キッチンの必需品「レンジフード(換気扇)」。長年使い続けていたり、ちょっと調子が悪いなと感じていたら、そろそろ交換の時期かもしれません。しかし、ひとことでレンジフードといってもたくさん種類があって、どれが自分のキッチンに最適なのか分からない…、そんな方も多いのではないでしょうか?
「寿命はどれくらい?交換費用はどれくらいかかるの?」
「レンジフード選びのポイントは?」
「お手入れが簡単なのはどれ?」
この記事では、レンジフードの耐用年数やリフォーム費用相場、レンジフード選びのポイントを詳しく解説。みなさんの疑問やお悩みを解決します!また、レンジフードの人気メーカーおすすめ機種もご紹介します。
レンジフードのリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

レンジフード(換気扇)の交換時期の目安は約10年
レンジフードとは、キッチンに設置された換気扇と、換気性能を高めるために換気扇を覆うように設置した換気フードのこと。レンジフード(換気扇)の寿命は、一般的に約10年と言われています。使用頻度やお手入れ頻度によってかわりますが、7〜8年あたりから不具合が出てくる場合もあるようです。
交換時期かの判断するには、稼働中のレンジフードを観察してみましょう。もし、運転中の音が以前と違って聞こえたり、レンジフード自体がガタガタと振動しているようなら、不具合が起きている可能性大。早めの交換をおすすめします。

レンジフードの交換・リフォーム費用相場は10~20万
パナソニック「ラクシーナ」にあわせた「スマートフードII」の施工イメージ(画像出典:パナソニック)
レンジフードの交換・リフォーム費用の相場は、本体+工事費で10~20万程度が目安です。シンプルな換気扇を同じタイプに交換するだけであれば、5万円程度で収まります。しかし、高機能なレンジフードの場合は20万円前後を考えておくとよいでしょう。
なお、工事費は3~5万円程度が一般的。レンジフードの場所を変えたい場合などは工事費が高くなります。リフォーム業者に早めの段階で希望を伝え、確認することをおすすめします。

レンジフード選びのポイント1 いまのレンジフードのサイズを測る
レンジフード選びをするなかで、まずはじめに知っておきたいのが現在設置しているレンジフードのサイズ。レンジフードは多くの場合、壁と吊り戸棚などの間に設置されます。この場合、レンジフードの横幅を変更するのは難しいため、そのままのサイズで交換するのが基本です。
国内メーカーから販売されているレンジフードの規格サイズは、横幅60cm・75cm・90cmの3種類。サイズによって価格は変わりますが、機能性においてはとくに違いはありません。

レンジフード選びのポイント2 排気ファンの種類を選ぶ
レンジフードの排気ファンは、主に3種類。種類によって特長が異なり、換気性能や静音性に違いがあります。どんな特長をがご希望でしょうか?比較しながら見ていきましょう。
静かさ重視なら「シロッコファン」

現在最もスタンダードなのがシロッコファン。羽根が筒状に配置された排気ファンで、タイヤのようなフォルムが特長です。最大の強みは、作動音が非常に静かなこと。アイランドキッチンなどのリビングスペースと近い位置にレンジフードがある間取りでも、音が気になりません。
また、ダクトを通して屋外に排気するため、屋外に面していない部屋でも設置でき、間取りを選ばないのもメリットのひとつ。外気の影響を受けにくいので、マンションなどの高層階にもおすすめ。
風量がやや小さめなのがデメリットです。
お手入れしやすさ重視なら「ターボファン」
ターボファンは、筒状でシロッコファンによく似ていますが、羽根の枚数が少なく、斜め後ろ向きについているのが違いです。シロッコファンに比べて回転が速く風量が大きいため、換気効率が高いのが最大のメリット。
しかし、シロッコファンに比べると製品数が少ないためデザイン面での選択肢が少ない点と、値段が高めな点はデメリットといえるでしょう。
風量重視なら「プロペラファン」
リクシル「不燃プロペラファン」の施工イメージ(画像出典:リクシル)
戸建のキッチンに昔から使われてきたのがプロペラファン。「換気扇」といって思い出すのがこのタイプかもしれません。扇風機のような形状で屋外に面した壁に設置し、ダクトを通さず直接屋外に排気を行います。
シンプルな構造なため取り付けが簡単で、価格が手頃なのがメリットです。パワフルな風量で、排気量が多いのが特長な反面、回転音が大きいのがデメリットです。

レンジフード選びのポイント3 レンジフードの形状を選ぶ
排気ファンを覆うフードの形状には、主に3つのタイプがあります。デザイン面の違いはもちろん、お手入れのしやすさにも大きく関わってきます。気に入ったデザインがあると決めたくなってしまいますが、自分のお手入れ頻度をはじめとしたライフスタイルにマッチするかどうかをしっかり考慮して選ぶのが、後悔しないリフォームのポイントです。
ブーツ型(深型)
リンナイ「深型レンジフードBDEシリーズ」の施工イメージ(画像出典:リンナイ)
ブーツ型は定番のフードで、「スタンダード型」とも呼ばれるタイプ。多くの住宅に採用されており、誰もが目に目にしたことのあるフードでしょう。
フードが深いので煙を集めやすいのが特長で、価格もお手頃なものから選べます。シンプルな形状で、どんなキッチンにも合わせやすい。
ブーツ型はフードのみの取り付けも可能。昔ながらのプロペラ型の換気扇の上に、フードを後付けすることもできます。
デメリット:ブーツ型のデメリットは、フィルターの掃除が面倒なこと。
細かく開いたフィルターの目に油汚れやホコリが溜まるため、定期的に掃除をする必要があります。
スリム型(薄型)
リンナイ「スリム型レンジフードTLRシリーズ」の施工イメージ(画像出典:リンナイ)
スリム型(薄型)は、直線的なフォルムで溝や繋ぎ目がないため油がつきにくく、お手入れがしやすいのが特長。スリムでスタイリッシュな形状で、インテリアとしても高い人気のある型です。
また、お手入れの手間が省けるセルフクリーニング機能など、最新の機能が搭載された製品が多く販売されています。しかし、高機能な製品はそのぶん価格が高めになるため、費用対効果を検討して選ぶようにしましょう。
フラット型(浅型・平型)
リンナイ「フラット型レンジフードBFRSシリーズ 」の施工イメージ(画像出典:リンナイ)
フラット型は「平型」と呼ばれるとおり、ほかの型と比べて厚さのない、コンパクトな形状が特長。ほかの型では設置できないような、天井が低いキッチンや梁がある場合など、高さを確保できない場合にも設置できるのがメリットです。
【キッチンレイアウト別】設置可能なレンジフードの形状一覧
ここまでご説明したレンジフードの種類は、どれでも好きなタイプを選べるというわけではありません。壁付けキッチンやアイランドキッチンといったシステムキッチンのレイアウトの種類によって、設置できるレンジフードは限られてきます。
ここからは、システムキッチンのレイアウトごとに、取り付け可能なレンジフードの種類をご説明します。
キッチンのレイアウト |
イメージ |
最適なレンジフードの取り付けタイプ / 型 |
アイランドキッチン |
パナソニック「Lクラス」アイランドキッチンにあわせた「スクエアセンターフードS」施工イメージ(画像出典:パナソニック)
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【取り付けタイプ】
・天井取り付けタイプ
【型】
・スリム型 |
ペニンシュラキッチン |
パナソニック「Lクラス」ペニンシュラキッチンにあわせた「ほっとくリーンフード」施工イメージ(画像出典:パナソニック)
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【取り付けタイプ】
・天井取り付けタイプ
・横壁取り付けタイプ
【型】
・スリム型 |
セミオープン
ペニンシュラキッチン |
パナソニック「Lクラス」セミオープンキッチンにあわせた「スマートフードII」施工イメージ(画像出典:パナソニック)
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【取り付けタイプ】
・天井取り付けタイプ
・横壁取り付けタイプ
・壁面取り付けタイプ
【型】
・ブーツ型
・スリム型 |
壁付けI型キッチン |
クリナップ「Lクラス」壁付I型キッチンにあわせた「BDE シリーズ」施工イメージ(画像出典:クリナップ)
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【取り付けタイプ】
・天井取り付けタイプ
・壁面取り付けタイプ
【型】
・ブーツ型
・スリム型 |

レンジフード選びのポイント4 お手入れ性・お掃除機能を選ぶ
クリナップ「ステンレスデザインフードBallena(バジェーナ)」のお手入れイメージ(画像出典:クリナップ)
ノンフィルター
レンジフードのお手入れでたいへんなのが、とくにフィルターのお掃除ではないでしょうか。そんな悩みを軽減してくれるのがノンフィルターのレンジフードです。従来のレンジフードの場合、排気中の油分は金属網フィルターが受けていましたが、ノンフィルタータイプはファンの回転による遠心力でフード内部のオイルトレーに集めています。
また、パーツが少なく、取り外したり元に戻したりするのも簡単なよう工夫されているため、お掃除が短時間で終わるよう設計されています。
セルフクリーニング(自動洗浄)機能
セルフクリーニング(自動洗浄)機能とは、フィルターとファンをまるごと自動で洗う機能。お湯をセットするだけで浸け置き洗いできる仕組みになっています。
しかし注意が必要なのは、自動洗浄機能できるのは多くの場合がフィルターとファンだけな点。それ以外のパネルやオイルトレー部分以外は、いままでのレンジフード同様にお手入れが必要です。しかし、製品によってはパーツを食洗機で洗えるよう設計されているものも。できるだけお手入れを減らしたい方におすすめです。

レンジフードの人気メーカー おすすめ最新レンジフード
ここからは、人気のレンジフードメーカーから、お手入れしやすい最新のレンジフードをご紹介します。
パナソニック「DWシリーズ」
パナソニックのレンジフード「DWシリーズ」(画像出典:パナソニック)
「DWシリーズ」は、シロッコファンの自動洗浄機能付きのレンジフード。スリム型でフィルターがありますが、 2か月に1回の自動洗浄で、10年フィルター取り換え不要!また、「エコナビ搭載」を搭載。調理の温度を検知し、自動的に風量を制御して電気代を節約します。
富士工業「TXシリーズ」
富士工業のレンジフード「TXシリーズ」(画像出典:富士工業)
「TXシリーズ」は、見やすく、掃除がしやすいスリム型タイプ。プッシュボタンを押すだけで簡単に着脱ができる清掃性に優れたシロッコファンを採用しています。
富士工業「XXシリーズ」
富士工業のレンジフード「XXシリーズ」(画像出典:富士工業)
「XXシリーズ」は、デザインと使いやすさにこだわった、ノンフィルタータイプ。飛び散りを防ぎながら油を誘導するベルマウスと油をためるオイルトレーが一体化しています。
パロマ「HAFシリーズ」
パロマのレンジフード「HAFシリーズ」ジ(画像出典:パロマ)
「HAFシリーズ」はシロッコファンのスリム型レンジフード。お手入れ点数が少ないノンフィルタータイプで、LED照明採用で省エネでお手頃価格なのが魅力のレンジフードです。
クリナップ「洗エールレンジフードシリーズ」
クリナップのレンジフード「洗エールレンジフード」(画像出典:クリナップ)
「洗エールレンジフード」は、ボタン1つでフィルターとファンをまるごと洗えるセルフクリーニング機能が人気のレンジフード。約2ヶ月に1回の洗浄で、約10年間ファンフィルターを取り外さずにお掃除ができるのがメリットです。また、不在時の室内温度が設定以上になると、自動で排熱を行う「自動排熱運転機能」を搭載。夏場の熱ごもりによる不快感やエアコンの消費電力を抑制してくれます。
タカラスタンダード「VUAシリーズ」
タカラスタンダードのレンジフード「VUAシリーズ」ジ(画像出典:タカラスタンダード)
「VUAシリーズ」は、お掃除しやすい「高品位ホーロー」を採用した整流板が特長。湿気や熱に強く、腐食しない。油汚れや水アカ・カビもサッとひとふきでお手入れできるのがメリットのレンジフードです。特別な最新機能がないぶんお手頃価格なため、コストパフォーマンスのよいレンジフードをお探しの方におすすめです。
リクシル「CLSタイプ」
リクシルのレンジフード「CLSシリーズ」ジ(画像出典:リクシル)
「CLSタイプ」は10年間は内部のシロッコファンの掃除が不要な「よごれんフード」を搭載したスリム型レンジフード。普段のお手入れは、オイルトレーの油を拭き取って洗うだけ。3ヶ月に1回程度、シロッコファン下の回転ディスクをキッチンで丸洗いすればOKのお手入れ性の高さが魅力です。また、「風量おまかせモード」により、料理の状況にあわせて運転モードを自動で切り替え。料理中にあわてて手動での風量変更しなくてよいのもメリットです。
ノーリツ「クララタッチシリーズ」
ノーリツのレンジフード「クララタッチシリーズ」ジ(画像出典:ノーリツ)
「クララタッチシリーズ」は、強運転でも44dBという図書館なみの静かさが魅力のスリム型レンジフード。ノンフィルタータイプでオイルガード塗装やフッ素ナノコートが施してありお手入れも簡単です。また、周囲の照明と合わせて明るさ・色味が選べるLED照明を採用、省エネ設計な点もメリットです。

まとめ
本記事では、レンジフード選びのポイントを中心に、レンジフード(換気扇)の寿命から交換・リフォーム費用相場など総合的にご紹介しました。気になるメーカーや製品は見つかりましたか?
レンジフードはキッチンのなかでもお手入れがたいへんな設備。より簡単にお手入れができる製品を各メーカーが展開しています。自分のライフスタイルにマッチするのはどんなレンジフードか?購入前にしっかり検討して、最適なレンジフードのある料理もお手入れも快適なキッチンを作ってください。
カインズでは、コストパフォーマンスの高いレンジフードをご用意しています。ぜひお近くの店頭で、実物を体験してください。
また、主要なメーカーのシステムキッチンを各種取り扱っております。レンジフードやシステムキッチンのリフォームについて、わからないことや知りたいことがございましたら、店頭または下記フォームよりお気軽にご相談ください。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。