大切な車を守るためにカーポートを設置したが、カーポートの屋根の音鳴りが気になってしまうという人も少なくないでしょう。なぜ、カーポートの屋根は音鳴りするのでしょうか。この記事では、カーポートの屋根の音鳴りに悩む人に向けて、音鳴りの原因や対策について解説します。音鳴りが気になる場合は、ぜひ参考にしてください。

カーポートの音鳴りの特徴
カーポートの音鳴りには、どのような特徴があるのでしょうか。以下では、カーポートの音鳴りの特徴を解説します。
雨音はあまり気にならない
カーポートは、雨音に関してはさほど気にならないといわれています。カーポートの屋根は、ポリカーボネートタイプと金属製の折板タイプの2種類に大きく分けられます。その中でもカーポートの主流はポリカーボネートタイプです。ポリカーボネートは金属よりも雨音が小さく響きにくいため、あまり気にならないでしょう。
気温の変化によって音が鳴る
カーポートの屋根は、気温の変化によって音が鳴るケースがあります。ポリカーボネートタイプの屋根の場合、雨音は気になりませんが、気温の変化に敏感な素材です。そのため、暑さや寒さなどにさらされることにより熱収縮が起こり、「パチッ」や「ピキッ」といった音鳴りが発生してしまいます。
一方、金属製の折板屋根やアルミ製の屋根は、気温の変化に対する耐性があります。そのため、暑さや寒さで音鳴りがするケースはありません。
屋根のサイズに比例して音が大きくなる
一般的に、カーポートの屋根のサイズが小さいほうが、音が鳴りにくいとされています。これは、音鳴りの原因が屋根材の熱収縮にあるからです。屋根のサイズが大きくなればなるほど、熱収縮しやすくなり音が鳴りやすくなります。屋根が小さければその分音は小さくなるため、音に敏感な場合には屋根のサイズを小さくするのもよい方法です。
音鳴りは耐久性に影響しない
カーポートの屋根が「ピキピキ」と音を立てていると、何か不具合があるのではないか、壊れるのではないかと不安に思う人も多いでしょう。しかし、音鳴りがあってもカーポートの屋根が壊れる心配はありません。
屋根の音鳴りは、屋根材の熱収縮によって起こります。外部から何らかの圧力がかけられて音が鳴っているわけではないため、耐久性に影響が出ることはありません。そのため、過度に心配する必要はないでしょう。

カーポートの音が気になる原因
カーポートの音が気になってしまう原因には何があるのでしょうか。以下では、音鳴りが気になる原因を解説します。
屋根の材質による音鳴り
カーポートの屋根の音鳴りは、施工に問題があって起こるわけではありません。前述したように、ポリカーボネートに起こる熱収縮が音鳴りの原因です。ポリカーボネートは、夏の強い日差しなどにより熱せられると膨張し、冬の寒さなどで収縮して音が鳴ります。
また、ポリカーボネート自体ではなく、柱材のアルミが原因になる場合もあります。アルミとポリカーボネートの接触している部分が、熱収縮によってこすれて音が鳴るケースもあるようです。
カーポート、屋根材の種類とは?
カーポートの屋根材には、さまざまな種類があります。以下では、主な屋根材を5つ解説します。
ポリカーボネート板
ポリカーボネート板は、光を通しやすく採光性に優れた素材ながら紫外線にも強く、ほぼ100%カットしてくれます。また、透明度が高く加工性に優れている点も特徴です。さまざまな色があり、加工もしやすいことから、カーポートの屋根材としてはもちろんのこと、テラスの屋根材としても広く使われています。
弾力性があり、耐衝撃性も通常のアクリル板の20倍と、その強度の高さも魅力でしょう。ただし、高温高湿には弱く、音鳴りがしやすい素材です。
熱線遮断ポリカーボネート板
熱線遮断ポリカーボネート板は、ポリカーボネート板に熱線遮断の加工を施したものです。採光性はそのままに、遮熱効果をプラスしました。夏場は、太陽光を受けて車内温度が上がってしまうケースもあるでしょう。熱線遮断ポリカーボネート板は遮熱効果があるため、夏場でも車内の温度が上がり過ぎてしまうことを防げます。
熱線遮断FRP板
熱線遮断FRP板は、FRP板に熱線遮断加工を施した屋根材です。FRP板は、プラスチックにガラス繊維などを混ぜ込んで作られています。一般的なプラスチックよりも強度が高く、防火性にも優れています。また、ポリカーボネート板よりも熱収縮しにくい素材で、音鳴りが気になる場合にも向いている屋根材です。
アクリルの平板
アクリルで作られた平らな板です。透明度が高い、加工しやすいなどの理由から、以前はカーポートの屋根材としてよく使われていました。しかし、経年劣化が激しいというデメリットがあるため、現在では使われるケースは少なくなっています。
塩化ビニール製の波板
塩化ビニールで作られた、波型の板です。アクリル同様に、経年劣化が激しいというデメリットがあり、劣化により割れやすくなります。そのため、現在ではあまり使われなくなっています。
樋(とい)の詰まりや破損
樋とは、雨水を処理する役割を持つ部分です。カーポートだけでなく、住宅の屋根やテラス屋根などにも取り付けられています。屋根の上にある横樋で雨水を集め、柱に沿って設置された縦樋で雨水を排出する仕組みです。
樋に小石や落ち葉などが詰まっていたり破損していたりすると、雨水が溢れてしまって屋根から直接地面に落ちます。そのため、音が大きく聞こえているケースもあるようです。突然雨音が気になり始めた場合は、樋の詰まりや破損を確認しましょう。

カーポートの音鳴りは解消できるか
ここまで、カーポートの音鳴りは屋根材によるものがメインだと解説してきました。そのため、ポリカーボネート屋根の場合には、基本的にカーポートの音鳴りを完全に解消することは難しいでしょう。
音鳴りがどうしても気になる、解消したいという場合には、専門の業者に相談するのがおすすめです。屋根材を固定しているネジを自分で緩めると、強風で屋根が飛ばされるケースもあります。素人判断でネジを緩めるのは危険なので、やめましょう。

カーポートの音鳴りの対策方法
カーポートの音鳴り対策を講じたい場合は、基本的に専門の業者に相談するとよいでしょう。音を軽減できるような対策を講じてくれます。以下では、主な音鳴りの対策方法を3つ紹介します。
明るい色の屋根材を選ぶ
すでにカーポートを設置している場合は難しいですが、これから新しく設置する場合には明るい色の屋根材を選ぶとよいでしょう。屋根材の色によって音鳴りのしやすさが変わり、明るい色のほうが濃い色よりも音鳴りが少なくなります。玄関やフェンス、外壁の色などを考慮しつつ、明るめの色を選ぶのがおすすめです。
屋根に加工する
カーポートの屋根に加工を施すこともよい方法です。たとえば、防音シートなどの防振材を使用すると、屋根材による音鳴りは防げませんが、雨音は吸収してくれます。音に敏感で、雨音が気になってしまう場合には良いでしょう。屋根材押さえ材を使用することで、雨音が軽減するケースもあります。
屋根の角度を変える
屋根の角度を変えてみることも1つの方法です。屋根の角度を変えると、雨の当たり方が変わります。効果の大きさについては一概にはいえませんが、屋根に傾斜が付くことで雨音が軽減される可能性もあるため、試してみてもよいでしょう。

まとめ
カーポートの音鳴りの多くは、屋根材に使われているポリカーボネートの熱収縮によるものです。そのため、ポリカーボネート屋根を使用している場合、完全に音鳴りをなくすことは難しいでしょう。音が気になる場合は、専門の業者に相談し対処してもらうことがおすすめです。

※カインズ・リフォームでは、カーポートの音対策は対応しておりません。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。