カーポートの設置を検討する際、「地面をコンクリートにすべきか迷っている」という方がいるかもしれません。 コンクリートに加えて、どのような選択肢があるのかなどを知ることで、自宅に適した地面を選べます。
そこでこの記事では、カーポートの地面にコンクリートを敷設するメリット・デメリットや、施工の順序などについてわかりやすく解説します。コンクリートの敷設にかかる費用相場も紹介しますので、カーポートの設置を決める際の参考にしてみてください。

カーポートの地面として考えられる素材とは?

カーポートの地面には、どのような素材が適しているのでしょうか。ここでは、コンクリートをはじめとする「5つ」の代表的な素材について、メリット・デメリットを含めて解説します。
砂利
カーポートの地面として最もスピーディに施工できるのは、「砂利」を敷き詰めることです。大きさのそろった砂利を買ってきてカーポートの下に敷くだけなので、DIYでも無理なく施工できます。また、砂利は歩くと音が鳴るため、防犯性も非常に高いです。一方で、砂利のすき間から雑草が生えてくることがあり、お手入れが必要になります。加えて、車を乗り入れるタイミングで砂利がはね返り、愛車を傷つけてしまうリスクもあります。
芝生(人工芝)
カーポートの地面に芝生(人工芝)を敷くという方法もあります。人工芝は見た目がナチュラルなため、住まいの外観が美しくなるというのがメリットです。また、人工芝には水を排出する小さな穴が開いており、雨の際も水はけが良いという特徴があります。一方で、人工芝は耐久性が低く、車の重みで寝てしまう可能性が高いです。数年に一度張り替えが必要なので、そのたびに手間とコストが発生することが難点といえます。
アスファルト
アスファルトとは、道路によく使われる原油由来の舗装材のことです。アスファルトは表面を平らにできるため、車を出し入れする際にガタガタと揺れる心配がありません。また、コンクリートに比べると比較的安価で、施工後すぐに通行できるのが特徴です。一方で、寿命が10年ほどとコンクリートよりも耐久性は劣ります。そして、高温になると軟化しやすく、場合によってはタイヤの轍(わだち)ができてしまうのもデメリットです。
インターロッキング
インターロッキングとは、ブロック型の舗装材を組み合わせて敷き詰めたものです。色のバラエティが豊かなため、住宅のデザイン性を重視したい方に適しています。また、ブロックのすき間に水が流れていくため、水はけが良いのもメリットです。ただし、カーポートの地面として利用する場合、車の通行でブロックが浮き上がる可能性があります。また、均等にブロックを敷き詰めるには熟練の技が必要で、施工に手間がかかるのが難点です。
コンクリート(土間コンクリート)
カーポートの地面として広く利用されているのが、コンクリート(土間コンクリート)です。
コンクリートの耐用年数は50年~100年といわれ、耐久性に優れているのがメリットといえます。カーポートの地面にコンクリートを敷設する際は、地面の上に砕石約10cm、コンクリート約10cmを敷き詰め、コンクリートの中には「メッシュ筋」と呼ばれる網目状の金属を組み込むことが一般的です。そのため、強度が非常に高く、ひび割れも防止できます。一度敷設したらしばらく補修の必要がなく、お手入れの手間もかかりません。一方で、「夏の照り返しが強くなる」「施工方法によっては雨で滑りやすくなる」というデメリットもあります。
コンクリートを敷設するメリット・デメリット、工事の手順などについては、ここから詳しく解説します。

カーポートの下にコンクリートを敷くメリットとは?

カーポートの地面にコンクリートを敷設すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、大きく2つのメリットについて解説します。
メンテナンスしやすい
コンクリートの大きな特徴は、耐久性が高く、メンテナンスしやすいことです。例えば、コンクリートは舗装面が平らなため、落ち葉や汚れも水ですぐに洗い流せます。また、地面から雑草が生えてくる心配がないため、お手入れの手間もかかりません。加えて舗装面が頑丈だからこそ、車の重みにも十分耐えられ、劣化によって補修が発生するリスクも少ないでしょう。こうした耐久性の高さを考えると、長期的に見て非常に経済的といえます。
水はけが良く、車や玄関が汚れない
コンクリートの特徴として、「水はけが良い」という点があげられます。コンクリートは敷設の際、平均3%程度の勾配を設けるため、雨水が溜まりにくい構造になっているのです。そのため、車から乗り降りする際、雨水や泥などで衣服が汚れるのも避けられるでしょう。「雨の日に玄関が泥だらけになってしまう」ということも防ぎやすくなります。また、当然ながら車にも汚れがつきにくくなるため、愛車を清潔に保管することが可能です。

カーポートの下にコンクリートを敷くデメリットとは?
カーポートの地面にコンクリートを敷くことで、デメリットがあることも事実です。ここでは、大きく2つのデメリットについて解説します。
施工方法によっては、滑りやすくなる
コンクリートの施工方法は、2種類あります。一つは、舗装面を鏝(こて)で平らにする「金鏝(かなごて)仕上げ」、もう一つは舗装面にほうきで掃いたような線を入れる「刷毛引(はけび)き仕上げ」です。金鏝仕上げの場合、表面が平らなため、掃除やお手入れがしやすくなります。ただ、表面がツルツルしているため、どうしても雨で滑りやすくなってしまいます。そのため、雨の日の転倒を防止するには、刷毛引き仕上げを選ぶ必要があります。
夏の照り返しが強い
コンクリートは熱伝導率が高く、日差しの照り返しが強くなります。特に気温の高い地域では、夏場は裸足で歩けなくなるほどコンクリートが熱くなる可能性もあります。カーポートの下で子どもやペットが遊ぶ場合は、注意が必要です。対策としては、熱線を遮断するタイプのカーポートを選んだり、打ち水をしたりという工夫があげられます。

カーポートと地面のコンクリート、どちらの施工が先?
「カーポートを先に設置すべきか、地面のコンクリートを先に敷設すべきか迷っている」という方も多いかもしれません。結論からいうと、なるべくカーポートを先に設置するようにしましょう。
というのも、カーポートを設置する際、柱の位置に深さ60cmほどの穴を開け、そこに柱を埋めて基礎を固めます。コンクリートを先に敷設していると、柱の部分だけコンクリートを斫(はつ)りして剥がさなければ、穴を開けられないのです。コンクリートの斫りには特殊な工具が必要で手間もかかるため、カーポートが先のほうがスムーズでしょう。
ただし、どうしても施工業者の日程が合わず、コンクリートの敷設が先になってしまうこともあると思います。その場合は、「箱抜き」といって、あらかじめ支柱の位置だけ空けておいてもらうことも可能です。支柱の位置にコンクリートが敷設されていなければ、斫り工事も発生しません。そのため、あらかじめカーポートの施工業者から図面をもらったうえで、コンクリートの敷設業者に渡し、箱抜きの作業を依頼するようにしましょう。

コンクリートを敷設する際の流れ・期間とは?

カーポートの下にコンクリートを敷設する際は、一般的に以下のような流れで施工を進めます。
【1】雑草や木の撤去……カーポートの地面に生えている雑草や木を、きれいに除去する
【2】地面の掘削(くっさく)……ショベルカーやシャベルなどで、地面を深さ20cmほど掘り起こす
【3】砕石の敷き詰め……コンクリートの下地となる「砕石」を敷き、転圧機で押し固める
【4】型枠の設置……コンクリートを流し込む場所に、「型枠」と呼ばれる成型用の枠を設置する
【5】メッシュ筋の設置……コンクリートの強度を高めるための「メッシュ筋」を設置する
【6】コンクリートの流し込み……トラックやミキサー車を使って、コンクリートを流し込む
【7】表面の仕上げ……コンクリートの表面が固まる前に、「金鏝仕上げ」や「刷毛引き仕上げ」を施す
【8】養生(ようじょう)……コンクリートが固まるまで、数日間のあいだそのまま置いておく
上記のうち【1】~【7】は、2~4日あれば終わります。ただし、コンクリートは固まるまでに時間がかかるため、車を乗り入れられるようになるまで、1週間ほど養生(【8】)の期間が必要です。

コンクリートを敷設する場合の費用相場とは?
カーポートの下にコンクリートを敷設する費用は、1㎡あたり13,000~15,000円程度が相場です。車1台分の地面にコンクリートを敷設する場合、広さが15㎡程度なので、約20万程度の費用がかかります。また、カーポートを後から設置する際、支柱部分の斫り工事が必要です。その場合は、1か所1万円程度の費用がかかる可能性があるでしょう。費用は施工業者によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

まとめ
コンクリートは耐久性に優れており、お手入れも簡単なので、カーポートの地面に適しています。耐用年数も長く、将来を考えた場合に高い費用対効果を見込めるでしょう。
コンクリートを敷設する際は、施工の順序も重要です。コンクリートをカーポートよりも先に施工する場合、あらかじめカーポートの施工業者から図面をもらい、コンクリートの敷設業者に渡しておきましょう。そうすると、あらかじめ支柱部分を空けておけるため、カーポートを施工しやすくなります。カーポートを施工する際は、この記事の内容を意識してみてください。

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