サイディングとは、住宅の外壁に使う板材のことです。
家を建ててから年月が経ち、外壁のリフォームを検討している方もいると思います。しかし住まいの外観は、印象に大きな影響を与えるのでどうしようかと迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではサイディングについて解説していきます。リフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてください!
サイディングとは?

サイディングとは、外壁材の一種を指します。板状の装材で仕上げ材として使われており、サイディングボードと呼ばれることもあります。耐久性や断熱性などに優れ、住宅の外装材として過半数の普及率です。サイディングは基本的に工場で生産されるため、品質が安定しており工期の短縮が可能です。
一方、モルタルという外壁材もあります。モルタルはセメントと砂を混ぜて水で練った素材です。左官職人を見たことがあるかと思いますが、あのように職人が手作業で塗っていきます
サイディングは完成している板を合わせていきますが、モルタルは職人が壁に塗っていく(塗り壁)施工方法と覚えてください。
サイディングの特徴
国土交通省は「家屋及び家庭関連被害における津波被害率設定の考え方」の中で、住宅メーカーや建築設計事務所から浸水家屋の事例や補修内容をヒアリングしました。
その結果サイディング系の外壁については、浸水による交換が必要になるほどの劣化や損傷は生じなかったそうです。ただし、漂流物の衝突などの物理的な作用では、サイディングが剥がれた事例もあります。その場合は補修・交換が必要とされています。
一方、モルタル・木質系の外壁では下からあがってくる水が、防水シートの隙間から入り、下地材に水がしみこんでふけてしまう恐れがあるため、浸水した範囲の交換が必要とされています。
このことからも、サイディングは防水性・耐水性に優れていることがわかります。
サイディングの耐用年数

サイディングは耐水性に優れているとお伝えしましたが、それは表面の塗膜があるからです。この塗膜が劣化して雨水が浸水すると、サイディング自体も劣化してさまざまな症状が起こります。サイディングが劣化した場合、チョーキング現象と呼ばれる壁に触ったときに白い粉がついたり、サイディングボード自体が剥がれる可能性があります。塗膜は一般的に5-7年程度で劣化するといわれています。
サイディングの耐用年数は素材の種類によります。
窯業系サイディング市場シェア50%を超えるニチハ株式会社によると、シリコンアクリル塗装などの高耐候性塗料の総称である「ハイパーコート」の場合、期待耐用年数は15年-20年です。
サイディングの種類
サイディングには大きく分けると4種類あります。それぞれに特徴があるので、選ぶ際の参考にしてください。
窯業系サイディング
窯業(ようぎょう)系サイディングは、多くの住宅で使用されています。日本サッシ協会の調べによると、戸建住宅市場における外壁材素材別シェア(2018年調査)で全体の78.3%を占めています。
窯業系サイディングはセメント質原料と繊維質原料、混和材を成型して養生、硬化使用した建材です。防火性が高く種類が豊富でデザイン性に優れているため、最も人気を集めています。
金属系サイディング
金属系サイディングは、戸建住宅市場における外壁材素材別シェア(2018年調査)で3.7%を占めています。金属系サイディングの一種であるアルミサイディングが8.8%なので、合わせると全体の12.5%を占めています。窯業系サイディングの次に人気です。
金属系サイディングにはガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの素材が使用されていることが多いです。金属系サイディングは、軽量化されており耐震性に優れている特徴があります。
木質系サイディング
木質系サイディングは、木材を使用しています。天然木を塗装しているので、温かみのあるナチュラルな外壁が好みの方におすすめです。木質系サイディングには断熱性に優れている特徴がありますが、価格は高い傾向です。ウッドショックの影響もあり、今後も値上がりが予想されます。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、日本ではそれほど馴染みがありませんが、アメリカでは多くの住宅で使用されています。塩化ビニル樹脂を原料としており、耐久性があり天候に左右されにくい特徴があります。遮音性はそれほど高くありません。樹脂系サイディングには、シーリング(コーキング)が使用されていないものもあるので、メンテナンスが必要ないケースもあります。
サイディングのメリット・デメリット

続いてサイディングのメリットとデメリットについて紹介します。ここでは主流である窯業系サイディングを想定しています。
サイディングのメリット
最初にも記載しましたが、サイディングは基本的に工場で生産されるため、品質が安定しているメリットがあります。サイディングボードを取り付ける「乾式工法」という施工方法でおこなうので、工期が短く工事価格が安いメリットもあります。
さまざまな種類の色や質感のものがあるので、自分のイメージ通りの外観デザインにすることが可能です。
また塗り壁に比べると、耐天候性や耐水性に優れており経年劣化しずらいところも魅力のひとつです。
サイディングのデメリット
サイディングには定期的なメンテナンス対応が必要です。欠けてしまっていたり、汚れてしまった場合はパテで部分的に埋めたり張替えや補修をおこないます。シーリング部分(つなぎ目部分)にひび割れや汚れが発生した場合にも補修や洗浄が必要です。
補修や洗浄にはコストがかかるので、こまめにメンテナンス費用がかかるデメリットがあります。建物の状態やサイディングの素材にもよりますが、サイディングの外壁塗装は新築で5-10年程度経ったら塗り替えが必要になります。あくまで目安として参考にしてください。
サイディングの費用
サイディングの費用は素材や商品、業者によって異なります。この記事では国土交通省の資料から費用感をお伝えします。
一戸建て住宅でサイディングの上貼りをした場合、200〜250万円(300万円)程度です。
※塗装なら10年ごとに60万~100万、外壁材なら30年ごとに180万~300万程度。
国土交通省の資料にある、具体的な施工事例を挙げます。
延べ面積が約130㎡の2階建て住宅で雨漏りが発生。外壁サイディング目地のシーリング劣化による硬化、伸縮亀裂等により、降雨時に亀裂目地等より浸水し、サッシ周辺から室内に漏水してしまいました。
そこで住宅周りに足場を作り、サッシ周りのサイディング目地シーリングの打ち替えを実施。サッシ周りについては、取り外したうえで確認してサイディングを再塗装しました。
この工事内容で足場代を含めて、110万円となっています。
サイディング まとめ
サイディングはコストパフォーマンスが良く、耐久性や断熱性などに優れ、過半数の住宅の外装材として普及しています。サイディングなどを使用する外壁リフォームはリフォーム会社がおこないます。
カインズでも外装リフォームを承っております。お見積りは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。