- 最近キッチンの換気扇の効きが悪い
- 換気扇からカラカラと変な音がする
こうした症状が出た場合は、キッチンの換気扇を取り替えるべきタイミングといえます。
しかし、いざ新しい換気扇にリフォームしようと思っても「いくらぐらいかかるの?」、「どうやって選んだらいいの?」とさまざまな疑問が浮かぶことでしょう。
そこでこの記事では、キッチンの換気扇リフォームにかかる費用相場や交換すべきタイミング、さらに失敗しないための注意点などを詳しく解説します。
火気を扱うキッチン周りだからこそ、安全・快適なリフォームを目指しましょう。
キッチン換気扇のリフォームは10年が目安 | 交換のサインは?

キッチンの換気扇に不具合が出た場合、修理で直せるのか、新しい換気扇にリフォームすべきなのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、以下の3つを基準にして、リフォームすべきタイミングなのかを見極めることができます。
10年以上使っている
現在の換気扇を10年以上使っている場合は、そろそろ交換のタイミングと考えた方が良いでしょう。
換気扇の法定耐用年数は、15年とされています。しかし、実際の機能面を考慮すると、一般的には10年が交換の目安となります。
日ごろからどれだけ丁寧にメンテナンスをしていても、使用期間が10年を過ぎると何かと不具合が起きやすいものです。そのまま無理に使い続けても劣化は避けられず、換気機能はおろか家事効率まで下がってしまうかもしれません。
異音がする
換気扇から異音がする場合は、早急に換気扇を取り替えることをおすすめします。そのまま使い続けると、オーバーヒートなどにより火災が発生する可能性も否めません。
換気扇から出やすい異音の種類としては、主に次の4パターンが考えられます。
- ズー:モーター周辺機器がサビている
- ゴー(ボー):油やほこりの汚れが溜まっている
- カラカラ:モーターの軸がずれている
- キュルキュル:モーターのオイル不足
異音の原因は、モーターの消耗や換気扇内部の破損にあることが多いといえます。放置すると、モーターのオーバーヒートによって全体が故障したり、内部に入り込んだほこりが原因で発火したりといった危険性があります。
換気機能が低い
煙がなかなか排出されないなど換気機能が低下している場合も、換気扇を交換すべきタイミングといえます。
換気機能が低下する原因としては、汚れによりモーターの回転が鈍くなっていることが挙げられます。汚れをきれいに落とすことで回転率が元に戻ることもありますが、それでも改善しなければ換気扇を取り替えるしか方法はありません。
特に、先述のように換気扇を使い始めて約10年近く経過している場合は、いずれにしても交換すべきタイミングといえます。
換気扇とレンジフードの違い

換気扇をリフォームするなら、レンジフードに取り替えるのも選択肢の1つです。換気扇とレンジフードはよく似た言葉ですが、それぞれ以下のような違いがあります。
- 換気扇:壁から直接排気する
- レンジフード:ダクトを通して排気する
換気扇:壁から直接排気する
換気扇の特徴は、取り付けた壁から直接空気を排出することです。一般的に、換気扇にはプロペラファンと呼ばれる扇風機のような羽根が付いており、このプロペラファンが回転することによってキッチンの空気を屋外に排出します。
つまり、換気扇には「フード」と呼ばれるカバーがありません。いわばプロペラファンがむき出しとなっている状態であり、キッチン全体の見た目にも影響しやすいといえます。
レンジフード:ダクトを通して排気する
一方のレンジフードは「ダクト式」とも呼ばれるように、ダクトを通して排気するのが特徴です。ファンの種類としてはシロッコファンが用いられ、筒状の細長い板が回転することで空気を排出します。
また、レンジフードとはキッチンのコンロ上に設置される排気設備の総称で、基本的にファンとフードが一体になっています。換気扇に比べれば設備は小型ですが、全体的にスマートに仕上がるため、近年では換気扇よりレンジフードの方がよりメジャーな存在といえます。
キッチンの換気扇リフォームにかかる費用相場

キッチンの換気扇リフォームにかかる費用は、本体の性能によって大きく左右されます。最低限の機能を備えたレンジフードであれば5~10万円ほどでリフォームが可能ですが、高性能なレンジフードになると約20万円が費用相場と言えるでしょう。
また、換気扇からレンジフードに取り替える場合は、排気のためのダクト工事が必要になります。簡単なダクト工事であれば5万円程度で収まりますが、換気扇の位置を変えたり工数が増えると、工事だけで10万円近くなることもあるでしょう。
そのため、換気扇からレンジフードの取り替えを検討している方は、トータルで15~30万円が費用相場といえます。
キッチンの換気扇・レンジフードの選び方

次に、キッチンの換気扇やレンジフードを選ぶ上で大切なポイントを4点解説します。
キッチンは火気を扱う場所であるため、消防法によりサイズが規定されています。あとになってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、事前に失敗しない選び方を押さえておきましょう。
横幅・高さ
換気扇選びで基本となるのが、横幅や高さなどのサイズ選びです。まずは自宅のキッチンを確認し、現状の横幅と高さを押さえておきましょう。
【横幅】
レキジフードの横幅は、基本的に次の3パターンに絞られます。
火災法によると、レンジフードの幅は設置しているコンロの幅より大きくなければなりません。たとえば、キッチンの幅が75cmなら、レンジフードの幅は75cm以上でなければならず、60cm規格のレンジフードを取り付けることはできません。
どの横幅にすべきか迷った場合には、基本的に現在使用しているものと同じサイズを選ぶのが無難といえます。
【高さ】
レンジフードの高さは、コンロから80~100cm離れていなければなりません。これより低すぎては料理がしづらくなってしまい、逆に高すぎると十分に煙を吸えなくなってしまいます。
こちらも基本的には現在ついているレンジフードと同じサイズを選べば間違いないでしょう。
デザイン
レンジフードのデザインは、主に次の3パターンに分かれます。
【スリム型】
「スリム型」は、その名の通り薄くてスマートな見た目が特徴です。内面に凹凸がないために汚れが付着しにくく、近年では特に人気が高いデザインといえます。
スリム型には基本的にシロッコファンが用いられることが多く、後述する便利機能を備えた商品も多数展開されています。シンプルなものから高性能なものまで、予算に合わせて選択肢が多いのもメリットの1つでしょう。
【ブーツ型】
ブーツ型は、その名の通り上の方が狭く下の方が広く、全体的にブーツのような形をしているのが特徴です。レンジフードとしては特にスタンダードなモデルで、下が広がっているぶん、煙を吸収しやすいといえます。
デメリットとしては、フィルター掃除に手間がかかる点や、機能性の高い商品が少ないことなどが挙げられます。「あまり機能は重視しないから、スタンダードなものが欲しい」という方には向いているでしょう。
【浅型】
浅型は、その名の通り上下に薄く浅い形状が特徴です。天井の低いキッチンや狭い場所にも取り付けやすく、レンジフードによって圧迫感が生まれることもほぼありません。
ただし、デメリットとして掃除の際は真上を向かなければならず、掃除しにくい点が挙げられます。デザイン性ではかなり優れているタイプですが、実際にメンテナンスできるか実用性も踏まえるべきでしょう。
ファンの種類
換気扇のファンは、形状によって次の3つに分類されます。
【シロッコファン】
シロッコファンは「ダクト排気式」と呼ばれるタイプで、ダクトを通してキッチンの煙を屋外に排出します。設置場所の自由度が高いほか、外気の影響を受けにくいのがメリットで、風が強い日でも安定した排気量を確保できます。
デメリットとしては、費用が高額になりやすいことや、プロペラファンに比べて排気量が低いことなどが挙げられます。とはいえ、現在使われているタイプの中では最もポピュラーなファンと言えるでしょう。
【プロペラファン】
プロペラファンとは、その名の通り飛行機のプロペラのような形をしたファンを指します。「直接排気式」と呼ばれ、羽が回転することでキッチンの煙を屋外へ排出します。
プロペラファンはシロッコファンに比べて費用が安く、換気量が多いというメリットがあります。一方で、壁に直接取り付けることから外気の影響を受けやすく、強い風が吹くと室内に外気が入ってくるといったデメリットが挙げられます。
シロッコファンを用いたレンジフードの方が見た目はおしゃれになりやすく、プロペラファンはどちらかと言うと見た目より機能性や価格重視という方に向いています。
【ターボファン】
少し珍しいタイプのファンとして、ターボファンが挙げられます。ターボファンは、シロッコファンと同様にダクトを通して屋外に廃棄するタイプで、換気量はシロッコファンよりも強いといえます。
一方で、デメリットとしてはシロッコファンより作動音が大きくなりやすいことや、そもそもターボファンを使えるレンジフードの種類が少ないことが挙げられます。価格もやや高めになりやすいため、余裕を持って予算を準備する必要があるでしょう。
便利機能
最新のレンジフードには、さまざまな便利機能が備わっています。中でも人気が高い便利機能として、次の3つが挙げられます。
- フィルターレス
- セルフクリーニング機能
- コンロ連動機能
【フィルターレス】
フィルターレスとは、その名の通りフィルターがないタイプの換気扇を指します。
従来の換気扇にはフィルターが必要不可欠で、定期的にフィルターを掃除しなければなりませんでした。フィルターにはたくさんの油や煙の汚れが付くため、「フィルター掃除が嫌い」という方も多いでしょう。
しかし、フィルターレスの換気扇なら、こうした面倒な掃除の手間がかかりません。もちろんフィルター以外の掃除は必要ですが、油が溜まるトレイを定期的に掃除すれば、フィルターは問題なく使うことができます。
【セルフクリーニング機能】
セルフクリーニング機能とは、その名の通りワンタッチで換気扇を掃除する機能を指します。具体的には、専用のトレーにお湯を入れて本体にセットすると汚れがトレーに溜まり、ファンとフィルターの掃除が完了します。
しかし、これにより掃除できるのはファンとフィルターのみであり、トレーやパネル等の部分はこれまで通り自分で掃除しなければなりません。完全に換気扇の掃除をしなくていいというわけではなく、あくまで補助的な機能と捉えるようにしましょう。
【コンロ連動機能】
コンロ連動機能とは、その名の通りコンロの火をつけることで自動的に換気扇がオンとなる機能を指します。
もちろん、コンロの火を消せば換気扇も自動的にオフとなるため、換気扇の消し忘れがありません。また、背が低くて換気扇の操作をしづらい人にとっても便利でしょう。
なお、コンロ連動機能を使うには、コンロと換気扇の両方ともこの機能に対応していなければなりません。必ずしも同じメーカーである必要はありませんが、万が一の故障のときのリスクなどを考えると、同じメーカーのコンロと換気扇を使用するのが賢明です。
【自分でDIYは不可】キッチンの換気扇リフォームはどこに頼む?

「換気扇を自分でDIYして、リフォーム費用を抑えたい」と考える方もいるかもしれません。しかし、キッチンの換気扇を自分でリフォームするのは極めてリスクが大きいといえます。
そもそも、屋内の配線は電気工事士の資格を持つ人しか施工できません。重たいレンジフードを持ちながら狭いキッチンで作業するのは、極めてリスクが大きいといえます。
レンジフードの交換に対応している業者としては、主に次の3つが考えられます。
- リフォーム会社:レンジフード単体では対応不可なこともある
- ホームセンター:外注になることもある
- ガス会社:価格は少々高め。取り扱い機器も限られる
IHでも換気扇は必要!キッチンリフォームはカインズホームへ

換気扇のリフォームにあたり、「IHでも換気扇は必要なの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
厳密に言うと、IHでは火気は使わないため、換気扇を取り付ける義務はありません。しかし、コンロから煙や油が発生するのはガスコンロと同様であり、換気されなければキッチンや家全体に油や匂いが充満してしまうことになります。そのため、「絶対に義務ではないが、取り付けた方が良い」と考えるべきでしょう。
なお、カインズホームでは換気扇はもちろん、キッチン全体のリフォームもご依頼できます。気になる方は、以下の詳細ページをご確認ください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。