床下はあまり見る機会がなく、換気の必要性も分かりづらいです。しかし、快適で安全な住まい作りに、床下換気は非常に重要です。床下の湿気が多いなどの換気が必要な場合は、しっかりと対策をしなければなりません。この記事では、床下換気の必要性、どのような家に換気が必要なのか、換気の方法やメリット・ポイントについて詳しく解説します。
床下換気は必要?

住み続ける上で床下の換気は必要です。ただし、床下はすぐには見えない部分で、どれだけ湿気があるのか分かりづらいデメリットがあります。しかし、一般的に日本は高温多湿になりやすい梅雨の時期があるため、湿気に悩まされることが多いです。床下に湿気がこもると、建物が腐食する原因になったり、シロアリが発生したりします。
また、カビやダニが繁殖しやすくなるため、アレルギーなどの健康に影響を及ぼす可能性も出てきてしまいます。そのため、床下換気は必要不可欠です。床下を換気する方法は主に2種類あります。
床下換気扇
床下換気扇は、ファンによって床下の湿度を調整し、排気口と吸気口を作って空気の循環を促す役割があります。床下換気扇の大きさはさまざまで、取り扱いメーカーも多いです。そのため、希望に沿った商品を見つけやすくなっています。湿度の調整には、換気扇の性能だけではなく、適切な位置に設置することが重要であり、建築段階で採用することも可能です。
床下換気口
床下換気口は、木造住宅で基礎部分に設けられている換気口のことです。床下の湿気を防ぎ、効果的に換気を行うために設置されています。しかし、最近ではデザイン的な問題から見えづらい位置に換気口を設置するのが主流のため、見かけることが少なくなっています。
床下換気が必要な家とは

湿気がたまる家には床下換気が必須です。雨が多い地域や、海に近いなど周囲の環境によっても、湿気の溜まり具合は異なります。まずは、お住まいの地域や住環境などを確認して、床下換気の必要性を検討してみると良いでしょう。
湿気が多い土地に建てられている
水田や湿地地帯に建てられている場合は、そもそも湿気が溜まりやすいため、床下換気が必要となる場合が多いです。また、坂の下などほかの建物と比べて低い場所にあり、敷地内に雨水がよく溜まる場合も、床下の湿気に注意しなければなりません。
風通しが悪い場所に建てられている
隣との距離が近いなど、土地自体が風通しの悪い場所に立っている場合、床下換気が必要となります。隣家だけにとどまらず、周囲全体が近い密集地も同様に、風が通り抜けられるスペースがないため、湿気がこもりやすいデメリットがあります。
風通しを防いでしまっている
住宅に設置されている換気口の前に、荷物やエアコンの室外機が置かれている場合は風通しが良くありません。物が置かれた状態のままだと、風を通すことができなくなり湿度が高くなってしまいます。また、床下に人が入ることができないくらい低い位置に、基礎がある場合も注意が必要です。せっかくの通気口でも低い位置にあると、空気が流れにくくなり、湿気がこもりやすくなってしまいます。
過去に水のトラブルがあった
台風や洪水などで浸水したり、配管の水漏れがあったりと、過去に水による何らかのトラブルがあった場合は注意が必要です。水のトラブルが起こった後に、床下だけはまだ水漏れの跡などが残ったままということも考えられます。跡が残ったままで放っておくと、湿度の高い状態がずっと続いている可能性があるため、床下の湿度対策が必要です。
床下換気の方法
床下換気の方法はいくつかあり、種類によって費用や耐久性も異なります。床下の湿気は分かりづらいですが、業者に依頼して測定することが可能です。高いと判断された場合は、住宅に合った方法で対策をとると良いでしょう。
床下換気扇を設置する
床下換気扇は、床下の風がどのように通るかを計算して、必要な場所に設置します。この設置場所が非常に重要で、誤った場所への設置では費用がかかるだけで、きちんと湿気を排出することができません。特に、重点的に設置をおすすめしたい場所は、湿気が多いトイレや台所などの水回りの下の部分です。
費用は、換気扇の価格と施工代で、メーカーや業者によって価格が変動します。家の面積によって床下換気扇の容量自体が異なってくるため、広い面積であればその分費用も高くなります。床下換気扇の耐久性は一般的に10〜15年ほどですが、取り付け後はそのままにせず、定期的に動きを確認するとさらに安心です。
除湿シート・乾燥砂を敷く
布基礎を施工する場合に利用できる方法として、除湿シートと乾燥砂を床下に敷く方法があります。この二つを用いることで地面から湿気が立ち上げるのを防いでくれます。ベタ基礎の場合は、厚いコンクリートで全て覆うためこの方法を用いることはありません。
もしも、後から布基礎の家に敷きたいといった場合は、床下に人が入れる高さがあれば施工は可能です。ただし、人が入れるスペースがないほど低い場合は、大がかりなリフォームの際に同時に行うことで施工がしやすくなります。
床下調湿剤を撒く
最も手軽で、費用も安い方法として床下調湿剤を敷く方法があります。床下調湿剤は、湿度が高い時には吸収し、乾燥しているときは排出する働きを持っています。しかし、あまりにも湿度が高い場所では機能せず、向き不向きがあるため注意が必要です。
また、効果が持続する期間が長いわけではないため、長期間の効果を期待する場合は他の方法をおすすめします。費用は高くなりますが、マットタイプの床下調湿剤もあります。水回りなど、湿度が高いところだけをメインに使用することも可能です。床下調湿剤は、家の状態や費用に合わせて検討すると良いでしょう。
床下換気口がある場合
床下換気口は、木造住宅にはほとんど設けられています。しかし、家の作りや周囲の環境により、効率の良い換気が行われていない場合もあります。特に水回りの下は床下換気口があっても、湿度が高くなってしまうことが多いです。室内で家の湿気を感じやすい場合は、床下換気口だけでは足りていないと考えられます。その場合は、床下換気扇などの強制的な換気が必要なため検討することが望ましいです。
床下換気をすることで得られるメリット

床下換気をすることでさまざまなメリットがあります。特に床下換気扇を取り付けることで得られるメリットは大きいです。湿気によって家が傷み大掛かりな修理をしたり、買い替えしたりするリスクを減らすこともできます。結果的に、家の寿命が伸びることにもつながるのです。
湿気をとりカビの繁殖や木材の腐朽を抑える
床下換気扇を取り付ける最大のメリットは、湿気を取り除いてくれることです。さらに、風の通りをよくして換気もしてくれます。湿気があることで菌が増殖し、木材を腐らせて家自体の強度を弱めてしまう恐れがあり、家に深刻なダメージを与えかねません。そのため、湿気を取り除くことは、安全に住み続ける上でも非常に重要なことです。また、床下換気扇には、カビや雑菌を増やす原因となり得る結露を乾かす効果もあります。
シロアリなどの害虫対策になる
シロアリなどの害虫は高温多湿の場所を好みます。そのため、床下の湿度が高いとシロアリの被害に悩まされてしまうのです。床下換気扇を設置すれば、害虫が住みづらい環境となるため予防に期待ができます。ただし、床下換気扇を設置するだけでは害虫全てがいなくなるわけではありません。換気扇のパワーや設置場所によっては、大きく違いが出てくるため、頼りすぎないことも大切です。
人体への悪い影響を抑えて健康を守る
床下からカビ臭さなどが室内に入ってくることを抑えることができます。さらに、ハウスダストなどのアレルギーはダニやカビが原因となることが多いです。床下換気扇を設置すると、ダニやカビの繁殖を抑えることにつながり、住んでいる人の健康を守ることができます。特に小さなお子様や年配の方がお住まいの場合は、床下の環境作りが非常に大切です。
床下換気扇を設置する際のポイント
床下換気扇を検討する際にはポイントがあります。ただ設置するだけでは意味がないため、効果をしっかり出すために気をつけたいポイントを2つご紹介します。
床下換気扇は設置場所によって効果が変わる
床下換気扇は、その設置場所が非常に重要です。設置するだけで効果を発揮するわけではないため、設置位置には十分に注意をしてください。取り付けの際は、業者に任せるだけではなく、自分の目で確かめることも大切です。空気の循環がうまくできているかなど、わからない点はしっかりと業者に確認するようにしましょう。
リフォーム会社の選び方に注意
床下換気扇を取り付ける際は、取り扱うリフォーム会社をしっかりと見極める必要があります。必要以上に台数を設置したり、追加を迫ったりする悪徳業者も中には存在します。選ぶ際には、複数社のリフォーム会社に見積もりを依頼し、費用や内容の確認をしっかり見比べて選ぶことが重要です。
まとめ
快適で安全な住まい作りには、床下の環境が非常に大切です。普段は見えづらい場所ですが、家の中がカビ臭い、湿気の多い地域に建っているなど思い当たる節があれば、設置を検討しましょう。床下換気の方法はいくつかあるため、ご自宅にあった方法を選択することが重要です。
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