ウッドデッキを設置しようと思った場所に、エアコンの室外機がすでに設置されている場合があります。「ウッドデッキの上に室外機をのせても大丈夫なのか」「うまく目隠しをする方法はあるのか」「室外機は自分で移動できるのか」など、気になる方は多いでしょう。
そこでこの記事では、ウッドデッキと室外機の共存の仕方や室外機の移動方法、移動する場合の注意点などを解説します。

ウッドデッキの上に室外機を設置できる?
結論をお伝えすると、ウッドデッキの上に室外機は設置できます。ウッドデッキは、60 cmの雪が積もっても耐えられる強度になっているためです。積雪荷重60cmをkgに換算すると、1㎡あたり180kgに耐えることができる計算です。一般的な家庭用エアコンの室外機は重くても40 kg程度のため、ウッドデッキに室外機を設置することは可能といえます。

ウッドデッキと室外機を共存させる方法

ウッドデッキと室外機を共存させる3種類の方法をご紹介します。
ウッドデッキの上に置く
ウッドデッキの上に室外機を設置することはできます。木製のウッドデッキと金属の室外機は質感がかなり異なりますので、それが気にならなければ一番簡単な方法としておすすめします。ただし、業務用エアコンや家庭用エアコンの2台置きは、重量オーバーとなる可能性がありますので避けましょう。
ウッドデッキをくり抜く
室外機のサイズに合わせてウッドデッキの一部をくり抜けば、室外機を動かさずにウッドデッキを設置することができます。室外機が邪魔にならないので室内への出入りがスムーズとなり、室内から続く第二のリビングとして活用できるスペースを十分に確保できます。
室外機を室外機カバーで目隠しする
ウッドデッキの雰囲気を損ないたくない場合は、無機質な室外機を木製の室外機カバーで覆う方法があります。美観をたもてますし、天板にお花の鉢植えを飾ることも、ベンチとしても利用できます。また、室外機カバーをつければ直射日光を遮ってくれるため、省エネや電気代の節約につながります。室外機に直射日光が当たって室外機が熱を持つと、その熱を排出するためのエネルギーが必要となります。その結果、電気代が高くなるため、カバーによって光熱費を節約できるのです。

ウッドデッキ設置時に室外機を動かす注意点

室外機を移動しなくて済むのであれば、それに越したことはありません。室外機について詳しい情報を持っていないと故障させる恐れがあるからです。自分で動かさずに専門家にお任せすることをおすすめします。
うかつに自分で動かさない
室外機をちょっと移動させるだけでも故障する場合があります。大きな原因はガス漏れです。たとえば、エアコンの中では「冷媒」と呼ばれるガスが、室外機と室内機の間にある配管を通していったりきたりしています。冷房の場合は室内の熱を外に運び、暖房の場合は外の熱を室内に運びます。
何も知識がないまま室外機を動かして配管の変形や破損が起きると、冷媒ガスが抜けてエアコンが効かなくなります。また、室内機と室外機の距離が離れすぎても、エアコンの性能を下げてしまうことがあります。室外機の移動には、ガス抜きや配線移動などの工事が必要となる場合もありますので、専門知識を持つ電気業者に頼んだほうが安全です。
配管の延長作業が必要になる
室外機を移動する場合は、室内機とつながっている配管の長さが不足する場合があります。その際は、配管延長作業が必要です。配管を延長すれば「延長作業代」がかかります。また、露出した配管を覆って劣化を防ぐ「配管化粧カバー」の追加費用もかかります。
「配管化粧カバー」をつけない場合は、「テープ巻き上げ」と呼ばれる工法で仕上げますが、配管をテープでぐるぐる巻きにする簡易な方法です。テープは雨風や日照条件によって2~3年でボロボロに劣化してエアコンの効きも悪くなるので、「配管化粧カバー」をつけることをおすすめします。また、業者によって費用が変わるので、複数社から見積もりをとって相場を確認したほうが安心です。
近隣住宅に配慮する
せっかく室外機を移動しても、近隣住宅の方から「室外機の場所を変えてほしい」と依頼されることはよくある話です。近隣住宅の室外機から自宅に向かって風が当たることを想像すれば、生活に支障がなくてもあまりよい気分はしないでしょう。
クレームになると室外機を再び移動しなければなりませんので、設置場所について事前に近隣住宅の了承を得たほうが無難です。特に、住宅が密集したエリアや設置場所が限られている狭小住宅の場合は、きちんと説明して了承を得ることをおすすめします。
移動先を確認する
室外機は日陰に設置することが理想とされています。直射日光が当たると室外機の温度が上昇し、エアコンの効きが悪くなり、電気代もかさんでしまいます。日陰がない場合は、できるだけ直射日光が当たりにくく、風通しのよい場所に設置しましょう。
また、室外機カバーやすだれを活用して日よけ対策を行うこともおすすめします。室外機の上に貼る遮熱シールも販売されていますので、検討してみてはいかがでしょうか。なお、移動先は室外機の吹き出し口をふさがない場所を選んでください。吹き出し口がふさがれると放熱の妨げとなって、エアコンの効きが悪くなります。
安定した地盤に置く
室外機は室内機よりも重さがあります。地盤が不安定だとバランスを崩してしまいますので、土や砂利の上、傾斜のある地面などへの設置は避けましょう。また、日本は地震大国であり、どこに住んでいても地震のリスクにさらされます。地震の揺れによって室外機が倒壊するリスクがありますので、安全を守る上でも安定した地盤に設置することが大切です。
また、土や砂利の上に設置すると錆びやすく、劣化を早めてしまいます。地盤の上に土台となるブロックや専用のゴムを敷いて設置することをおすすめします。
点検や修理がしやすい場所に置く
エアコンをフル稼働させる夏や冬は、エアコンに大きな負担がかかるため壊れやすくなります。たとえば、ガス漏れが起きると配管の周囲がびっしりと霜で覆われてエアコンが効かなくなります。そうした場合には、漏れ箇所の修理や冷媒ガスの充填が必要です。
室外機は目立つ場所に設置すると自宅の外観を損なうため、目立たない狭い場所を選んで設置する人も多いでしょう。しかし、室外機の点検や修理の作業スペースは確保しておいたほうが便利です。設置することに気をとられて盲点になりやすい観点ですので、忘れないようにしましょう。

ウッドデッキ施工の依頼先

ウッドデッキの施工ができる業者をご紹介します。まずは「ウッドデッキをくり抜いて設置したい」「室外機を室外機カバーで目隠ししたい」など、どう室外機を設置したいかを考えましょう。その上で、業者に実現可能かどうかを確認すると依頼がスムーズに運びます。
ウッドデッキの施工実績が豊富で、希望の形状・材質・大きさ・デザインに細かく対応してくれます。なかには、専門とは名ばかりの業者もいますので、実績をしっかり確認しましょう。
家をつく職人が施工する点で、信頼度や信用度が高いといえます。ただし、家づくりは得意でも、ウッドデッキの施工に慣れていない職人もいます。こちらも実績を確認しておきましょう。
自社ブランドの家づくりを行う企業ですので、ブランド価値を維持する誠実な施工が期待できます。信頼や信用は最上級といえますが、価格は高めです。
ウッドデッキは庭の空間をつくる外構の一つです。外構づくりの専門業者ですから、庭全体のバランスや雰囲気に配慮してウッドデッキを施工してくれます。施工写真を見せてもらえば仕上がりのイメージが持て安心です。

ウッドデッキ施工業者の選び方
ウッドデッキの施工は、ウッドデッキ専門の職人がいるウッドデッキ専門業者に依頼することをおすすめします。なぜなら、大工経験や外構工事の知識だけで、耐久性のあるウッドデッキを施工できないからです。ここでは、信頼できるウッドデッキ専門業者の選び方をお伝えします。
ウッドデッキ用の加工・施工要領がない業者は、家を建てる職人が我流の施工をしている可能性があります。ウッドデッキは風や雨にさらされる場所で使用するため、家づくりとは別の専門知識が必要です。
ウッドデッキ専門ではない職人は、木材に対する知識や経験が不足しています。木材の反りやねじれを矯正しながら美しいウッドデッキを仕上げることができるのは、ウッドデッキ専門の職人ならでは技術によるのです。

まとめ
ウッドデッキの設置を検討する際に、見落としがちなのがエアコンの室外機です。エアコンは生活に欠かせないものであり、撤去するわけにはいきません。
そのような時は、ウッドデッキの上に室外機をのせる、地面に設置したままウッドデッキをくり抜いて設置する、ウッドデッキの上にのせて室外機カバーで目隠しをするなどの方法があります。ご自分の優先事項に合わせて、最適な形を、安心できる業者に依頼した上で実現していただければと思います。

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