カーポートは雨風をしのげるため、鳥たちにとって絶好の羽休めスポットになってしまいます。そのため、なかには「鳥のフンや鳴き声に困っており、鳥よけを設置したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カーポートに鳥よけを設置するメリット・デメリットやカーポートに設置する鳥よけの種類について解説します。また、鳥よけの種類ごとに見込める効果も紹介しますので、ぜひホームセンターで鳥よけを選ぶときの参考にしてみてください。

なぜ鳥はカーポートの下を好むのか?

そもそもなぜ鳥は、カーポートの下に好んでやって来るのでしょうか。ここでは、鳥があえてカーポートにやって来る理由について解説します。
雨風をしのげるから
カーポートには構造上、屋根と梁(はり)のあいだに、小鳥がとまれるほどの隙間があります。そのスペースにスズメやハト、ツバメなどの野鳥がやってきて、巣を作ることも珍しくありません。カーポートの下であれば強い雨風でもしのぐことができ、冬であれば雪からも身を守ることができます。なおかつカーポートは車庫やガレージと違って壁がないため、小鳥たちが自由に行き来でき、非常に便利な羽休めの場所になってしまうのです。
天敵から身を守れるから
小鳥たちにとって、ネコやヘビ、カラスなどは生命をおびやかす天敵です。そのため、小鳥たちはあえて人家の近くにあるカーポートに営巣(えいそう)し、天敵から身を守ることもあります。特にツバメは年2~3回繁殖するといわれており、そのたび卵やひなを天敵から守らなければいけません。だからこそ、カーポートのように周囲に人が暮らしており、安全で見晴らしも良い場所は、小鳥たちにとって巣作りに絶好の場所といえるのです。

カーポートに鳥が来ると、どのような被害がある?

カーポートに鳥が来た際、放置してしまうとどのような問題が起こるのでしょうか。ここでは、カーポートに鳥が来ることによって起きる、主な被害について解説します。
鳥のフンで車が傷む
鳥のフンは、愛車を傷つけてしまう大きな原因の一つです。例えば、フンには酸性やアルカリ性の成分が含まれており、車の塗装面にシミができてしまいます。また、フンに木の実や枝が含まれる場合もあり、布でこすって落とそうとすると思わぬキズがついてしまうこともあるでしょう。さらにフロントガラスに落とされたフンは、運転の際に視界を遮ります。鳥がカーポートに巣を作ることは、車にとって百害あって一利なしなのです。
衛生的なリスクがある
鳥がカーポートに来ることで、衛生的なリスクが生まれることもあります。鳥たちはさまざまな病原菌を持っており、人にとって感染症やアレルギーを引き起こす原因にもなりかねません。また、カーポートの地面に落ちた鳥のフンがやがて排水溝に詰まってしまい、掃除に手間がかかることもあります。ひどい場合には、鳥たちがカーポート周辺のゴミ捨て場を荒らし、ゴミの散乱や臭いといった二次被害が起こることもあるでしょう。
鳥の鳴き声が気になる
鳥がカーポートに巣を作ることで、鳴き声による被害も起こります。特に早朝は鳥たちが活発になり、鳴き声もうるさくなるため、眠りを妨げられる人も少なくありません。また、なかには鳥の鳴き声がうるさく、近隣に迷惑をかけているのではないかと不安で、精神的なストレスを抱えてしまう人もいます。特にスズメのような小鳥は、天敵から身を守るため集団で営巣します。カーポートにいくつも巣を作られてしまった場合は鳴き声もうるさくなり、悩みの原因になるでしょう。

カーポートに鳥よけを設置するメリット

カーポートに鳥よけを設置することで、具体的には以下のようなメリットがあります。
・愛車を鳥のフンから守り、ボディやフロントガラスを清潔に保てる
・カーポートの屋根や家の外壁などに鳥のフンがつかなくなる
・鳥の鳴き声に悩まされなくなり、快眠できる
・アレルギーや感染症などの衛生リスクを防げる
特に野鳥のなかには、強い帰巣(きそう)本能を持った鳥もいます。帰巣本能とは、離れた場所にいても必ず巣に戻ってくる性質のことです。帰巣本能が強い鳥は、一度産卵を終えて巣立ったとしても、同じ場所に帰ってきて巣を作ってしまいます。つまり、一度カーポートに巣を作られてしまえば、繁殖のたびにフンや鳴き声に悩まされる可能性が高いということです。だからこそ、一度本腰を入れて、防鳥対策を施す必要があります。

カーポートに鳥よけを設置するデメリット
カーポートに鳥よけを設置することで、以下のようなデメリットが起こる可能性もあります。
・鳥よけグッズの種類によっては効果がみられず、コストが無駄になる
・鳥の種類によっては鳥よけの効果が出ない場合もあり、対策が難しい
・鳥よけのグッズによっては定期的に交換が必要なものもあり、ランニングコストがかかる
カーポートに鳥よけを設置しても、学習能力が高い野鳥の場合は、次第に慣れてきてしまいます。そのため、短期間で効果が失われてしまう鳥よけもあるでしょう。また、鳥の大きさによっては、あまり効果を発揮しない鳥よけもあります。そのため、鳥よけの種類や効果を正しく理解し、最適なものを設置することが重要です。

カーポートの主な鳥よけの種類・効果

カーポートの鳥よけには、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、カーポートに設置できる主な鳥よけの種類と、それぞれの効果について解説します。
視覚的な刺激を与えるグッズ
最も手軽な鳥よけとして、視覚的な刺激を与えるグッズがあります。目が反射板になっているネコやフクロウの人形、目玉を模した風船、CD、銀色の防鳥テープなどが代表的です。こうした鳥よけをカーポートの梁に吊るしておくことで、光の反射や色などの刺激を与えて鳥を追い払います。また、カラスの死骸を模した人形のように恐怖感を与えるような鳥よけを設置し、鳥を近寄らせないというのも一つの手法でしょう。
こうした視覚的な鳥よけのメリットは、簡単に設置できることです。値段もお手頃なので、気軽に試してみやすいでしょう。一方で景観を損ねるリスクがあるため、見た目にも注意してグッズを選ぶ必要があります。また、鳥が刺激に対して徐々に慣れてくる可能性が高いため、他の方法と併用することも大切です。
※カインズでは施工対応できかねます
忌避剤
鳥のとまりやすい部分に忌避剤(きひざい)を塗り、追い払うという方法もあります。忌避剤とは、臭いや味、感触などで鳥に不快感を与える特殊な薬品のことです。固形・ジェル・スプレーなどのタイプがあります。忌避剤を梁に塗っておけば、ベタベタとした感覚や独特の臭さを鳥が嫌がり、次第に寄りつかなくなるでしょう。
忌避剤のメリットは、塗布するだけでよいので、自分でも無理なく施工できる点です。また、塗布しても見た目が大きく変わらないため、景観に影響を与える心配もありません。しかし、視覚的なグッズと同様、鳥が徐々に慣れてきてしまう可能性もあります。加えて、効果の持続期間は1年前後のため、定期的に塗り替えが必要です。
剣山
カーポートの梁部分に、剣山(けんざん)を設置するというのも一つの方法です。剣山を設置しておけば、鳥は物理的に足を置ける場所がなくなるため、カーポートへ侵入できなくなります。剣山というと金属のイメージがありますが、プラスチックやステンレスなどの種類もあり、鳥を傷つけることなく追い払うことが可能です。
剣山の良い点は、ホームセンターで手軽に購入できることです。しかし、梁一面に敷き詰める場合はそれなりに数が必要なため、他の方法より費用がかかることもあります。また、見た目がとげとげしいため、景観を損ねるかもしれません。加えて、針の短さによってはとまれる鳥もいるため、針の長い剣山を選びましょう。
テグス・ワイヤー
カーポートの梁部分にテグス(釣り糸)やステンレスワイヤーなどの線を張るのも、有効な鳥よけの方法です。線をピンと張っておけば、鳥がとまろうとしても首や胸の部分に線が当たります。そのため、鳥に強い不快感を与えて追い払うことが可能です。糸やワイヤーの素材は柔らかく、鳥を傷つける心配もありません。
テグスやワイヤーのメリットは、剣山のように見た目が派手ではないため、外観を損ねないことです。また、素材自体は安価のため、手軽に入手できます。ただし、カーポートの梁は高い場所にあるため、施工が難しいでしょう。安全や丁寧さを優先する場合は専門業者に依頼する必要があり、施工費用が別途かかってしまいます。
防鳥ネット
鳥よけとして最も効果が高いのは、物理的に侵入を防ぐことです。その点、カーポートの梁一面に防鳥ネットを張るのは有効な方法でしょう。防鳥ネットを張っておけば、鳥が梁までたどり着けなくなり、営巣の心配もありません。防鳥ネットは高い効果が見込めるため、ゴミ捨て場や畑の防鳥対策としても活用されています。
しかし、防鳥ネットを施工する際、少しでも隙間があるとそこから鳥に侵入されてしまいます。そのため、防鳥ネットのテンション(張り具合)を強くする、防鳥ネットとカーポートの接続部分に隙間を作らないことを意識しましょう。より効果的に防鳥ネットを張るためには、専門業者へ依頼することも検討してみてください。

まとめ
カーポートの鳥よけには、物理的なものから視覚的なものまでさまざまな種類があります。鳥の大きさやカーポートの広さによって最適な対策が異なるため、専門家の意見を参考にすることも大切です。「どの鳥よけを選べばいいだろう?」と迷った際には、ぜひお近くのホームセンターへ相談してみてはいかがでしょうか。

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