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床下に防カビ対策は必要?放置するリスクや工事内容・費用を解説

2023年06月15日
床下が高湿度になっているイメージ

床下は普段意識することがない場所ですが、カビが繁殖しやすいためさまざまな問題を引き起こします。被害を拡大させないためには、防カビ対策が重要です。この記事では、床下に防カビ対策が必要な理由、放置するリスク、カビが生えやすい家の特徴、除カビ・防カビの工事内容と費用について紹介します。

床下に防カビ対策は必要?

梅雨時期のイメージ

日本は他の国に比べて降水量が多く、カビが発生しやすい環境です。湿度が60%以上になるとカビが発生し、70%以上で活性化するため、特に梅雨の時期に繁殖します。床下は常に湿度が高くなりやすいため、防カビ対策をしないと床下全体にカビが繁殖してしまうでしょう。

カビが発生する条件

カビは、湿度・適度な温度・栄養分・酵素の4つが揃うと発生します。床下は4つの条件を満たしやすい環境のため、気付かないうちにどんどん繁殖します。現代の住宅は高気密・高断熱なため、湿気がこもりやすくカビが発生しやすい傾向にあります。カビを発生させないようにするには、風通しを良くするなどの対策が必要です。

床下にカビが生えているかチェックする方法

床下を直接確認するのは大変ですが、カビが生えているか簡易チェックする方法はあります。以下のような症状があるかどうか確認してみましょう。

  • 家の中にカビ臭い場所がある
  • 畳を触ると湿った感じがする
  • 畳にカビが生えている
  • 押入れにしまった布団やシーツが湿っている
  • クローゼットにしまった衣類にカビが生えている
  • 床が沈んでいたり、ブカブカしたりする
  • 水回りに貼ったタイルが剥がれている
  • 庭の土が湿っており、塀に苔が生えている
  • 床下の排気口の周囲が雑草や室外機などで塞がれている
  • 土地が低く雨水が流入し、水はけが悪い

上記の症状が1つでも当てはまれば、カビが生えている可能性があります。業者に依頼し、床下を点検してもらいましょう。

カビを放置すると発生するリスク

多少カビが生えるのは仕方がないとはいえ、カビを放置するのは非常に危険です。カビは健康や家の耐久性に大きな影響を与える可能性があるため、繁殖する前に対処するようにしましょう。

ここでは、カビを放置すると発生するリスクについて詳しく紹介します。

部屋がカビ臭くなる

床下にカビが繁殖すると、1階の部屋や押入れがカビ臭くなることがあります。カビ臭さの原因は、カビが繁殖時に出す老廃物であり、雑巾や絵の具、墨のような不快な臭いがするのが特徴です。部屋がカビ臭くなれば、臭いが気になって物事に集中できなかったり、睡眠不足に陥ったりするリスクがあります。

カビが原因で健康被害が出る

カビの胞子を吸い込むと、さまざまな健康被害を引き起こす可能性があります。くしゃみや鼻づまりなどの症状が出るアレルギー性鼻炎、風邪に似た症状の過敏性肺炎、気管支ぜんそくなどになる危険もあるため注意しましょう。また、水虫もカビが繁殖することで発症する症状です。気密性が高い家に住んでいる場合、鼻水・吐き気・頭痛などを引き起こすシックハウス症候群になる可能性もあります。

シロアリが発生する

カビが発生する高温多湿の環境はシロアリも好む環境のため、シロアリが繁殖する可能性があります。シロアリは家の柱や基礎部分をかじってボロボロにするため、家の強度が落ちるリスクがあります。知らずに放置すると家の寿命が短くなり、地震などで倒壊しやすくなるため大変危険です。

カビによって腐朽菌が発生しやすくなる

腐朽菌は木材を腐らせる菌であり、含水率が20%を超えると発生しやすくなります。カビが大量発生して木材を覆うことで、木材の含水率が上昇して腐朽菌が発生しやすくなります。特に30℃前後がもっとも発育に適しているため、高温多湿になりやすい床下は注意が必要です。繁殖すれば多くの木材が腐り、耐久力が下がって家の寿命が短くなります。

床下に防カビが必要な家の特徴

防カビ対策が必要な例

住んでいる土地や家の素材によっては、特にカビが生えやすくなる場合があります。以下で紹介する家の特徴に当てはまる場合は、防カビ対策を施すようにしましょう。

もともと田んぼや沼地だった

もともと田んぼや沼地だった場所は、土に湿気を多く含んでいます。その土地に家を建てると、他の場所に比べて水分の蒸発量が多いため、カビが生えやすくなります。

漏水したことがある

トイレやお風呂の配管の老朽化などが原因で、過去に漏水したことがある場合はカビが発生している可能性があります。特に汚水管・排水管から漏水すると、栄養を含んだ水分を壁が吸ってカビが繁殖しやすくなります。壁全体にカビがはびこると、壁を取り壊さなければならなくなる事例もあるため注意しましょう。

床上・床下浸水したことがある

台風や洪水などの自然災害によって床上・床下浸水したことがある場合は、カビが発生しやすくなります。水が引いて乾燥したように見えても、菌が繁殖してカビの発生へとつながります。床下は普段目につかず、カビが発生していても気付きにくい場所ですが、浸水したらすぐに対策を施すようにしましょう。

基礎部分がコンクリートでできている

基礎部分に使われるコンクリートは、砂利とセメントに大量の水を混ぜ合わせ液状にして使用され、化学反応によって固まります。コンクリートに含まれた水分は徐々に蒸発しますが、特に最初の1年は水分が大量に蒸発するため、床下の湿度が上がってカビが発生しやすくなります。湿度の上昇を抑えるためにも、防カビ対策が必要です。

床下を除カビ・防カビする方法

床下を除カビ・防カビする方法のイメージ

カビは自然に消滅することはないため、放置は厳禁です。カビは一度発生するとどんどん繁殖し、除カビ・防カビ工事をしない限り取り除くことはできません。作業は個人では難しいため、業者に依頼しましょう。

ここでは、除カビ・防カビの作業手順について詳しく紹介します。

カビの範囲を調査する

床下に潜り、カビの範囲が全体なのか部分的なのかを調査します。床下が狭く潜るのが難しい場合は、床をはがすこともあります。手間と費用がかかりますが、カビの見落としを防げるのがメリットです。

また、カビの範囲を調べるのと同時に、漏水がないか、湿度は適切かどうかも確認します。

除カビ・防カビを行う

カビの範囲が分かったら、専用の薬剤を使用してカビを除去します。換気するだけ、調湿材を置いただけではカビはなくならないため、必ずカビを取り除きましょう。床下の土壌にもカビが生えている場合は、土を取り除かなければならないケースもあります。

カビを除去できたら、カビの繁殖を防ぐために防カビ剤でコーティングします。人体への影響を考慮し、害のない防カビ剤が使用される場合がほとんどです。

カビが発生しにくい環境を整える

カビが発生する可能性をさらに下げるために、防カビ対策を施しましょう。防カビ対策をすれば、湿気を好むシロアリの発生を防いだり、腐朽菌の繁殖を防いだりすることもできます。

防カビ対策には、床下換気扇・防湿シート・床下調湿材の設置を行う方法があります。

床下換気扇

床下換気扇は、ファンの風によって床下の空気を循環させ、湿度を外に逃がす効果があります。水回りの床下や家の北側など、湿気がこもりやすい場所に設置するのがおすすめです。設置場所が悪いと効果を存分に発揮できないため注意しましょう。

30坪ほどの住宅ならば、2~4台の床下換気扇を設置すると効率的に湿度調整ができます。

除湿シート

防湿シートは、地面の上に敷いて土壌からの湿気を防止する役割を持つシートです。厚さは0.1~0.2mmで、ポリエチレン製やEVA樹脂製のシートが主流となっています。床全面に施工すると非常に効果的です。

床下調湿剤

床下調湿剤は、湿度が高いと湿気を吸い、低いと湿気を吐き出して湿度を調整する効果があります。繰り返し吸放湿を行うため、半永久に効果が続くのが特徴です。代表的な素材には、ゼオライト・シリカゲル・竹炭の3つがあります。

ゼオライトは、表面に目に見えない穴が開いた天然素材で、吸湿性と脱臭力に優れています。シリカゲルは食品の乾燥剤に使われていることも多い素材で、湿気を吸っても濡れないのが特徴です。竹炭は吸湿性が高く、消臭・防虫・防菌効果があります。

床下調湿剤は湿度の調整に優れていますが、湿度が異常に高い場所に設置すると調湿剤にカビが生えることもあるため注意しましょう。

除カビ・防カビ工事の費用相場

工事代金のイメージ

除カビ・防カビ工事の費用は、1㎡あたり4,000〜5,000円ほどかかります。総費用はカビが生えている面積によって大きく異なりますが、仮に30坪の床下全面に除カビ・防カビを行うとする場合、40万円程度かかります。業者によっては、点検費用や出張費が加算される場合もあるため、依頼する際はきちんと確認しておきましょう。

除カビ・防カビの優良業者の見分け方

市販のカビ取り剤でカビを完全に除去することは難しいため、作業は業者に依頼するのがおすすめです。プロならばカビが生えている場所を徹底的に調査し、市販の防カビ剤よりも効果が高い薬剤で施工してくれるため、カビを完全に除去できます。

ただし、中には悪徳業者もいるため、業者選びは慎重に行うことが大切です。2~3社に相見積もりを取って、工事内容と費用が見合っているか確認しましょう。防カビコーティングを行わない業者もあるため、工事内容にコーティングも含まれているか確認することも大切です。また、質問をした際に的確に答えてくれるか、再発防止のアドバイスをしてくれるかどうかを判断基準にするのも良いでしょう。

まとめ

日本はカビが生えやすい環境であり、カビを放置すると健康被害やシロアリなど、さまざまなリスクを招く可能性があります。被害を拡大させないためには、除カビ作業と防カビ対策が必要です。カビが生えやすい家に住んでいる、気になる症状があるなどの場合は、業者に依頼して早めに対応するようにしましょう。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

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