障子のサイズは、それぞれの家の間取りや地域によってさまざまです。障子の張り替えをする際には、障子枠のサイズに合った障子紙を選ぶ必要があります。この記事では、市販されている障子紙・障子枠のサイズや種類、障子のサイズの測り方について解説します。また、障子紙を購入する際にどのようなポイントをチェックすべきか、張り替えで失敗しない障子紙の選び方についても紹介します。
障子紙のサイズ・特徴

障子のサイズは、地方や間取りによって異なります。障子を張り替える際は、障子紙のサイズをよく確認して購入する必要があります。ホームセンターなどで多く販売されている基本的なサイズは次の3つです。
名前 |
幅 |
長さ |
一枚貼り |
94cm/69cm/135cm |
1.8〜15m(障子1〜8枚分) |
美濃判 |
約28cm |
18.8m(幅94cm腰板付き5段の障子4枚分)/94cm |
半紙判 |
約25cm |
22.5m(幅94cm腰板付き6段の障子4枚分)/94cm |
一枚貼り
一般住宅でよく見られる基本的なサイズの障子枠に合わせた、幅94cmタイプの障子紙です。長さは1.8〜15m(障子1〜8枚分)とさまざまで、多くがロール状で販売されています。その他に69cm幅や、135cmの幅広タイプも販売されています。基本的なサイズの障子であれば、一枚貼り1枚で足り、継ぎ足して張り合わせる必要がないため見栄えがよく、障子紙の中では主流となっています。張り合わせなくすっきり仕上げたいという場合に最適です。
美濃判
幅は約28cmで、格子1段分ずつ障子の横方向に張っていくタイプです。障子の組子1マス分の高さが約28㎝のものに適しています。長さは18.8m(幅94cmの腰板付き5段の障子4枚分)でロール状になっているものや、一般的な障子枠の幅である94cmずつカットされたものがあります。1段ずつ張っていきたいという場合に最適です。地域によって幅の長さが27~30cmと異なるため、購入時はサイズを確認する必要があります。
半紙判
幅は約25cmで、格子1段分ずつ障子の横方向に張っていくタイプです。障子の組子1マス分の高さが約25cmのものに適しています。長さは22.5m(幅94cmの腰板付き6段の障子4枚分)でロール状になっているものや、一般的な障子枠の幅である94cmずつカットされたものがあります。美濃判と同じく、1段ずつ張っていきたいという場合に最適です。地域によって幅の長さが24~26cmと異なるため、購入時はサイズをよく確認しましょう。
障子枠のサイズと種類

障子枠には、さまざまなサイズがあります。サイズだけでなく、組子のデザインも多岐にわたり、多くの種類があります。障子の張り替えをする際は、障子枠のサイズや種類を確認しておきましょう。障子枠のサイズと種類にはどのようなものがあるのか、解説します。
障子枠のサイズ
障子枠の基本的なサイズは、幅90cm高さ185cmです。その他にも、次のようなサイズがあります。
障子枠のサイズ |
幅 |
高さ |
基本サイズ |
90cm |
185cm以内 |
天袋サイズ |
90cm |
40cm以内 |
中サイズ |
90cm |
40~60cm以内 |
丈長サイズ |
90cm |
185~210cm以内 |
幅広サイズ |
90~150cm |
210cm以内 |
幅広丈長サイズ |
90~150cm |
185~210ⅽm以内 |
障子枠の種類
障子枠には、組子のデザインが異なる6つの種類があります。それぞれの種類の特徴について解説します。
名称 |
特徴 |
荒組障子 |
一般住宅で最も多く使用されているスタンダードなタイプ。縦と横の組子の間隔が大きい。荒間障子とも呼ばれる。 |
横繁障子 |
縦の組子に対して横の組子が多く組まれたタイプ。 |
縦繁障子 |
横の組子に対して縦の組子が多く組まれたタイプ。 |
雪見障子 |
上部分が障子で下部分にガラスがはめ込まれたタイプ。ガラス部分を通して外の景色を眺められる仕様。 |
腰付障子 |
上部分が障子で下部分が板張り(腰板)のタイプ。腰板の面積が大きいものを腰高障子と呼ぶ。 |
猫間障子 |
障子の一部分にガラスをはめ込み、そこに上下もしくは左右に開く小障子を設けたタイプ。 |
障子のサイズの測り方

障子の張り替えをする際は、障子枠のサイズを測る必要があります。障子枠のサイズを、正しく測る方法について解説します。
内寸のサイズを測る
障子の張り替えをする際は、障子を正面から見て、縦・横ともに障子枠の内側の長さを測ります。障子枠の外枠である框部分をサイズに入れないよう注意しましょう。
のりしろ部分も寸法に加える
障子紙に必要な正確な寸法を出すには、内寸にのりしろ分を足しましょう。
内寸に、上下左右各2cmずつのりしろ部分を加えた寸法が、障子紙に必要なサイズとなります。オーダーメイドで障子紙を注文する場合は、正確な寸法が必要になるため、のりしろ分を忘れずに加えましょう。
障子紙の選び方
障子紙を選ぶ際は、サイズで選ぶだけでなく次のような選び方があります。
- 素材で選ぶ
- 張り方で選ぶ
- 明るさで選ぶ
- 機能性やデザインで選ぶ
それぞれ解説します。
素材で選ぶ
障子紙は、素材の内容や作られる行程によって、特徴や価格帯が異なります。障子紙の主な種類は、次の3つです。
手すき和紙
楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの天然木を原材料とし、手作業で1枚ずつすいて仕上げる和紙です。天然素材ならではの調湿効果があり風合いが柔らかである一方で、強度や耐久性が高く、保存性に優れています。職人による手作業で作られており、大量生産ができないため、価格は高めです。
機械すき和紙
生産性アップを目的に、機械によって作られた和紙です。原材料には木材パルプ、レーヨンや麻なども使用して、印刷にも対応した和紙に仕上げています。手すき和紙と比較すると品質はやや劣りますが、大量生産できるためサイズや種類が豊富で、手すき和紙よりも安価です。
プラスチック障子紙
和紙の両面を、プラスチック製の薄いシートで挟んで作られたものです。見た目は和紙ですが、和紙よりも破れにくく強度が高いため、扱いやすさがあります。従来どおり、のりで張れるほか、アイロンや両面テープで張ることも可能です。
張り方で選ぶ
障子の張り方は3つあり、接着の仕方が異なります。それぞれの特徴について解説します。
のりで張る
ハケで障子枠の桟にのりを付け、和紙の障子紙と接着させる方法で、伝統的な障子の張り方です。アイロンや両面テープで張る方法に比べると、乾燥させる時間が必要なため、張り替えが完了するまでに時間がかかります。
アイロンで温めて張る
専用のプラスチック障子紙を使用し、アイロンで温めて障子枠に張っていきます。プラスチック障子紙は、和紙よりも破れにくく、断熱性が高いというメリットがあります。用意する物はアイロンのみで、温めるだけで接着できる手軽さがメリットです。
両面テープで張る
障子枠の桟に専用の両面テープを貼り、プラスチック障子紙を張ります。比較的簡単に張れる半面、剥がす際はアイロンで温めながら少しずつ剥がすため、やや時間がかかります。
明るさで選ぶ
障子紙によって光の通し方が異なり、日の光を多く取り込んで室内を明るくする作用のあるタイプや、遮光効果のあるタイプなどが販売されています。障子を設置している部屋は、光を多く取り込んで室内を明るくしたいのか、外からの光を遮りたいのかなどを考えて選びましょう。部屋の用途や室内の日当たり、使用している照明などを考慮して検討するのがおすすめです。
機能性やデザインで選ぶ
現代の障子紙には、次のようにさまざまな機能性を備えたものがあります。
- 断熱性:冷暖房効果を高めたい場合におすすめ
- 通気性:カビや結露を防ぎたい場合におすすめ
- 遮光性:寝室や紫外線をカットしたい場合におすすめ
- 耐久性:小さい子供やペットがいる場合におすすめ
また、白い無地のタイプだけでなく花柄や市松模様、洋風にも合わせられる絵柄やキャラクターが描かれたものなど、さまざまなデザインの障子紙が販売されています。部屋のテイストや用途に合ったデザインを選びましょう。
障子の張り替えで困ったときの対応

自分で障子の張り替えをする際、次のようなケースでどのように対応するのが良いか解説します。
- 障子紙のサイズが合わない
- 破れた障子紙を補修したい
障子紙のサイズが合わないとき
市販されている障子紙が、自宅の障子枠に合わないというケースは少なくありません。ちょうどいいサイズがない場合は、大きめの障子紙を購入して余分な部分をカットするのが良いでしょう。反対に、市販の障子紙が小さいという場合は、縦方向で継ぎ足すと引き違いの障子である場合に引っかかってしまうことがあるため、横方向に継ぎ足します。また、余った障子紙は補修用などで使えるため、保存しておくのがおすすめです。
破れた障子紙を補修したいとき
障子紙に穴が開いたり破れたりした場合、次のような補修方法があります。
小さな穴が開いた場合 |
- 市販されている補修シールや補修テープを貼る
- 穴よりやや大きめにカットした障子紙を、表と裏の両側から貼り合わせる
|
大きく破れた場合 |
- 破損した部分1マスだけをカッターで切り取り、新たに障子紙を張る
- 美濃判や半紙判を使用するのがおすすめ
|
破れた部分にセロハンテープやガムテープを貼って補修するのは、桟を傷める原因となるため避けましょう。
まとめ
障子紙のサイズには、基本サイズの障子であれば1枚で完結する一枚貼り、横方向に格子1段分ずつ張っていく美濃判や半紙判があります。見栄えが良く見えるのは一枚貼りですが、美濃判や半紙判は部分的に補修する場合や、格子1段ずつ張っていく場合に使いやすい障子紙です。障子の張り替えをする際は、障子のサイズを確認した上で、障子紙の素材や張り方・明るさ・機能性やデザインなども考慮して選ぶのが良いでしょう。障子の張り替えに不安がある場合には、専門業者に依頼するのもおすすめです。
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