カーポートの屋根は、日光や雨、強風や紫外線などに晒され続けることから、耐久性や耐衝撃性に優れたポリカーボネート素材が主流です。
本記事では、カーポートの屋根の種類、ポリカーボネート屋根の特徴や設置する際に選ぶポイントなどを解説します。
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カーポートの主な屋根材の種類
カーポートに使用される屋根材の主な種類は下記の6種類あり、どの種類を選ぶかによって見た目が異なります。また、性能も種類によって変わるため、自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。
- ポリカーボネート、熱線遮断・熱線吸収ポリカーボネート:
耐熱性、耐寒性、耐衝撃性に優れ、燃えにくく、加工しやすい。紫外線を通しにくい性質であるため、車の塗装の劣化予防が可能。
- FRP(繊維強化プラスチック):
ポリカーボネート板に熱線遮断の機能が加わったもの。車内が高温化してしまうことを防げる。
- 熱線遮断FRP板:
樹脂とガラス繊維をあわせて作成したもので、熱が加えられても伸縮しにくいという特徴がある。コストが高い。
- アルミ板:
直射日光をカットする。ポリカーボネート特有の光沢や、住宅や柱などと異なる素材感が出にくい。
- スチール折板(ガルバリウム)、ポリカーボネート折板:金属を折り曲げて強度を高めている。積雪地帯で多く取り入れられる。
- 波板(プラスチック製と鉄製):
トタンや塩化ビニールの波板は加工がしやすくコストを抑えられるが、現在はほとんど使われない。ポリカーボネート製やガルバリウム鋼板製が一般的。
上記のうち、本記事では、現在の主流であるポリカーボネートに焦点をあてて詳しく解説します。

ポリカーボネートの特徴
ポリカーボネートがどのような素材であるかを表す、主な7つの特徴を紹介します。
樹脂製の素材の1つ
樹脂で作られたプラスチック素材の一種で、名称の先頭3文字をとった「ポリカ」や、英語の名称を略した「PC」とも呼ばれています。耐熱温度は約120~130℃、耐寒性は-100℃程度と、高温にも低温にも耐性が高い樹脂です。また、プラスチック素材であるため軽量で、加工しやすく、透明度が高いため光を通す性質もあります。
ポリカーボネートの厚み
ポリカーボネートは板状で販売されていて、厚みは1.5mm、2mm、3mm、5mmなど複数の種類があります。以前主流だったアクリル板からポリカーボネート板に替える場合、販売品でも交換は可能ですが、形状によってはできないものもあるため注意が必要です。
耐衝撃性に優れている
ボールなどの飛来物による屋根への穴あきや、近年多い強風や暴風、台風、雹(ひょう)などの自然災害による被害から、車を守るために重要となる「強度」が高い点もポリカーボネートの特徴です。外部からの衝撃に耐える強度を示す「耐衝撃性」が、一般的なアクリル板の約20倍、ガラスの200倍以上あります。
逆にいえば、以前屋根材として主流の1つだったアクリル板の屋根は、ポリカーボネートの約20分の1の耐衝撃性しかなく、飛来物や天候などによる衝撃により、割れてしまうケースも少なくありませんでした。そのため、現在はほぼ使用されていない状況です。
一方、ポリカーボネートは軽くて弾力性があり加工しやすいうえ、素材に凹みができても割れにくいため衝撃を受けても破損しにくく、カーポートやテラス屋根の素材として重宝されています。
透明性があり、紫外線対策に優れている
ポリカーボネートは透明性があるため太陽光線を適度に通します。そのため、太陽の自然な光で屋根の下を明るく保つことが可能です。一方、太陽の光を通しながらも紫外線はほぼ100%カットできる性質もあり、大切な車を強い紫外線や日差しから守れます。
紫外線や日差しを抑えることは、車内温度の上昇だけではなく、カーポートの屋根材そのものの劣化の防止策にもなるものです。以前多く使用されていたアクリル板は、紫外線で劣化するケースが少なくありませんでした。
色によって性質が異なる
メーカーごとにさまざまなカラーバリエーションがある点も特徴です。また、色によって性質が変わり、色が濃くなるほど赤外線の遮断率は高く、透明度は低くなります。
色によってカーポート下の明るさが変わるポリカーボネートは、色選びが特に重要です。カーポートの下をできる限り暗くならないようにしたい場合には、濃い色は避けなければなりません。ちなみに、紫外線カット率は色が変わっても変化がなく、ほぼ100%遮断できます。
価格の特徴
既に主流から外れたアクリル板や塩化ビニールと比べると高価ですが、現在使用の多い素材のなかでは安価です。アクリル板は屋根材として安く済む素材ですが、現在流通していないため、既存のものが劣化したり破損したりした際に、交換用の材料を探すことが難しくなります。
一方、ポリカーボネートは需要が高く生産量も流通量も増えているため、10万円以下の安価なものも見つけやすい状況です。一般的な地域への設置であれば、ポリカーボネート屋根材を基本として選び、価格も併せて上がる機能は、必要に応じてグレードアップしていくとよいでしょう。
カーポート提供メーカーにより呼び名や性質の違いがある
ポリカーボネートは、メーカーによって呼び名が異なっていたり性質に違いがあったりします。たとえば、同じポリカーボネートの屋根でも汚れがつきにくいものもあれば、傷ができにくいものもあるため、目的に応じて上手に選ぶことが大切です。

熱線遮断ポリカーボネート・熱線吸収ポリカーボネートもある
ポリカーボネート屋根材には、通常のものにさらなる機能をプラスした、熱線遮断ポリカーボネートや熱線吸収ポリカーボネートという素材もあります。通常タイプと比べると値段は多少上がりますが、使用により高い効果が期待できることから人気のある素材です。ただし、素材の名称は、メーカーによって違う場合もあります。
熱線遮断ポリカーボネートとは
熱線の遮断性が高いポリカーボネートです。熱線が遮られることでカーポートの下が暗くなりやすいため、夏場などに涼しさを求める場合には重宝します。ただし、窓の近くに設置すると室内への光も遮る可能性もあるため注意が必要です。
熱線吸収ポリカーボネートとは
熱線の吸収力が強いポリカーボネートです。熱線遮断ポリカーボネートのように、カーポートの下が暗くなることはありませんが、熱線は吸収する性質があるため、強い日差しが当たる場所に設置されたカーポートの屋根の下も涼しく保てます。

ポリカーボネートがカーポート屋根に向いている理由(まとめ)
ポリカーボネートは温度や外部からの衝撃に対する耐性が高いうえ、日差しや紫外線対策もできる素材です。屋外で飛来物や太陽の光などから車を守る役割を担うカーポート屋根が、必要とする性質を多く持っています。さらに、加工しやすく、これまで使用していたものとの張替もしやすいことが、カーポート屋根として重宝されている理由です。

使用にあたり注意が必要な地域
ポリカーボネートは、一般的な地域に設置するカーポートへの使用であれば問題はありませんが、一部、使用に気をつけなければならない地域があります。注意が必要な地域は、積雪地域と、防火地域・準防火地域・22条区域です
積雪地域では通常のポリカーボネートでは強度不足
強度の高いポリカーボネートですが、大量の雪の重さに耐えるだけの力はなく、強度不足でカーポートが倒壊するリスクもあるため使用には注意が必要です。
積雪地域に設置するカーポートの屋根材は、積雪にも耐えられるように強度を高めたものを選ばなければなりません。豪雪地域はより高い強度のものが求められるため、耐荷重に優れたスチール折板などの使用がおすすめです。
防火地域・準防火地域、建築基準法第22条区域では使用制限がある
建築基準法で定められている防火地域、準防火地域、建築基準法第22条区域にカーポートを設置する場合、屋根材の使用に規制があります。建物の密集エリアなどで火災が発生した時に被害を最小限に防ぐための、建築物の屋根などに対する規制です。
たとえば、カーポートの屋根材では、ポリカーボネート、熱線吸収ポリカーボネート、熱線遮断ポリカーボネートが、延焼の恐れのある部分で床面積30㎡を超える場合の使用を禁止されています。

自宅にあったポリカーボネート使用のカーポートを選ぶポイント
自宅にあったポリカーボネート使用のカーポートを選ぶポイントは、おもに次の4つです。
- 屋根の形で選ぶ
- 明るさで選ぶ
- 耐久性で選ぶ
- 柱の位置や高さで選ぶ
屋根の形で選ぶ
カーポートの屋根の形は、おもに次の2種類に分かれています。
- アール型(R型):ゆるやかなアーチがやわらかい印象を与えてくれる
- フラット型(F型):ストレートな屋根がシャープな印象を与えてくれる
アール型はデザイン性が高い反面、屋根がアーチ状になっているからこそのデメリットもあります。たとえば両端もしくは左右どちらかが低くなることから、高さによっては車が収納できない可能性もあるので、アール型の屋根を選択する場合は、一番低くなる位置が車よりも高くなるように工夫する必要があります。
また、アール型の屋根はフラット型と比較すると、吹き込みが大きくなりがちです。一方のフラット型の屋根は、台形などスペースに合わせて屋根の形を加工することができるという特徴があります。
明るさで選ぶ
ポリカーボネートのカラーによって、採光度が変わります。もっとも採光性に優れているのはクリアタイプですが、取り込む光の量が多い分、カーポート内が熱くなりやすいほか、外からカーポート内が丸見えになってしまうというデメリットがあります。ほどよい採光量を求めている場合は、ブラウンスモークやブルースモーク、マット調の屋根がおすすめです。
また、プライバシーを保護して、光を徹底的に遮断したい場合はブラックマットを選ぶのも一つの方法です。ブラックマットの屋根は熱を効率的にカットしてくれるので、黒い車でも車内を涼しく保ってくれます。
耐久性で選ぶ
折板や波板のポリカーボネート屋根は、平板と比較すると衝撃が分散されるため、耐久性が高いという特徴があります。しかし、波板はややチープに見えてしまうので、デザイン性を重視するならフラット型の屋根がおすすめです。
また、商品によって対応できる積雪の量や風の強さが異なるため、積雪地域にお住まいの場合や台風対策をしたい場合は、耐積雪性能と基準風速を確認してください。
柱の位置や高さで選ぶ
両側に柱を設置すると安定感や耐久性が増すものの、駐車しにくいというデメリットがあります。スライドドアの車ではない場合、柱にドアが当たる可能性があるため、乗り降りしにくいかもしれません。左右片側や、後方に柱を設置すると、開放感があり乗り降りや荷物の積み下ろしがしやすくなります。ただし、柱の本数が減ると耐久性が下がることを頭に入れておきましょう。
また、車が駐車しやすい高さを選ぶのも大切です。高さ選びに迷ったら、ミニバンでも停められるH2200(2,200mm)を選ぶのが無難です。ルーフキャリアをつけたい人は、高めに設定したほうがいいでしょう。ただし、ハイロングタイプ(2,800mm以上)になると、柱の内部を補強する必要があることから価格が高くなるため、どうしても高さが必要な場合以外はおすすめできません。
ポリカーボネート使用のカーポート
屋根材にポリカーボネートを使ったカーポートのなかから、おすすめの製品を3つピックアップして紹介します。
スカイリード | 三光アルミ

三協アルミの「スカイリード」シリーズは、屋根材にマット加工のポリカーボネートを採用しているのが特徴です。カーポートの板を支える中桟がないので、スタイリッシュな見た目も魅力です。遮光性が高いので、車内温度が高くなるのを予防したい方に向いています。1〜3台まで幅広いバリエーションを用意しており、間口や奥行、高さの選択肢も多いため、敷地のサイズや用途にあわせて選べます。
アリュース | YKKAP

ネスカF|LIXIL

「LIXIL」のネスカFは、片側支柱タイプやY合掌、M合掌など、さまざまなタイプの設置スペースに対応できる豊富なバリエーションが魅力です。風よけとなるサイドパネルをつけることもできます。
耐積雪20cm、基準風速V0=36m/sに対応していますが、耐積雪・耐風圧パッケージつけると、基準風速V0=38m/s、耐積雪30cmを実現できるため、幅広い地域や気候に対応しています。
VIC port αII 51-24タイプ 標準柱 | カインズオリジナル
カインズの1台用カーポート「VIC port αII 51-24タイプ 標準柱」
構造部に強度の高いアルミ形材を使った、耐積雪強度20cm、耐風圧強度34m/秒あるカーポートです。雨水のオーバーフローを防ぐために大容量の雨樋が設置されているほか、掃除の手間を省けるゴミ出しエルボも標準で装備されています。
VIC port αII 51-24タイプ 標準柱 | カインズオリジナルの詳細を見る

ソルディーポート 1台用 30-50型 標準柱 | LIXIL
ソルディーポート 1台用 30-50型 標準柱 | LIXIL
屋根へのポリカーボネートの使用により採光を確保しながら、雪や風にも耐えられる高い強度も持ったカーポートです。耐積雪強度は50cm、耐風圧強度は46m/秒あるため、雪が多い地域や風の強い地域にも設置できます。
ソルディーポート 1台用 30-50型 標準柱 | LIXILの詳細を見る

カーポートの屋根材選びは専門業者にご相談ください
カーポートは使用する屋根材によって見た目も性能も変わるため、慎重に選ぶことが大切です。どのような屋根材が適しているかは人によって異なることから、一般的な人気だけから選ぶと失敗する恐れもあります。
屋根材選びで後悔しないためには、設置を依頼する業者に、どのような屋根材が適しているかを相談する方法がおすすめです。カーポートの設置経験のあるリフォーム会社や、外構工事にも対応しているエクステリアに強い会社に、相談してみるとよいでしょう。

まとめ
高強度で実用性もあるポリカーボネートは、カーポートの屋根材に適していますが、同じようにポリカーボネートを使っているものでも、製品によって特徴はさまざまです。また、地域によって素材として向かないタイプもあるため、選ぶ際には専門業者に相談したほうが失敗を防げます。
カインズでは、カインズオリジナルのポリカーボネート屋根のカーポートを提供しています。圧倒的なコスパの良さと耐久性まで考え抜かれた、実用的なデザインが人気です。
カーポートの設置は、全国のカインズ店舗やネットで気軽に相談できるほか、お支払いで付与されたカインズポイントをお買い物に利用することも可能です。カーポートの種類や設置場所のご相談にも対応いたしますので、ぜひカインズにご相談ください。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。