電気代の安い深夜電力を利用するため光熱費を抑えられ、環境にもやさしいことから人気の給湯機「エコキュート」。快適に使い続けるためには、適切なメンテナンスをする必要があるのをご存じですか?エコキュート本体が目の届きにくい家の外にあるため、「実は、設置してから一度もお手入れしたことがない」そんな方も珍しくはありません。
「エコキュートの水抜きってなに?自分でできるメンテナンス方法を知りたい!」
「どれくらいの頻度でお手入れすればよいの?」
「プロにお願いしたら費用はどれくらいかかるの?」
この記事では、エコキュートのメンテナンスについて徹底解説!正しいメンテナンス方法や頻度、メンテナンスをしない場合のデメリットを詳しくご紹介します。また、業者に依頼した場合の料金相場や、注意したい訪問業者についてもご紹介。みなさんの疑問にお答えします!
エコキュートのメンテナンスについて知りたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
【頻度別】エコキュートのメンテナンス方法

エコキュートのメンテナンスが必要な場所と、正しいメンテナンス方法をご存じですか?定期的にメンテナンスを行わないと、故障の原因になったり必要以上に電気代がかかってしまったりと、思わぬトラブルにつながります。
下記に、エコキュートのメンテナンスが必要な場所をまとめました。3種類の頻度がありますので、どこをいつ掃除すればよいのか、カレンダーにメモするなど忘れない工夫をして、定期的な掃除を続けましょう。
頻度 |
掃除する場所・パーツ |
1週間に1回 |
・浴槽フィルターの掃除 |
年に2〜3回 |
①貯湯タンク内の水抜き
②水漏れの点検
③漏電遮断機点検 |
半年に1回 |
・配管の掃除 |
1週間に1回|浴槽フィルター
浴槽フィルターは、浴槽の内部にあるフィルターのこと。給湯や追いだきのお湯は、この浴槽フィルターを通ってお湯が出てきます。お手入れせず汚れを放置していると、水アカがたまって目詰まりをおこしたり、ひどい場合は追いだきがうまく動作しなくなる場合も。
【メンテナンスの手順】
- 浴槽フィルターを取り外す
- 浴槽フィルターを水洗いして全体の汚れを取りのぞく
- 水アカが固まっていたら水アカ専用洗剤で落とす
- 細かいゴミや汚れがあれば古歯ブラシでこすり落とす
年に2〜3回|①貯湯タンク内の水抜き
エコキュートのメンテナンスのなかで、最も重要なのが貯湯タンク内の水抜きです。
貯湯タンクはステンレス製で清潔に保てるよう設計されていますが、常にお湯を溜めておくため、水アカが発生してしまいます、また、水道水に含まれるミネラル成分も、不純物として沈殿していきます。
定期的に排水して内部を洗浄しないと、水アカや不純物がどんどん沈殿してしまいます。放っておくとエコキュート内のお湯が汚れ、さらにはエコキュートの故障にもつながることもあります。
【メンテナンスの手順】
- 貯湯タンク下のカバーを外し、漏電遮断器を「OFF」にする
- 給水止水栓を閉じる
- 逃し弁レバーを開けて貯湯タンクの中に空気を入れ、約1分間待つ
- 排水栓を開いて2分以上排水(=水抜き)をする
- 排水が止まったら給水止水栓を開け、お湯が出るのを確認する
- お湯が出たら、逃し弁レバーを戻す
- 漏電遮断器を「ON」にし、混合水栓からお湯が出ることを確認する
エコキュートの貯湯タンクの内部には手を入れられない構造であるため、自分では直接清掃できません。何度も水抜きをしても汚れたお湯が出てくる場合は、プロの清掃業者に依頼することをおすすめします。
年に2〜3回|②逃し弁の点検
・逃し弁とは、貯湯タンクの圧力を逃がすために必要な部品です。貯湯タンクには常にお湯がいっぱいに溜められています。加熱するとお湯が膨張し、そのままだと貯湯タンクが変形したり破損したりするため、膨張したぶんのお湯を排出するのが逃し弁の役割です。
【メンテナンスの手順】
- 逃し弁カバーを開ける
- 逃し弁レバーを上げ、排水口より排水されるかを確認
- 逃し弁レバーを戻し、排水が止まるかを確認
逃し弁レバーを上げても排水されない、または元に戻してもお湯や水が止まらないようであれば、メーカーや販売店に連絡をしましょう。
年に2〜3回|③漏電の点検
漏電遮断機は、万が一エコキュートが漏電したときに自動的に電力をストップさせて運転を止める安全装置です。
漏電遮断機が正常に動作しなくなると、家全体のブレーカーが落ちてしまい、何度上げても上がらなくなります。漏電したエコキュートをそのまま使用を続けることはできませんので、修理か交換などの対応が必要です。メーカーや販売店に相談しましょう。
【メンテナンスの手順】
電源扉を開け点検ボタンを押す
漏電遮断器が「切」になれば正常
漏電遮断器を「入」に戻して扉を閉じる
【メンテナンスの手順】
- 電源カバーを開け、点検ボタンを押す
- 漏電遮断器が「OFF」になるかを確認
- 漏電遮断器を「ON」に戻し、電源カバーを閉じる
半年に1回|配管の掃除
エコキュートと浴槽をつなぐ配管は、汚れがたまりやすいパーツ。基本的にエコキュートには配管の自動洗浄機能がついていますが、取りきれない汚れが少しずつたまっていきます。市販の風呂用の配管洗浄液を使えば手軽に掃除できますので、半年に1回を目安に掃除しましょう。
【メンテナンスの手順】
- 浴槽の循環口よりも多めに水を溜め(残り湯でもOK)、洗浄剤を入れる
- 洗浄ボタンを押し、1時間ほど洗浄水を配管の中で循環させて洗浄し、排水する
- また水を溜め、30分ほど水を循環させてすすぎ洗いをして排水する
- 水浴槽内を掃除する
残り湯を使いたい場合は、入浴剤の使用は控えてください。入浴剤によっては配管に悪影響を及ぼす可能性があります。
洗浄剤を選ぶ際は、取扱説明書などでメーカー推奨のものであることを確認してください。もし心配な場合は、メーカーから販売されている洗浄剤を使用するとよいでしょう。
硫黄、酸、アルカリを含んだ洗浄剤は、配管を痛める原因になるので使用してはいけません。酸素系洗剤は、除菌と皮脂汚れを浮かして取り除く効果があるためおすすめです。
エコキュートのメンテナンスをしないとどうなる?3つのデメリット

エコキュートを少しでも長く大切に使いたいと考えるなら、点検やメンテナンスは必須です。エコキュートの掃除や点検をしないと、どうなるのでしょうか?主に下記の3つのトラブル・デメリットがあげられます。
【3つのデメリット】
- エコキュートが壊れやすくなる
- 浴槽のお湯が汚くなる
- 電気代や水道代が高くなる
ここからは、エコキュートのメンテナンスをしない場合の3つのデメリットについて、詳しく解説します。
エコキュートが故障しやすくなる、寿命が短くなる
一般的に、エコキュートの寿命は10年〜15年が目安。しかし、メンテナンスをせず汚れを放置していると、劣化が早まり故障の原因になることもあります。使い方によっては10年以下でも故障して交換が必要になる可能性も。少しでも寿命を伸ばして長く使いたいなら、定期的なメンテナンスを忘れずに続けるようにしましょう。
浴槽のお湯が汚くなる
エコキュートの貯湯タンク内は、常にお湯がためてあり、暖かく湿度が高いという菌が増殖しやすい環境です。
浴槽フィルターや貯湯タンク、配管のメンテナンスをせずに使い続けていると、新しくお湯を入れたのに水アカや汚れが浮いていたり、何だか臭いがしたりすることもあります。
電気代や水道代が高くなる
メンテナンスを怠り、フィルターが目詰まりしたり配管などに汚れがたまったりすると、エコキュートがスムーズに稼働できなくなってしまいます。稼働率が悪くなり、必要以上の電気代や水道代がかかります。
エコキュートのメンテナンスを業者に依頼する|費用相場とメリット

長年メンテナンスをしていない場合や、自分でメンテナンスをする時間がない場合は、業者に依頼するのも選択肢の1つです。依頼先は、エコキュートの清掃・修理点検の専門業者やハウスクリーニング業者がよいでしょう。
相場は10,000~30,000円ほどが目安です。業者に依頼すると、自分では見つけられなかった劣化なども発見してもらえるというメリットも。使い始めて5年も経つと、セルフメンテナンスでは見えない部分で部品が劣化していることも少なくありません。普段は自分でメンテナンスしている方も一度業者に依頼すると、エコキュートの状態を知ることができるためおすすめです。
「無料点検」があぶない!エコキュートの訪問営業にご注意を

メーカーや大手電力会社と名乗って急に訪問し、エコキュートの無料点検を勧めてくる業者には注意が必要です。点検の結果、部品などの故障を指摘し、不要な工事や新しいエコキュートへの交換を強引に勧める悪徳商法が横行しています。
「今だけ工事費用無料のキャンペーン中」、「新しいエコキュートを他社の半額で設置できる」と、無理矢理その場で契約をさせようとするのがよくある手口です。少しでもおかしいなと思ったら、基本的にその場で契約せず、家族と相談しないと決められないと、きっちり断るようにしましょう。
また、もし契約してしまった場合でも8日以内ならクーリングオフが可能です。契約書に「契約解除不可」「違約金が発生する」と書かれていても、クーリング・オフは適用されます。詳細は、国民生活センターや自治体の消費生活センターにご確認ください。
まとめ
本記事では、エコキュートのメンテナンスについて解説。正しいメンテナンス方法や頻度、メンテナンスをしない場合のデメリットを詳しくご紹介しました。また、業者に依頼した場合の料金相場や、注意したい訪問業者についてもご紹介しました。エコキュートのメンテナンスについての悩みや不安は解決できましたか?
もし、定期的にメンテナンスをしていても「異音がする」「給湯温度が安定しない」といった不具合が生じているなら、そろそろ自宅の給湯器は買い替え時かもしれません。カインズではエコキュートをはじめ、給湯器の交換や取付を承っております。エコキュートについて、わからないことや知りたいことがございましたら、店頭または下記フォームよりお気軽にご相談ください。
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