すでにあるテラスやウッドデッキにテラス屋根を後付けすると、雨はもちろんのこと、紫外線や赤外線を防げるというメリットがあります。さらにテラスやウッドデッキが守られることで、経年劣化のスピードを遅めるという嬉しい効果も!
しかしテラス屋根は形状、素材、デザインなど種類が非常に豊富で、初めての方だと「どうやって選んだら良いの?」と困惑してしまうことでしょう。
そこでこの記事では、テラス屋根を設置する上で絶対に押さえておきたい3ステップにくわえ、設置前に考えるべき注意点を解説します。
あまりよく考えずに選んでしまうと、後から「こうすべきだった」などと様々な反省点が生まれるかもしれません。事前にポイントをしっかりと押さえ、後悔のないテラス屋根を選んで下さい。
テラスに設置できるシェードは主に3種類
雨や日光対策としてテラスやウッドデッキに日除けを設置する場合、シェードの種類としては主に3つが考えられます。それぞれデザイン性や価格帯も大きく異なるため、予算や家の外観などに合わせて選ぶことが大切です。
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費用相場 |
メリット |
テラス屋根 |
6~17万円 |
雨や日差しを常に遮断できる |
シェード・オーニング |
2~15万円 |
晴れの日はしまうことができる |
パーゴラ |
16~23万円 |
デザイン性が高くおしゃれ |
テラス屋根

最も一般的なのが、この記事でも取り上げるテラス屋根。価格帯も低めに設定されており、どのような家でも馴染みやすいという特徴があります。「オーソドックスな屋根を設置したい」という方は、まずは低価格で丈夫なテラス屋根を最初に検討すると良いでしょう。
シェード・オーニング

オーニングは、カフェのテラス席などに設置されている開閉可能なシェードのこと。晴れた日にはシェードをしまって開放感を味わうことができますが、常に出したままにしない限り急な雨には対応することができません。
価格帯としてはシェードの中でも最も低いですが、大きな布のような素材であることからも暴風雨に弱いというデメリットも挙げられます。「大事なテラスをしっかり守りたい」、「丈夫な屋根がほしい」といった方には、あまり向いていないでしょう。
パーゴラ

木材を縦と横に組み合わせたパーゴラは、デザイン性の高さからおしゃれ志向の方に人気のシェード。ツル性の植物を絡ませれば、藤棚のような感覚で「緑の屋根」ができ上がり、直射日光を遮断することができます。
一方で、防水性に欠けるため雨が降ってくるとテラスは濡れてしまいます。おしゃれな反面、「屋根」としての機能は大きく失われてしまいますので、実用性を求める方には向いていません。
また、費用相場も16~23万円と高額になりがちです。お手頃な価格で実用性の高いシェードを設置したい方は、やはりテラス屋根が一番向いていると言えるでしょう。
【後付けテラス屋根の選び方】失敗しないための3つのポイント
テラス屋根を後付けする際には、素材や形状など選ぶべき要素がたくさんあります。選択肢を一つ変えるだけでも完成後の見栄えは大きく変わってきますので、完成像をイメージしながら慎重に決めるようにしましょう。
1. 素材

テラス屋根の機能性を最も左右するのが、屋根の素材。テラス屋根の素材は、断熱性によって主に以下の2つに分けられます。
素材 |
断熱性 |
メリット |
デメリット |
ポリカーボネート |
熱を通しやすい |
洗濯物が乾きやすい |
夏は暑くなる |
熱線遮断ポリカーボネート |
熱を通しにくい |
冷房効率が上がる |
冬は寒くなる |
それぞれ断熱性の違いによるメリット・デメリットはありますが、より人気が高いのはポリカーボネート。洗濯物が乾きやすいうえ、家に日差しが入り込むだけで家の印象を明るくすることができます。
一方の熱線遮断ポリカーボネートは、断熱性が高いことで家の中が暗くなってしまうのが難点でしょう。洗濯物は乾きづらく、冬には寒さも厳しく感じられます。
2. 屋根の形状

テラス屋根の形状は、屋根全体が平面のフラット型(F型)と、丸みを帯びたアール型(R型)の2つに分けられます。
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特徴 |
メリット |
フラット型(F型) |
全体が平面 |
シャープな印象 |
アール型(R型) |
一部カーブ状 |
水の流れがスムーズ |
どちらがデザイン性に優れているかは、家全体の印象によって異なります。四角くモダンな家ならフラット型、柔らかな印象を取り入れるならアール型を選ぶのが良いでしょう。
また、実用性を重視する方にはアール型がおすすめ。フラット型よりも雨の吹き込みが少なく、テラスが濡れる心配を軽減することができます。
3. 柱のタイプ

最後に、屋根を支える柱のタイプを選びましょう。柱の支点の位置によって、主に以下の4種類に分類されます。
柱のタイプ |
特徴 |
メリット |
デメリット |
標準モデル |
柱が屋根の端についている |
コストが最も安い
シンプルな作り |
場合によって柱が邪魔になる |
柱奥行移動モデル |
柱が端よりも少し家側についている |
水道管など設置の障害となるものを避けることができる |
標準モデルよりコストがかかる |
柱なしモデル |
屋根を支える柱がない |
デザイン性が高い
柱が邪魔になることがない |
強度の観点から、屋根の幅が制限される |
独立モデル |
住宅本体とは別物 |
住宅メーカーの保証外となる心配がない
住宅本体に手を加える必要がない |
住宅本体との隙間から雨が入り込む |
近年特に人気なのが、住宅本体には一切手を加えない独立モデル。住宅メーカーによっては、テラス屋根を住宅に接続することでメーカー保証から外れてしまうケースがありますが、独立モデルなら保証の心配がいりません。
住宅本体とのわずかな隙間が気になるものの、住宅とは完全に別物として設置することができます。4つの柱タイプの中でも、精神的には最もハードルの低いテラス屋根と言えるでしょう。
テラス屋根を選ぶ際の注意点
テラス屋根の種類を選んだら、最後に設置場所についても検討しましょう。テラス屋根の設置に適した場所は、お住いの地域の天候によって大きく左右されます。
これからテラスを設置する方は一番良い設置場所を、すでにテラスを設置している方はテラス屋根の有無をよく検討して下さい。
方角

大前提として、テラス屋根を設置する場所の方角を考えなくてはなりません。洗濯物を干すためには日当たりが良い方角が原則ですが、特定の季節に風が強く吹く地域では、屋根の耐久性のためにも風向きについて考えると安心です。
また、テラス屋根のデメリットとして「雨音が気になる」という声も挙げられます。テラスが寝室に直結している場合、神経質な方だと「雨音が気になって眠れない」ということも考えられます。これからテラスを設置する方であれば、テラスを少し寝室と離して設置すると、雨音の心配もいりません。
積雪量

テラス屋根は、雪が大量に積もると重さで破損してしまう可能性があります。そのため、地域ごとの積雪量に応じて、主に以下の3種類に分けられています。
- 一般地域用(20cm):雪の少ない大都市圏など
- 積雪地域用(50cm):一定量雪が降る地域
- 多積雪地域用(100cm):日本海側の豪雪地帯など
大都市圏にお住まいの方であれば、基本的に「一般地域用(20cm)」で問題ありません。ただし、20cmはあくまで新雪を基準としています。雪が積もった状態のまま新たに雪が降ると、テラス屋根が破損してしまう可能性もありますので、自宅から離れた別荘などには向いていません。
「それなりに雪が降る」という地域であれば、「20cmでも大丈夫」と考えるのではなく、少し余裕を持って50cmのモデルを設置するようにしましょう。
強風

台風が多い地域にお住まいの方は、強風にも耐えられるテラス屋根を選ぶことが大切です。似たようなデザインの屋根でも、屋根のピッチの感覚を狭くしたり、パネルそのものを厚くしたりすることで、テラス屋根の耐風性は上げることができます。
近年は異常気象の影響もあり、大都市圏などでも強い台風や突風が見られるようになりました。屋根が破損すると近隣住民にも大きな影響を与えることになりかねませんので、心配な方は耐風性にも十分に気を配りましょう。
掃除やメンテナンスが必要

最後に、掃除やメンテナンスの必要性についても考えておきましょう。一年中雨や日差しを浴びるテラス屋根は、長いこと放っておくと細かいところに汚れが蓄積されていきます。そのため、住宅本体と屋根の接続部分、雨樋の部分といった部分は定期的に清掃しなければなりません。
カインズならテラス屋根が59,800円~
テラス屋根のメーカーとしてはYKK AP、LIXIL三協アルミといった大手メーカーが有名ですが、デザイン面においては大きな違いはありません。ご予算やお好みに応じて比較し、ご自宅に一番合いそうなテラス屋根を選ぶと良いでしょう。
また、カインズホームならテラス屋根を59,800円~設置することができます。「自宅にどんなデザインが合うのかわからない」、「おおよその予算を知りたい」という方は、まずはお気軽に近所のカインズホームかWEB窓口までお問い合わせ下さい。
テラス屋根を設置すれば、雨や紫外線を防ぐことができ、天気予報や日差しを気にすることのない快適空間が手に入ります。この記事でご紹介した3つのポイントを押さえ、ぜひご自宅に調和するテラス屋根を上手に選んでくださいね!
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