庭を有効活用したいとお考えの方や、雑草に悩みを抱える方など、メンテナンスが楽そうな人工芝を検討する方は多くいます。メリットが多そうな人工芝ですが、実際にはデメリットもいくつか存在します。この記事では、人工芝のデメリットやデメリットの解決策、また、メリットについても解説します。ぜひ参考にしてみてください。
人工芝のデメリットとその解決策とは?

人工芝のデメリットを解説し、それぞれの解決策を紹介します。
季節感が損なわれる
一年中青々としているのは人口芝の特徴ですが、季節感が損なわれるということでもあります。秋から冬にかけては落ち葉の景色、冬には雪景色を楽しみたい方にとってはデメリットになります。
■解決策
人工芝の周りの庭木には、常緑樹を選ぶなどの工夫をすると、人工芝が庭の風景に馴染みます。また、近年では、芝の太さや形がリアルに近い人工芝や、つや消し加工が施された人工芝もあります。このほか、あえて芝の色をグリーン以外の色を選んで庭のアクセントにして個性的な庭を楽しむ方法もおすすめです。
経年劣化で芝が抜けたり寝たりする
天然の芝の場合、寿命は数十年ですが、人工芝は平均約8年~10年です。そのため、上手に管理しても経年劣化は避けられません。人工芝は長期間使用している間に芝の毛が寝てしまったり、抜けてしまったりすることもあります。
■解決策
デッキブラシで芝の毛を逆方向にブラッシングします。それでも直らない場合は、ドライヤーの温風をあててブラッシングすると芝の毛が立ちやすくなります。
夏場は熱くなる
子どもを安全に遊ばせる目的で、人工芝の設置を検討する方は多くいます。しかし、夏場などの気温の高い時期には人工芝全体が熱を持ってしまいます。土や天然の芝のように、表面から水分の蒸発がないからです。人工芝は石油系素材の化学繊維のため、日光を吸収すると熱を持つという特性があります。
■解決策
夏場など気温が高い時期は、人工芝の表面に水を撒いて表面温度が下がるようにしましょう。人工芝の基布面と下地に水が行きわたって、表面温度が下がりやすくなります。近年では、表面温度が上がりにくい特殊素材の人工芝もあります。
耐熱性が低い
庭でバーベキューを楽しむ目的で人工芝にする方は多いです。しかし、人工芝はそこまで耐熱性が高くないため、熱で人工芝が溶けてしまう可能性があります。そのため、花火も厳禁です。110℃程度までは耐えられますが、それ以上は溶ける可能性は高くなります。
■解決策
防火シートを敷くと、バーベキューコンロの熱で芝が溶けることはありません。肉やソーセージなどの油はねで芝が汚れるのも防げます。バーベキューをやるときには、平らな場所の上にバーベキューコンロを置いて転倒を防ぐことが重要です。炭にこだわりがなければ、炭を使わないコンロを使用することもおすすめです。防火機能が付いている人工芝もあります。気になる方は、防火機能のある人工芝を選びましょう。
掃除がしにくい
ゴミや石・砂・土や枯れ葉が、人工芝の根元に落ちるのは避けられません。定期的な掃除は不可欠ですが、ほうきで履くと落ち葉はバラバラになってしまい、芝の中に入ってしまいます。また、細かいゴミなども同様です。
■解決策
石や砂・土などは人工芝の近くに置かないようにします。ゴミは気付いたらすぐに拾い、細かいゴミなどは掃除機をかけて片付けます。毛足の短い人工芝であれば、ホースの水などで洗い流すことも可能です。また、落ち葉はガーデンブロワーなどを利用すると掃除が楽にできます。
雑草が生えてくる
土の上に人工芝をそのまま敷くと雑草が生えてきます。土の上の全体を覆っているため、防草シートの役割もあると思われがちです。しかし、人工芝には水抜きのための穴やつなぎ目があるため、雑草が生えてきてしまいます。
■解決策
防草シートを敷いてから人工芝を敷くと、雑草は生えてこなくなります。防草シートは遮光性が高く、不織布で、ある程度厚みがあるものがおすすめです。
カビが発生する
人工芝は、安価なものなどは排水用の穴が空いていないものがあります。その場合にはカビが生えてしまうこともあります。特に日当たりの悪い場所に人工芝を敷いた場合は、梅雨の時期や雨などのあとにそのままにしておくと、カビが発生しやすいです。
■解決策
日中でも日が当たらない場所に人工芝を敷きたい場合には、カビ対策として水はけの良い人工芝を選ぶことをおすすめします。
初期費用がかかる
天然芝と比較して、初期費用がかかります。人工芝の本体とは別に施工費用がかかるためです。業者に施工を依頼した場合の工事費の費用相場は、1㎡あたり約3,500円~7,000円です。施工場所によっても価格が変わります。大掛かりな工事を要する場合は、さらに費用が高くなります。人工芝の費用相場は、1m2あたり約2,000円~4,500円が一般的です。
■解決策
DIYで施工費の節約ができます。DIYが好きな方は、チャレンジしてみるのもひとつの方法です。使用する資材を含め、1m2あたり約4,300円で施工可能です。しかし、資材の価格に差があるため参考程度になります。安価なものは耐用年数も短くなります。長持ちさせたい場合は安価でないものがおすすめです。
人工芝のメリットは?

人口芝を導入する上ではデメリットを踏まえて、メリットと比較検討して意思決定をしましょう。
維持費がかからない
人工芝は、天然芝とくらべてほとんど維持費がかかりません。天然芝は自然のものであるため雑草が生えてきます。草刈り機でお手入れしたり、肥料を与えたりの手間がかかるため、そのための維持費が必要になります。
一年中グリーンを楽しめる
コンクリートなどで寂しい印象の庭でも、人工芝を敷くと一年を通してきれいなグリーンを楽しむことができます。いっぽう、天然芝を敷いた場合は冬には枯れてしまいます。そのため、見た目があまりきれいな印象とはいえません。
雑草が生えにくく、虫がわきにくい
天然芝のように雑草が生える心配がありません。そのため、雑草を取り除く作業がほとんどないです。雑草がないため虫もわきにくくなります。
場所を選ばすどこでも簡単に敷くことができる
人工芝は敷く場所を選びません。ベランダや駐車場スペースなど、土がない場所でもどこでも簡単に敷くことができます。
子どもが土や泥で汚すことなく清潔に遊ぶことができる
人工芝は、雨が降ったあとでも汚れる心配がありません。子どもやペットも安心して汚れずに遊べます。
天然の芝より人工芝をおすすめな方

天然の芝ではきれいに保つのが難しいと感じている方は、人工芝がおすすめです。天然の芝より人工芝の方がおすすめの方について詳しく解説します。
日当たりが悪く、きれいな天然の芝を保つのが難しいと感じている
日中でも庭に日が当たりにくい立地環境の方におすすめです。天然の芝は自然の植物のため、生育のためには日当たりがよい必要があります。日中ほとんど日陰の場合には、人工芝が向いています。
土のないコンクリートなどに芝生をつくりたい
コンクリートの庭の場合でも、人工芝を敷くことでグリーンの庭をつくることができます。また、駐車スペースにも敷くことが可能です。
一年を通して青々しい芝生を好む
人工の芝であれば、天然の芝生のように枯れる心配がありません。一年中グリーンの庭が好みの方におすすめです。
短時間で手間を掛けずにきれいな庭をつくりたい
人工芝は簡単に素敵できれいな庭づくりを実現できます。しかも、短時間で完了します。
水やり・草むしり・肥料やり・草刈りなどに時間を割けない
忙しい毎日を送っていて、天然の芝の手入れに時間をかけられない方におすすめです。
室内で人工芝を敷くメリット・デメリット

屋外で使用することの多い人工芝を、近年は室内でも敷いて活用する方が増えています。おうち時間が増えたことが理由のひとつに考えられますが、ここでは、室内で活用する場合のメリット・デメリットについて解説します。
室内で人工芝を敷くメリット
子どもの遊び場の転倒防止になる
子どもが自由に遊びまわっても、人工芝はクッション性があるため安心です。ペットを室内で飼う場合にもおすすめします。犬がフローリングの上を走ると滑りやすく、足腰に負担がかかるのを防ぐことができます。また、ゴルフのパット練習にも便利です。
カーペットやラグとしてお洒落を演出できる
最近は多種多様なものが販売されています。ふわふわとした手触りのものや、カラーも選べるため部屋のインテリアに合わせて敷くことが可能です。
防音・防振対策として使用できる
芝の葉が20mm~40mmある人工芝は、防音・防振対策としても一定の効果が期待できます。集合住宅で子どもの走り回る足音などが響き、下の階の住人に迷惑をかけないための対策としておすすめです。
室内で人工芝を敷くデメリット
高価である
人工芝は性能や質や耐久性によりますが、安価なものではありません。また、より本物に似せたものであればあるほど高価です。子どもの転倒防止として使用する場合には、クッション性の高いものがおすすめですが、高価になります。しかし、室内で使用するため雨風や紫外線によるダメージを受けることがありません。そのため、耐用年数よりも長持ちする可能性があります。
掃除がしにくく手間がかかる
人工芝の葉と葉の間に、ほこりやゴミや入り込みます。室内では特に髪の毛が絡まることが多くあります。掃除の際は、毛先が硬めのホウキ、または、ブロワーでほこりやゴミを飛ばしてから掃除機で取り除くなどのコツが必要です。
まとめ
人工芝には多くのデメリットがありますが、解決するための方法についても解説しました。人工芝はメリットもあり、特に多忙な毎日を送る方には面倒な手間がかからずおすすめです。バーベキューをしたり、子どもが庭で水遊びをしたりするなど、人工芝を上手に活用してライフスタイルをより楽しく快適なものにしましょう。
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