大切な車を雨や雪から守るためにはカーポートが必要です。しかし、カーポートにも寿命があり、寿命は材質によっても異なります。この記事では、カーポートの寿命をはじめ劣化する原因、カーポートの寿命を長くする方法について解説します。最後に、おすすめのカーポートも紹介するので、参考にしてみてください。

カーポートの一般的な寿命は?
カーポートの一般的な寿命の目安となるのが、国税庁が定めている耐用年数です。耐用年数とは対象の品物を使用できる一般的な期間のことで、期間は品物によって異なります。
国税庁のWebサイトによると、カーポートは構造や素材から「露店式立体駐車設備」に分類され、耐用年数は15年と定められています。
ただし、どのカーポートも必ず15年間使用できるとは限りません。15年経たすに破損してしまうこともあれば、15年以上経過しても問題なく使用できることもあります。カーポートの寿命は「使用されている素材」「設置場所」「気候」によって異なるため、目安として参考にしてください。
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【屋根】材質別のカーポートの寿命
カーポートに使用される素材は主に3種類で、それぞれ特徴や寿命が異なります。まずは、屋根の素材別カーポートの寿命を確認してみましょう。
ポリカーボネート
ポリカーボネートはプラスチックの一種で、屋外の耐久性に優れています。太陽光による劣化がほとんど起きないこと、衝撃に強い上に割れにくく錆びにくいことが特徴です。火災に対して高い防火性も期待できることから、ポリカーボネートは広く使用されています。
また、ポリカーボネートは光を完全に遮ることなく程よい採光性があり、紫外線はほぼカットしてくれるのもポイントです。屋根にポリカーボネートを使用したカーポートは、ほかの屋根の素材に比べて、耐用年数の目安とされる15年よりも長い間使用できるといわれています。
スチール折板
スチール折板はガルバリウム鋼板を折った素材のことで、耐荷重性と遮熱性の高さが特徴です。半永久的な寿命を誇り積雪にも強いため、スチール折板は雪が多い地域のカーポートの屋根素材として適しています。
スチール折板は特徴的な質感やフォルムからどうしても無機質な印象になってしまうため、強度を重視したい人やシンプルなカーポートを設置したい人に向いています。
塩化ビニール
塩化ビニールは耐薬品性や耐水性の高い素材です。柔らかくて割れにくく、加工性にも優れていることから、ポリカーボネートなどの新しい素材が誕生するまではカーポートの屋根に使用される定番の素材でした。
塩化ビニールはカーポートの屋根として使用しやすい素材ではあるものの、太陽光で劣化してしまいます。そのため、寿命はカーポートの耐用年数とされている15年よりも短い傾向があります。劣化した部分は衝撃に弱くなり、割れやすくなるので注意が必要です。

【梁・柱】材質別のカーポートの寿命
梁や柱もカーポートの寿命を左右します。ここでは、梁や柱の素材として一般的な「アルミ」と「スチール」を使用したカーポートの特徴やそれぞれの寿命を解説します。
アルミ
アルミは軽くて丈夫な素材です。加工しやすい性質を持ち、割れにくく錆びにくいため多くのカーポートで使用されており、半永久的な寿命が期待できます。
アルミはほとんど劣化しないので、積雪や強風など何らかの外的要因が加わったなどでなければ、壊れるケースは非常に稀です。潮風の影響を受けやすい海の近くに設置していても劣化しにくい素材です。
スチール
スチールは強度があり加工しやすいため柱の素材としても使われています。費用を抑えられる素材ではあるものの、スチールの塗装ははがれやすいので注意しなければなりません。塗装がはがれてしまった部分から錆びつくため、潮風の影響を受ける海の近くではより錆びやすくなります。スチールの寿命は目安となる耐用年数よりも短くなる傾向があります。
カーポートの修繕・買い替えをするタイミング
カーポートは次のようなタイミングで、修繕や買い替えが必要になります。
寿命を迎えたとき
カーポートの寿命である15年を経過すると、壊れるリスクが高まります。日頃からこまめにお手入れをしていたり、気候がおだやかな地域で使っていたりすると、寿命を過ぎても問題なく使える場合もあるでしょう。
しかし、安全に使うためにも寿命が迫ったタイミングで、業者に点検をしてもらったり、買い替えたりするのがおすすめです。15年目に向けて買い替え資金を用意しておくのもいいでしょう。
カーポートが壊れたとき
カーポートが壊れると、車の劣化が進みやすくなったり、自宅や近隣に被害を与えたりするリスクがあります。屋根にひび割れが見えたり、雨漏りが発生していたり、穴が開いていたりといった劣化サインを見つけたら、早急に修繕もしくは買い替えをしましょう。
カーポートが劣化しているサイン
カーポートの劣化を見分けるサインは、次の4つが代表的です。
- 穴が空いている
屋根材に穴が開くと、穴から雨や紫外線が入り込んで車にダメージを与えます。カーポートとしての役割を果たせなくなるため、修繕や交換が必要です。
- 屋根材がズレたり外れかけたりしている
屋根材がきっちり留まっていないと、強風で飛ばされてしまいます。近隣の住宅や通行人、車などにぶつかって大きな被害を与えてしまうリスクがあるため、すぐに対処が必要です。
- ひび割れがある(屋根材がポリカーボネートの場合)
うっすらと見えるひび割れであっても要注意です。自力で持ち上げて交換しようとすると、割れて粉々になってしまう可能性があります。業者に頼んで屋根材を交換するか、カーポート自体の交換リフォームが必要です。
- 変色している(屋根材がポリカーボネートの場合)
ポリカボネートは紫外線を浴びつづけると、変色してしまいます。機能面でのダメージは基本的にないものの、住宅の景観に影響を与えます。

カーポートが劣化する原因
カーポートは通常通り使用していれば簡単に壊れるものではありませんが、強度以上の力が加わると破損してしまいます。カーポートの耐用年数の期間にはまだゆとりがあるにも関わらず破損する原因は、ほとんどが台風や大雪、地震などの自然現象の影響によるものです。
たとえば、台風による強風を受けてカーポートの屋根パネルがはがれたり、積雪によってカーポートの屋根パネルが割れたり柱が曲がったりすることがあります。カーポートを選ぶ際は、素材だけでなく耐風圧強度や耐積雪強度も確認しておきましょう。

カーポートの寿命を長くする方法
カーポートの寿命を長くする方法は、耐用年数が長い素材を選ぶことだけではありません。より丈夫な構造のカーポートを選んだり、点検やメンテナンスをしっかり行ったりすることも大切です。カーポートの寿命を長くするには、どのような方法があるのでしょうか。
4本足のカーポートを選ぶ
カーポートにはすっきりした印象の2本足のカーポートもありますが、寿命を考えるのであれば4本足のカーポートを選びましょう。4本足のカーポートは風にあおられても揺れにくく、安定感があるため雪の重みにも耐えやすいです。そのため、駐車場が風の通り道となっている場合や、積雪の多い地域に居住している場合は、特に意識したいポイントです。
オプションで補強しておく
カーポートの耐風や積雪による劣化を防ぐためには、事前にオプションで補強をつけておくことも有効です。カーポートの母屋の強度をアップさせる母屋補強材や、強い風にあおられて屋根が飛ぶことを防ぐ屋根材ホルダーなどを検討してみましょう。
スペースや費用の面から2本足のカーポートを選ぶ場合は、着脱式のサポート柱をつけて積雪が気になる時期のみサポート柱を設置する方法もあります。
雪や台風の後は点検をする
台風が過ぎ去った後や積雪があった際は、カーポートに異常や破損した箇所はないかを確認します。一見するとカーポートが何ともないようでも、目につきにくい部分の異常や破損が見つかる可能性があります。
異常や破損に気づかず放っておくとカーポートの強度が下がってしまうかもしれません。異常がある場合は、早めに修理をしておくことで、カーポート全体の耐用年数が長くなります。
自分でメンテナンスする
日頃から自分でカーポートのメンテナンスをすることも大切です。特に、海の近くや台風が多い地域などは錆の発生を防ぐためにも、こまめにメンテナンスをしてあげましょう。
メンテナンスは水で濡らした柔らかいタオルや水を含んだスポンジを使い、カーポートを拭き上げるだけです。積雪の多い地域では、カーポートに雪が積もったら速やかに雪下ろしをしておくこともポイントです。

カインズおすすめのカーポート
最後に、耐久性を重視する人にもおすすめのカーポートを紹介します。
VICポートαⅣ フラット屋根 51-24型 耐雪20cm 耐風圧34m/秒|カインズオリジナル
耐久性の高いポリカーボネート板を使用した、スタイリッシュなデザインのカーポートです。すっきり見える片流れタイプで、1台用ではフラット屋根タイプとアール屋根タイプをラインナップしています。本カーポートのポリカーボネート板は透明とブルーの2色、本体はステンとブラック、ブラウンの3色から選べるので、家屋や塀の色にあわせられます。オプションで熱線遮断ポリカーボネート板も選べて、ハイルーフ柱への変更も可能です。
さらに優れた強度が必要な場合、屋根ふき材補強部品と母屋補強材、専用サポートがついた「VICポートαIV plus」も用意しています。
・耐風圧強度:34m/秒相当(VICポートαIV plus:42m/秒相当)
・耐積雪性能:20cm(VICポートαIV plus:30cm)

スタイリッシュポート フラットスタイル 1台用 24-50型 標準柱|カインズオリジナル
フラット型のポリカーボネート屋根を採用した、1台用カーポートです。同じシリーズにラウンド型もラインナップされているため、好みにあわせて選べます。屋根材は車内が熱くなりにくい熱線吸収ポリカーポネート板も用意されていて、価格は一般的なポリカーポネート板の場合と変わりません。
また、オプションでサポート柱や母屋補強材などが含まれている「耐風圧パッケージ」をつけることも可能です。耐雪20㎝、耐風圧42m/秒の強度を実現できるため、沿岸部など風が強いエリアもしっかりと車をガードできます。
・耐風圧強度:34m/秒相当(耐風圧パッケージをつけた場合は42m/秒)
・耐積雪性能:20cm

ガーデンフェイス折板カーポートⅡ50 55-55型 4本柱|カインズオリジナル
耐久性に優れたスチール折板屋根を採用した、フラット型のカーポートです。サイズは1台用〜3台用までラインナップしていて、自宅にあったものを選べます。
耐雪50㎝、耐風圧46m/秒の強度を実現できるため、積雪地域や台風の被害が多い地域にも向いています。日当たりが気になる場合には、同じくガーデンフェイスシリーズの採光型の商品もおすすめです。カラーはシルバーだけでなく、ブラックやブラウンなど住宅の外観に調和しやすいカラーも揃えているため、デザインも重視したい人にも向いているカーポートです。
・耐風圧強度:46m/秒相当
・耐積雪性能:50cm

ソルディーポート 1台用 30-50型 セミロング柱 | LIXIL
明るさを確保し雪や風に強いポリカーボネート屋根のソルディーボードは、耐積雪強度が50cmと積雪が多い地域でも安心の強度です。ポリカーボネート屋根のソルディーボードは採光性があり、カーポートが家屋に隣接していても室内が暗くなりません。
本カーポートのカラーは4種類で、選択する色によってまったく異なる印象になります。屋根材はオプションで近赤外線・紫外線をカットする熱線吸収ポリカーボネートに変更することも可能です。
・耐風圧強度:46m/秒
・耐積雪強度:50cm

レオンポートneo 1台用 55-30型 標準柱 | YKKAP
高強度のスチール折板屋根を採用したカーポートです。強度があるのは素材だけではありません。しっかりとした4本足構造で、より強度が高まります。4本足でもシンプルなデザインなのですっきりしていることも特徴です。
本カーポートの梁・柱のカラーバリエーションは4色、オプションで鼻隠しは8色のラインナップとなっています。無機質になりがちなスチール折板のカーポートもおしゃれな印象に変身します。
・耐風圧強度:46m/秒
・耐積雪強度:50cm

まとめ
国税庁が定めるカーポートの耐用年数は15年とされています。とはいえ、あくまでも一般的な目安であり、カーポートの素材や設置場所、気候によって寿命は異なります。
カーポートが劣化する原因は主に自然現象の影響が挙げられます。カーポートの寿命を長くするためには素材や構造にあわせた日々のメンテナンスが大切です。海の近くや台風が多い地域、積雪のある地域に居住している場合は、特にカーポートの素材や構造にもこだわりましょう。
カインズでも耐久性に優れたカーポートを数多く扱っています。製品や見積もりについて詳しくは、Webや電話、店頭の相談カウンターでご案内しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

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