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床下換気扇の設置は無意味?メリットや効果的な設置方法も紹介

2023年06月15日
日本家屋の床下換気口を調査する作業員

床下換気扇は湿気・害虫対策に役立つ換気扇です。しかし、床下換気扇の設置は無意味であると耳にし、導入を迷っている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、床下換気扇の役割、メリット、無意味だと感じる理由、効果的な設置方法、床下換気扇の種類・費用について紹介します。

床下換気扇の役割

床下環境のイメージ

床下換気扇とは、床下の空気を循環させ、湿気を外に排出する役割をもつ換気扇のことです。ファンの回転によって風が通りにくい床下に風を起こし、空気の流れをつくります。風とともに床下に溜まった湿度が排気口から排出されることで、床下の湿度が調節されます。

床下換気扇はさまざまなメーカーから販売されており、種類が豊富です。吊り下げるタイプや据え置きタイプ、運転音が小さいもの、風力が強いもの、湿度センサーが付いたものなど、多種多様なタイプがあります。床下の広さや必要な性能を考慮し、適した床下換気扇を選ぶようにしましょう。

床下換気扇を設置するメリット

床下換気扇を設置して湿度を下げることで、さまざまなリスクの解消が可能です。害虫や木材の膨張・腐食、カビ・ダニに困っている場合は、床下換気扇を設置すると症状が緩和される可能性があります。

ここでは、床下換気扇を設置するメリットについて詳しく紹介します。

害虫対策になる

湿気の多い環境は、シロアリやムカデ、ゴキブリなどの害虫が住み付きやすくなります。シロアリが住み付くと、木材や家の土台部分をかじってボロボロにするため、放置すると危険です。ムカデは家の中に侵入してくる可能性があり、噛まれるなどの被害が発生するおそれがあります。ゴキブリは繁殖力が強く、病気の原因となる雑菌や細菌を持ち込む危険があります。

害虫が増加しないようにするには、床下の空気を循環させ、湿度を下げることが有効です。床下換気扇を設置すれば換気率が上がり、害虫が住みにくい環境を維持できます。

木材の膨張・腐食を防ぐ

木材は湿気を吸うと膨張するため、戸やふすまなどの開閉がスムーズに出来なくなる可能性があります。症状がひどくなれば、戸やふすまを新しいものに変える必要が出てくるでしょう。また、湿度が高いと腐朽菌が繁殖し、木材が分解されて腐ってしまいます。家の強度が低下し、倒壊するリスクが高まるため注意が必要です。

床下は温度差が激しく、1年中結露が発生しやすい場所です。床下換気扇を設置して柱などの木材部分に強い風を当てれば、結露で湿った木材を乾かし、含水率を下げることができます。床下換気扇は、住宅を長持ちさせるために有効な手段です。

カビやダニによる健康被害を防ぐ

湿気がこもるとカビが発生しやすくなり、カビをエサとするダニも繁殖します。カビやダニのフン・死骸が体内に入り込むと、鼻炎やぜんそく、皮膚炎、目のかゆみなどを引き起こします。また、のどの乾燥や頭痛、吐き気などの症状が出るシックハウス症候群になる可能性もあるため、健康被害を防ぐための対策が必要です。

室内の気密性が高いと換気不足に陥り、健康被害が出やすくなります。湿っぽい部屋がある、カビ臭い場所があるなどの場合は注意が必要です。

床下換気扇を設置すれば換気されて湿度が下がり、カビ・ダニの発生を防いで健康被害防止に役立ちます。家族に子どもやお年寄りなどの抵抗力が弱い方がいる場合は、床下換気扇の導入を検討すると良いでしょう。

床下換気扇は無意味?効果を感じにくいケース

洋式トイレ

床下換気扇が無意味だと感じる場合、稼働時間が短かったり、設置場所が悪かったりする可能性があります。床下換気扇は、設置するだけで安心というわけではありません。効果を感じにくいケースを知って、床下換気扇を設置する際の参考にしましょう。

短時間の稼働

床下換気扇で広い床下全体にまんべんなく風を送るには、ある程度の時間がかかります。十分な効果を実感するには、床下換気扇を最低でも1日6時間は稼働させておく必要があります。設置しても効果を感じられないと思ったときは、稼働時間を長くしてみましょう。

設置場所が悪い

トイレや浴室などの水回りは一つひとつの部屋が細かく区切られているため、リビングなどの広いスペースに比べると空気が循環しにくい傾向にあります。床下換気扇を設置する場所によっては、風をうまく送れず湿気を排出できないため、効果を感じにくくなるでしょう。ただ床下換気扇を設置するだけで湿度が調整できるわけではないため、設置場所には注意が必要です。

床下換気扇の効果を無意味にしないためのポイント

床下換気扇の効果を実感するには、効果的な位置に設置し、床下に溜まった空気をスムーズに排出できるようにすることが大切です。ここでは、具体的な設置場所や空気を排出するポイントについて紹介します。

水回りの床下や家の北側に設置する

床下換気扇は、風が通りにくい水回りや家の北側に設置するのがポイントです。水回りは部屋が区切られているため空気が循環しにくく、家の北側は日当たりが悪いため湿気がこもりやすい傾向にあります。

設置するときは風の通り道を計算し、湿気がスムーズに外に排出されるようにしましょう。家の南側から新しい空気を取り込み、北側から湿った空気を排出できる配置がおすすめです。水回りにも床下換気扇を1台設置しておくと良いでしょう。

なお、設置工事はリフォーム会社だけでなく、シロアリ駆除などの床下工事を専門とした業者にも依頼できます。依頼の際には、家の間取りや日当たりを考慮して設置してもらうようにしましょう。

排気口の近くにものを置かない

排気口とは、床下に湿気がこもらないようにする役割を持つ通風穴です。排気口の近くに室外機などが置かれていると、風の通り道が塞がれて湿気がうまく排出できず、効果が見込めなくなります。排気口の近くにはものを置かないように気を付けましょう。

また、雑草なども排気口を塞ぐ原因となります。床下換気扇を設置するタイミングでチェックし、雑草を抜いておきましょう。

床下換気扇を設置した方が良い家の特徴

雨水がたまりやすい土地のイメージ

自宅が立地している場所や周囲の環境、水害の有無などによっては、床下に湿気がこもりやすくなる場合があります。お住まいの住宅が以下の特徴に当てはまる場合は、床下換気扇の設置がおすすめです。

家・土地の特徴 湿気がこもりやすい理由
以前は田んぼや湿地だった もともと田んぼや湿地だった場所を埋め立てている土地は、雨水などが溜まりやすい。地面に含まれた水分が蒸発し、床下に湿気がこもりやすくなる。
隣家が近い、家が密集している 家と家の距離が近いと風通しが悪くなるため、空気が循環せず湿気がこもりやすくなる。
周囲よりも土地が低い 土地が低い場所は、周囲の高い土地から水が流れてくるため、湿気がこもりやすい。
雨水がたまりやすい 雨水がたまってなかなか乾かない場所は、水はけが悪い可能性がある。水はけが悪いと床下に湿気がこもりやすい。
台風や洪水で浸水したことがある 過去に浸水したことがある場合、地面や木材が大量の水を吸うため、床下の湿度が上昇する。乾くまでに時間がかかるため、長期間湿度が高い状態が続く。
床下面積が狭い 昔に建てられた住宅は、床下面積が狭いことが多い。空気が循環しにくいため、湿気がこもりやすくなる。

上記の特徴に1つでも当てはまるならば、床下換気扇を設置した方が良いでしょう。害虫やカビなどのリスクを招きやすい環境のため、湿気を防止する対策が必要になります。排気口だけで湿気を取り除くのは難しいため、床下換気扇を設置して効率よく空気を循環させましょう。

床下換気扇の種類

床下換気扇には、給排気型・拡散型・攪拌型の3タイプがあります。給排気型は空気の入れ替えが目的の換気扇です。外から空気を取り込み、床下の空気を外へ排出するため、排気口の近くに設置します。

拡散型と攪拌型は、強い風で空気をかき混ぜて循環させるのが役割です。湿気がこもりやすい場所に設置することで空気の流れを良くします。給排気型と拡散・攪拌型を組み合わせることで、空気がスムーズに流れて湿気がこもらなくなります。

床下換気扇は、必要以上に台数を増やしても効果が高くなるわけではないため、適切な設置台数を知っておくことも大切です。適切な設置台数を知っておけば、業者に不必要な台数の設置を勧められてもおかしいと気付くことができます。設置台数は、30坪ほどの広さであれば2〜4台ほどが良いでしょう。

床下換気扇の設置・運用にかかる費用

工事代金のイメージ

床下換気扇の費用は、取り付け費用も含め、現地調査費、養生材料費、床下の点検、配線工事などさまざまな作業が発生するため、40~50万円ほどかかります。業者によって施工費用が異なるため、相見積もりを取ってかかる費用を比較すると良いでしょう。

電気代は1か月で100~200円程度であり、そこまで高くありません。太陽光で発電して稼働するソーラーファンであれば、電気代を抑えることができます。

床下換気扇の寿命は10~20年のため、設置する際は本体価格や施工費用だけでなく、機能性やランニングコストを総合的に見て決めるのがおすすめです。

まとめ

床下換気扇は、空気を循環させて湿気を外に排出することで、害虫や木材の腐朽、カビなどを防ぐ効果があります。しかし、使い方によっては無意味だと感じてしまうケースもあるため注意しましょう。効果を発揮するためには、水回りや家の北側に設置し、排気口を塞がないようにすることがポイントです。床下換気扇は種類がいくつかあるため、特徴を知って目的に合ったものを導入するようにしましょう。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

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