敷地の境界線
- 設備配管
- 建物の外壁との距離
- 地域の気候
現在の状況はもちろん、将来的なことを見据えて選ぶことが非常に大切です。自宅や車のサイズを考えながら、一つずつポイントをチェックしてみましょう。
カーポートの高さ

カーポートを傾斜地に設置するうえで特に重要なのが、カーポートの高さです。平地に設置する場合は車高よりも大きいサイズを選べば問題ありませんが、傾斜地の場合は柱をカットして柱の垂直を維持するため、柱の高さが多少低くなることを考慮しなければいけません。たとえば高さが2mのカーポートを購入しても、傾斜によって実際の高さが10~20cmほど低くなれば、実際の収容可能な車高は180~190cmとなります。
カーポートの高さは、傾斜による高さの変化を考慮したうえで選ぶのがポイントです。現在使用している車はもちろん、将来的に車をサイズアップする予定がある方は、余裕をもってサイズを選ぶことをおすすめします。
敷地の境界線

傾斜地にカーポートを設置する場合は、敷地の境界線にも要注意です。平地であれば自宅の敷地外にはみ出すことは基本的にありませんが、傾斜によりサイズ計測を誤ると、敷地をはみ出して設置しまう可能性が考えられます。
たとえば、自宅から道路にはみ出してカーポートを設置すると、建築基準法違反としてカーポートの撤去を命じられる可能性があります。また、お隣の敷地内に屋根がはみ出してしまえば、思わぬトラブルの原因にもなりかねません。カーポートの敷地をなるべく広くとることは大切ですが、くれぐれも自宅の敷地内で完結するよう徹底しましょう。
配管設備

カーポートを設置する際に意外と見落としがちなのが、配管設備の位置です。カーポートは地面に穴を開けて基礎工事を行うため、駐車スペースの下に水道管やガス管が通っていると、工事によって配管を傷つけてしまう可能性があります。
水道管やガス管を誤って破損すると、水やガスが周囲に漏れて想像以上に大変な事態となってしまいます。配管設備が不明な場合は、カーポートを設置する前に建築を依頼した工務店などに確認してみると良いでしょう。
建物の外壁との距離

カーポートを設置する際は、建物の外壁と一定の距離をおくことが大切です。たとえば風の強い日は、カーポートの屋根は揺れによって力を分散しています。そのため、外壁と近すぎると接触によって外壁を傷つけてしまう可能性があるのです。
また、カーポートの屋根が建物の屋根のすぐ下にあると、雪などがカーポートの屋根に落下して破損する可能性があります。駐車スペースが狭いとカーポートの位置も限られてきますが、カーポートはきるだけ周囲に物がない場所に設置するのが理想です。
地域の気候

カーポートは雪や強風など、居住地域の気候に合わせて設置することも大切です。特に積雪の多い地域では、専用のモデルを使用しないと雪の重さに耐えきれず、屋根が破損してしまうリスクがあります。積雪モデルや強風モデルは一般に比べて割高ですが、愛車を安全に守るためにも必要経費と考えた方が良いでしょう。

傾斜地に立てるカーポートの選び方
ここからは実際に、カーポートを選ぶうえで大切な5つのポイントを解説します。
- 台数
- 縦列、横並び
- 支持タイプ(片支持、両支持、後方支持)
- 屋根の形(フラット、アール)
- 勾配タイプ・逆勾配タイプ
特に屋根の形は家全体の見た目にも関係するため、機能性だけでなくデザインにもこだわるようにしましょう。
台数

まずはじめに、カーポートに収容可能な台数を決めましょう。カーポートは1台用から最大4台用まで、幅広いラインナップが展開されています。
たとえば現在所有している車が1台であれば、基本的に1台用を購入すれば問題ありません。しかし、将来的に車を増やす予定がある場合や、親せきや友人が頻繁に来宅するといった場合には、あらかじめ2台用を設置しておくのも選択肢の一つです。
縦列・横並び

カーポートに車を2台以上停める場合は、縦列か横並びかを選ぶ必要があります。それぞれのメリット・デメリットを比較すると以下の通りです。
|
メリット |
デメリット |
縦列 |
見た目をスマートにできる |
奥の車の出し入れが大変 |
横並び |
車の出し入れが簡単 |
広大な敷地が必要 |
利便性が高いのは横並びですが、それだけ広大なスペースが必要となります。それぞれのメリットや敷地面積を考え、自宅に最適なタイプを選びましょう。
支持タイプ(片支持、両支持、後方支持)

カーポートの屋根には以下の3種類があり、どれを選ぶかによって見た目やデザイン性が大きく変わります。
支持タイプ |
柱の位置 |
特徴 |
片支持 |
車の片側に2本 |
スマート&シンプル |
両支持 |
車の両側に4本 |
安定感がある |
後方支持 |
車の後ろに2本 |
スタイリッシュ&開放的 |
最も安定性に優れるのは両支持タイプですが、傾斜地の場合はそれぞれの柱を垂直にするための微調整が必要になります。片支持や後方支持なら傾斜地でも比較的設置しやすく、デザイン性を上げることも可能でしょう。
屋根の形(フラット、アール)

カーポートの屋根の形は真っ直ぐなタイプ(F型)と丸いタイプ(R型)の2種類があり、それぞれ以下のように特徴が異なります。
屋根タイプ |
屋根の形状 |
見た目 |
フラット(F型) |
まっすぐ |
スタイリッシュ&シャープ |
ラウンド(R)型 |
丸みを帯びている |
丸みのある柔らかな印象 |
フラット型はスタイリッシュな印象があり、雨や雪などが流れやすいのが特徴です。そのため、積雪タイプではフラット型の商品が多くなります。
一方のラウンド型は見た目が柔らかい印象で、どんな形の建物でも合わせやすいデザインが魅力です。車の両側に柱を設置する両支持タイプを選び、小さなドームのように設置するのも良いでしょう。
勾配タイプ・逆勾配タイプ

傾斜地にカーポートを設置する場合は、勾配タイプも非常に大切なポイントです。
- 勾配タイプ:柱が屋根よりも低く、柱の方に水が流れる
- 逆勾配タイプ:柱が屋根よりも高く、屋根の方に水が流れる
勾配タイプの方が見た目にも開放性がありますが、隣の家が近いと雨水がすべて隣の家の敷地内に流れてしまう可能性があります。特にカーポートの設置エリアが狭い場合は、不要なトラブルを避けるためにも勾配タイプをしっかりと検討するようにしましょう。

傾斜地にカーポートを設置するならカインズホームで!

傾斜地でもカーポートを設置することは十分に可能ですが、傾斜地ならではの選び方が存在するのも事実です。まずは自宅の駐車スペースにどのくらい傾斜があるのか確認し、自宅に設置しやすそうなタイプを絞っていきましょう。
- うちの駐車スペースには傾斜があるの?
- この製品はうちのサイズで設置できる?
- カーポートの設置費用はできるだけ安くしたい
といった方は、ぜひお近くのカインズホームかWEB窓口までお問い合わせください。カインズホームではオリジナルブランドも含め、バリエーション豊富なカーポートを取り揃えています。
カーポートを設置すると車を日光や雨から守ることができ、車のメンテナンス費用が安くなったり、車がより長持ちしたりといったメリットが考えられます。「傾斜地だから」という理由でカーポートの設置をあきらめていた方は、ぜひこの記事を参考に自宅に設置可能なカーポートを探してみてくださいね!

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